RCNP-Z-639 平成16年4月9日 核物理研究センター 研究計画検討専門委員会議事録 日時: 2004年2月23日(月)11:00 - 17:00 場所: 核物理研究センター 会議室(2階) 出席者: 岡村(東北大CYRIC)、福田(大阪電通大)、上坂(東大CNS)、阪口(阪大)、 與曽井(京大)、若狭(九大)、櫻木(大阪市大)、比連崎(奈良女大) 飯嶋(名大)、篠原(阪大)、二宮(阪大RCNP)、民井(阪大RCNP)、 堀田(阪大RCNP)、酒見(阪大RCNP) 旧委員: 下浦(東大CNS)、清水(九大)、高久(阪大RCNP) RCNPセンター長: 土岐(阪大RCNP) RCNP研究企画室: 畑中(阪大RCNP) オブザーバー: G.P.A. Berg (KVI) 欠席者: 大西(北大)、初田(東大)、梶野(甲南大) 配布資料: 1. 研究計画検討専門委員会 議事項目 2. 2004年度委員名簿 3. 2003年度委員名簿 4. RCNP研究会申請状況 5. RCNP研究会申請書(3件) 6. 長期プロジェクトに関して 7. 前回議事録 [1] 新委員会の委員長、幹事の選出 ================================ 下浦 旧委員長の議事のもと、新委員会の委員長、幹事の選出を行った。 新委員長として岡村氏、新幹事としてRCNP外幹事に與曽井氏、RCNP内幹事に 民井氏を選出した。 [2] 報告事項 ============ 1. 概算要求に関して (土岐センター長) - ------------------- 土岐センター長より入射加速器更新に関わる平成16年度の予算が報告された。 文科省への概算要求が認められたことに加え、大阪大学の法人化に関わる追加 予算項目が認められた。 入射加速器更新計画は、畑中氏を責任者として進めることがRCNP内の議論で 決まった旨、報告があった。 2. 入射加速器更新計画進行状況 (更新計画責任者:畑中) - ----------------------------- 更新計画に関して、検討中の具体的な内容に関して説明があった。 ・RF関係 - 主発振回路の更新(400kW)。中間段アンプが必要。 (6-18 MHz) - 5倍高調波を入れてフラットトップ化する。低周波数では7倍。(40-90 MHz) - Dee電極の外形は変えない。高調波導入時の寄生共振を防ぐためスリット を入れる。 ・イオン源、入射系 - 超伝導 ECR の導入。 (18 or 24 GHz) - 偏極イオン源の増強。 (p,d,6Li,3He) - 入射電圧の変更。 (15kV→20kV) - バンチャーの増強。インフレクター、位相スリット、中心部の改造。 ・リングサイクロトロンバイパスライン (AVF→N0,EN,ESへ)。 ・制御システムの更新。Windows-PCを用いた分散システム(案)。 ・トリムコイル電源、冷却塔増強、受電配電遮断器交換、放射線遮蔽の増強。 日程 平成16年12月 現在の AVF で高周波アンプの調整 イオン源、ビームライン 平成17年1-3月 Dee 電極交換 平成17年3月15日竣工の予定 平成16年度のビームタイムが短くなるため、9月に実験を行うことを 検討している旨報告があった。 3. 中期目標・中期計画に関して (土岐センター長) - ----------------------------- 現在提出している中期目標・中期計画の主な内容として、下記の 項目が記載されている旨報告があった。 ・入射サイクロトロン更新を行い、伴う物理を進める。 ・HD 偏極標的(平成17年度の概算要求に入れる)。 ・大塔コスモ研究所の推進。 ・スーパーコンピュータはユーザーを増やして進める。 4. 2004年度予算執行計画に関して (土岐センター長) - ------------------------------- 入射サイクロトロンの更新予算が認められたことにより、予算執行に関して は更新計画の具体的内容が確定してから対応したい旨、報告があった。 運営交付金は 2-3000万円下がることが予想されるが、共同利用センターは 文科省の共同利用研の位置付けに依存しているところがあり強くは要求できな い旨説明があった。 委員から予算に関しては是非、強く押して欲しい旨要望があった。 5. 偏極リチウムイオン源開発状況 (民井) - ------------------------------- 偏極6Liイオン源の feasibility study に関して、民井氏から計画の概要と 現状の報告があった。 ・2003年度予算で光ポンピング用のダイオードレーザー、光学台、グローブ ボックスなどを整備 ・オーブン、コリメータ、表面イオン化器などハード部分は設計中。 夏までに1価の偏極6Liビームを出すことを目標にしている。 ・ECR中での減偏極には6Liの confinement time が大きく影響すると考えられ る。理研の 18GHz ECR イオン源を用いて、Laser Ablation 法により 7Li の confinement time の情報を得るテスト実験を実施。簡単な解析により 得られた値は、2価の7Liで0.4msec となっており、プロポーザルでの仮定 (3価の6Liで1msec)と大きな差はない。ただし実験上の理由で、ECR の運転 パラメータを3価に最適化するに至らなかった。最適化により値が大きくな る可能性がある。 