RCNP研究会「原子核の閾値近傍における共鳴現象と反応ダイナミクス」

日時

2012年7月18日(水)から7月20日(金)

場所

大阪大学核物理研究センター 4階講義室

主旨

 近年の原子核実験の進展に伴い原子核の閾値近傍における特異な構造が明らかになってきた。典型的な例では、安定核の励起状態においてクラスター的な自由度が活性化するために基底状態とは異なる構造が現れる。これまでRCNP が関与する実験においても、12C や16O 等でαクラスターが発達した状態が多く検証されてきた。更に近年、不安定核においては弱束縛な過核子自由度の増加により、余剰中性子のスキンやハロー構造、分子軌道、2中性子相関など単純なクラスター構造の枠を超えた多様な構造が発現することが明らかになってきている。
 しかしながら、閾値近傍に存在する状態の多くは共鳴状態であるため、その構造を調べるには、崩壊などの反応のダイナミクスも同時に理解することが不可欠である。このように原子核の閾値近傍における弱束縛・共鳴系の構造を、核子多体系のダイナミクスとして構造と反応の両側面から実験的・理論的に理解することは極めて重要である。
 本研究会では、上記のテーマに関して国内の理論・実験の研究者が一堂に会し、最近までの研究の到達点を把握し、今後の展望や方針について議論する。

取り上げる主なトピックス
共鳴現象 :α凝縮、多中性子共鳴、分子共鳴、クラスター共鳴
中性子過剰 :ハロー・スキン核の構造、ソフトダイポール
反応 :分解反応、移行反応、天体核反応

世話人

菊地右馬(阪大RCNP、連絡責任者)、明孝之(大工大)、伊藤誠(関西大)、木村真明(北大)、船木靖郎(理研)、緒方一介(阪大RCNP)、川畑貴裕(京大)、大津秀暁(理研)

プログラム

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