RCNP-Z-665                            平成18.6.26 大阪大学核物理研究センター 研究計画検討専門委員会議事録    日 時: 2005年11月28日(月) 11:00-17:00    場 所: 核物理研究センター 本館2階会議室    出席者:    阪口(阪大)、若狭(九大)、浅川(阪大)、宇都宮(甲南大)、松多(阪大)、   中村(東工大)、初田(東大)、比連崎(奈良女大)、篠原(阪大理)、   梶野(甲南大)、飯島(名大)、與曽井(RCNP)、酒見(RCNP)、民井(RCNP)、   堀田(RCNP)   センター長: 土岐(RCNP)   研究企画室: 畑中(RCNP)   研計委要請: 大西(北大)、小田原(阪大)、保坂(RCNP)   陪席: なし    欠席者:   八尋(九大)、二宮(住友イートンノバ(株))    配布資料:    1. 議事次第    2. B-PAC報告(2005年8月11日)    3. Q-PAC報告(2005年10月6日)   4. 研究会報告(3件)   5. プロジェクト申請1   6. プロジェクト申請2    7. RCNP将来計画WGからの提言    8. 前回議事録(案)  [1] 研計委委員についての確認  ============================ 委員の二宮氏が10月1日付けで住友イートンノバ(株)に就職したが、残任期が1年未満で あるため、任期終了の2006年3月まで委員として継続することに関して確認がとられた。 また、委員の與曽井氏が5月1日付けにてRCNP外からRCNP内に異動したが、残任期が 1年未満であるため、RCNP外委員の補充等の変更は行なわないこと、および次回の研計委 選挙ではRCNP内委員候補として再選可能であることに関して確認がとられた。 委員の異動・変更に関わる細則に関しては、文章化したものを次回の研計委に提出するこ ととした。  [2] 報告事項  ============    1. RCNP各部報告 理論部より (保坂)  ------------------------------------------------------------   近年の理論部の活動のトピックスとして、Θ+などのエキゾチックバリオンの生成メカニ ズム、Λ(1520)の性質などに関する研究報告があった。    2. 入射サイクロトロン更新計画報告 (計画責任者: 畑中)  --------------------------------------------   入射サイクロトロン更新計画の進行状況に関して報告が行われた。夏のメンテナンス期間 に制御系システムの本格的な更新と動作試験が行なわれ、10月より使用開始した。順調 に動作しており、詳細の不具合については順次改善を進めている。AVF本体室内のトリ ム電源のシーケンサ(PLC)については、放射線障害対策のため本体室外に移動した。超電 導ECRイオン源については、年度内のビーム出しを目標として作業を進めている。 5 MeV/UのAr8+ビームのAVFサイクロトロンによる加速およびリングサイクロトロン を迂回したENコースへのトランスポートの試験に成功。3rd harmonics による AVF 加 速は、外部イオン源に置き換わって以来初めて。    3. B-PAC報告 (B-PAC委員長: 中村)  -------------------------------------   8月11日に開催されたB-PACに関して報告があった。 採択後2年以上を経過した実験課題に関し、今回初めて状況報告を求めた。 基本的には今回提出された計画通りに進めることを求めることとし、採択見直しは 行なわなかった。 新たに申請された課題は12件、ビームタイム68.5日、予算額8,030千円で、審議の 結果11件を採択、1件をサスペンドとした。採択ビームタイムは51.5日、採択予算額は 8,030千円。   報告内容に関し、採択後2年以上経過した実験課題については、採択取消も含めて 審議して良いという意見があった。    4. Q-PAC報告 (Q-PAC幹事: 堀田)  -------------------------------------   10月6日に開催されたQ-PACに関して報告があった。 前回の研計委の議論に基づき、Q-PAC委員の人数を4人から6人に戻した。 また、期限を決めた新規課題募集を行なった。 新規申請課題はカウンタ試験を目的とする1件で、審議の結果採択とした。 採択ビームタイムは21シフトである。また、既採択課題3件とLEPSグループ実験の レビューが行なわれた。 Q-PACの進め方に関しては、共同利用実験に関し、今回同様に定期的なレビューと 研計委への報告を行なうのが良いと考えられる。LEPSグループ実験に関して今後も レビューを続けるべきかどうかについては賛否両論がある。 Q-PACの進め方に関して提出された議論については、論点を整理して次回の研計委にて 議論することとした。    5. 