報告書:RCNPワークショップ「ADSと原子核物理」


世話人:永井泰樹、佐藤健次、畑中吉治、板橋隆久

開催日時:平成1510月6日午後1時―6時

場所: 核物理研究センター 4階講義室

参加者:センター関係者(教官、技官、院生)、阪大原子核工学教官、他大学研究者、

企業関係者、一般市民等 約30名

講演・議論等:

本ワークショップでは、「トリウム溶融塩を用いた原子力エネルギー開発研究」に長年取り組んでおられる古川和男氏と「原研における核変換研究」の責任者大井川宏之氏を迎え講演・議論を行った。原子力エネルギーに関わる諸問題(安全性の高い核エネルギー利用法の開発、長寿命廃棄物処理法の開発等)は原子核物理研究者にとっても関心がもたれるところである。そこでこれら諸問題を軽減すると共に将来への展望及び核物理研究者の関わりを含め議論を行うのが主旨。
 古川氏は「今世紀のエネルギー環境対策---トリウム熔融塩炉の現状と開發計画」という課題で、世界の核エネルギー戦略の骨格を確立するための基本構想をもあわせ講演。 

 大井川氏は、「原研における加速器駆動核変換システムの研究開発」について以下の内容について講演。
(1) 分離変換技術の意義、廃棄物処分の現状。(2) ADSの役割、燃料技術の現状、分離技術の現状。(3) ADSの技術課題と研究開発状況。(4) J-PARCにおける核変換実験施設。(5) ADSをめぐる世界の状況。(6) 核物理とADS


議論:
 トリウム溶融塩法の特徴・課題について質疑が交わされた。又核変換研究については核物理上の問題点とそのための開発研究の現状・将来、加速器開発の状況についても議論が交わされた。そして今後の開発研究の展開をはかる上で関連分野の研究交流の重要性が指摘された。