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     RCNPワークショップ  「テンサー力と原子核物理」

         開催日時: 2009年4月24日(金)〜25日(土)
         開催場所: RCNP本館 4階講義室

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トピックス
1. テンサー力と短距離斥力
2. テンサー力とクラスター構造
3. テンサー力とシェル構造
4. テンサー力とハイパー核
5. テンサー力とカイラル対称性
6. テンサー力と新しい実験


内容と背景
  テンサー力はパイ中間子交換の主要成分であり、その取り扱いは
非常に難しく、これまではG行列のような方法で扱われていた。
ところが、最近のRCNPでの研究で、うまくテンサー力を取り扱える
ような模型空間をシェ ルモデルの枠組みのなかで作り、変分原理で
定量的に扱えることを示すことができた。
この方法を「テンサー最適化シェルモデル(TOSM)」と呼ぶ。
強い短距離斥力はドイツで開発されたユニタリー変換の方法が存在
しており、このユニタリー変換を多体のハミルトニアンに行うことで、
TOSMの枠組みで核力を直接使って原子核が計算できることを示した。
  この「TOSM法」で作られた波動関数は核力の特徴を完全に反映
したもので、波動関数の構造はこれまでのシェルモデルで得られたもの
から大きく変更されたものである。特に重要なのは高い運動量成分が
20%位入り込むことであり,新しい実験を要求するもので有る。
同時にこれまでの低い運動量成分は20%小さくする必要があり、
これまでの解釈が大きく変更を受ける。

  このTOSM法という新しい理論的枠組みを使って、原子核物理の
多くの現象を統一的に理解する研究に着手する段階に来ている。
そこで本ワークショップでは、現段階でそれぞれの原子核物理の
分野の最前線で活躍している研究者が集まり,今後の研究の方向を
議論する機会を作りたいと考えている。上記のプログラムのタイトルは
それぞれの共同研究の柱と研究対象の広がりを意味している。
  ワークショップでは、前半を半日ほどを使った公開の
ワークショップ、後半を共同研究のための詳細な打ち合わせとする、
2日間の日程を予定している。



世話人
土岐 博(阪大RCNP)   明 孝之(大阪工大)