6. その他 - --------- 一般実験費執行責任者が板橋氏から民井氏に交替した旨、センター長から報 告があった。 [3] 協議事項 ============ 1. B-PAC/Q-PAC委員の選出 - ------------------------ 平成16年4月からのB-PAC/Q-PAC委員の選出が行われた。 研計委(P-PAC)委員内からの B-PAC委員として、上坂氏(東大CNS)、與曽井氏 (京大)、櫻木氏(大阪市大)、比連崎氏(奈良女大)、民井氏(阪大RCNP)が選出され、 また、Q-PAC委員として、阪口氏(阪大)、初田氏(東大)が選出された。 3. RCNP研究会(前期)申請課題採択 - ---------------------------------- 平成16年度研究会計画公募(前期)に3件の応募があった。 ・Pentaquark04 連絡責任者: 保坂氏(阪大RCNP) 国外20人国内50人程度 国際ワークショップ 場所は SPring8 ・ストレンジネス核物理に関する国際研究会 連絡責任者: 肥山氏(KEK) 80人程度 国際ワークショップ(KEKと共催) ・RHICでの実験及びその理論的研究 連絡責任者: 室谷氏(徳山女短大、4月以後徳山大所属) 35人程度 研究発表(レビューを含む、ポスターセッションなし) 議論の結果、3件とも申請予算にて採択した。 後期も改めて募集する。 研究会公募について委員内から下記の改善要望があり、進めることが決定 された。 ・募集の案内を早くする(今回は 1/28 案内、2/22 締切) ・予算の根拠、使い道について応募時に書いてもらう(公募時に指示する) ・外部資金について分かっている分については応募時に書いてもらう (公募時に指示する) ・報告書はホームページに載せる(現行通り)。 ・報告書提出後、 P-PAC において幹事が報告を行う。 (昨年度の研究会報告については前幹事の酒見氏が次回報告する。) 4. 一般実験費(共同利用実験執行計画) (一般実験費執行責任者:民井) - ---------------------------------- 議論の枠を2004年度の予算一般に関して広げ、下記の3点に分けて議論を 行った。 1) 入射サイクロトロン更新計画 ・5月中には仕様書を仕上げる必要がある。予算の積み上げと優先順位に 基づいた詰めを行う予定。入れたいものについては議論しておきたい。 ・核化学・生物・薬学の分野では、利用できる核種と定常的な供給とサ ポートがあることを積極的にアナウンスすれば、ポテンシャルユーザ ーはかなり居ると思われる。 ・中性子関係として、(p,n)反応、spallation source、UCN の利用が考 えられる。 応用も含めたワークショップを4月始めに行うこと、P-PAC も合わせて 行うことが決定された。4/5,6が候補日として挙げられた。 2) 一般実験費 次協議事項の長期プロジェクトと絡めて議論があった。 ・一般実験費の内容が P-PACでうまく審議されていない。RCNP内では 変更できない予算項目になっている。 ・一般実験費では、ガスや回路修理などの共通経費と、BPACで採択された 実験費の執行を行っているのが現状。 ・現在の P-PAC日程(2月,7月,11月)では予算内容についての審議が難しい。 4月に予算の審議を行う機会を作るべきである。 一般実験費予算の具体的な内容については、4月予定の次回P-PACにおいて 審議することとした。 3) Q-PACの実験費 ・Q-PACで認められたものについて消耗品的なものはどう扱われているか。 → Q-PAC として議論できる予算はない。現状はLEPS予算の中で可能な分 のみサポートされている。 ・事務手続き上は、来年度からはLEPS関連の旅費を出すことが可能になる。 ・議論のために実態の数字と、必要な予算があるかどうかについて具体的に まとめてほしい。 5. 長期プロジェクトの提案・採択に関して (下浦、酒見、若狭) - --------------------------------------- 長期プロジェクトの提案・採択に関して、若狭委員から、BPAC 管理下にお いてRCNP主体に限定しない長期プロジェクトを採択し、進める提案についての 説明があった。 提案内容について下記のような議論があった。 ・これまでの"長期プロジェクト"については P-PAC で審議している ・長期プロジェクトは全てセンター内部から提案するという方式にするのは どうか。 ・B-PAC 募集の際に、ある条件以上のプロジェクトは P-PACで審議する という但し書きを付けるのはどうか。 ・P-PACにおいて採択された場合、ビームタイムはどこで審議するか。 → Feasibility を含めて P-PAC にて審議する。 ・提案のフォーマットを決めておく必要がある。Reviewer の設置など。 議論の内容をもとに、次回、若狭委員から修正案を提出してもらうことになっ た。 6. 将来計画に関して - ------------------- 入射サイクロトロン更新以後のRCNPの将来計画に関して議論があった。 将来計画を検討する委員会をP-PAC主体で立ち上げることが決定された。 詳細については次回のP-PACで審議される。 7. 次回研計委日程と議題について - -------------------------------- 次回は4月6日(火)研究会後に開催される予定。 場所は核物理研究センター本館2階会議室。