核運委報告 (研計委幹事: 民井)  -------------------------------------   10月15日に行なわれた核物理研究センター運営委員会の内容に関して報告があった。 詳細は核運委議事録を参照のこと。 核物理実験研究部門の教授である畑中氏が2006年4月から加速器部門の教授に移ること となり、リングサイクロトロン施設を中心とする原子核物理の実験研究を行なう教授 1名と、加速器部門の助教授、助手各1名の公募を行なうこととした(10月27日付けに て公募が出された)。 2006年2月に核物理研究センターの外部評価委員会を行なう予定。    6. 研究会報告 (研計委幹事: 民井)  ----------------------------------------   研計委にて採択された研究会3件に関し、実施状況の報告があった。      [3] 協議事項  ============    1. プロジェクト申請  --------------------   2件のプロジェクト申請が提出されたが、内1件については代表者欠席の為、次回の研計 委にて審議することとし、下記 1件のプロジェクトについて、研究代表者のプレゼンテ ーションおよび採択の審議を行なった。     ・「Gamma Ray Spectroscopy Using Heavy Ion Beams at RCNP」   研究代表者: 小田原(阪大理)   審議の結果、申請プロジェクトを採択することとし、予算額については減額の上認めた。 また、予算については2005年度と2006年度の2年度で執行することとした。    2. 将来計画について (将来計画WG長: 大西)  -------------------------------------------------   将来計画WGからの提言(暫定版)が提出され、内容についてWG長から説明があった。   RCNPが、photon beam とhadron beamを活用し、原子核構成要素の実体を明らかに することによって、クォーク多体系としてのハドロン物理、ハドロン・核子多体系として の核物理を追究することを提言している。   内容に関して、以下の様な議論がなされた。   ◯ 提言と主目的について  ・核内からメソンをリアルなものとして叩き出す過程を念頭に置いているが、   リアル(time-like)な過程とバーチャル(space-like)な過程はお互いにカップル   している。これらを consistent に結びつけられるのかどうか。 ・将来計画の目的に理論のモデルが介在していると分かりにくくなる。提言の   部分については理論のモデルに依存しないようなものに変えるべき。 ・ストーリーとしては着実に繋がっているという印象を受けた。原子核の中の   中間子の場を調べたいというのは自然な流れである。 ・coherent なメソン生成過程をexclusiveに測定した例はない、という意味で新しい。 ◯ 目的の設定について ・π粒子の自由度があらわに入るようなデータを選択的にとることが重要。 ・殻模型で説明できないところを集中的に攻めるべきでは? → 殻模型の有効相互作用をもっと下のレベルから説明することを目的と して提言している。 ・物理は階層毎に進めるべきである。 ◯ テーマと表現について  ・キャッチフレーズが考えられるかどうか。いいテーマといい表現が欲しい。  ・「メソンバリオン多体系としての物理学」 「ボーズ粒子とフェルミ粒子   の凝縮系」 ・他分野の人に分かりやすく。難しいことでも分かった様な気にさせる様に。 ◯ 装置について ・加速器については実験屋として勝算があるかどうか。  ・high resolution の表現を付けるとすれば、それで何が分かるかという    ことをはっきりさせておくと非常に良くなる。 ◯ 共同利用体制について  ・中心でないテーマについては、外部ユーザーに任せて外注するという考え方もある。   ただしそれをサポートする体制をまとめておく必要がある。 ◯ 理論との協力体制。奨学金の提案。  ・奨学金の提案については、理論と実験の両方を含めてか? 理論屋が申請する様な   プロジェクトの枠を作るということか? → 理論と実験の協力体制を作るという目的での一つの案として出している。   その為、理論の学生を主に念頭に置いている。 ・阪大の中での理論との連携が必要。   これらの議論を踏まえ、12月中を目処にWG内で提言をまとめ、1月上旬に研計委 委員内でメイルによる議論を行なうこととした。    3. 前回議事録承認  -----------------   7月25日開催の研計委議事録の案について承認した。    4. 次回の研計委開催日程に関して  -----------------------------------   次回の研計委の開催日程については4月14日(金)を候補とし、新委員の決定後に 再調整することとした。 2006年度前期の研計委採択研究会の採択審議は、次回の研計委にて行なわれる。 研究会募集時に、今回の採択審議が4月になることを伝えることとした。    5. その他  -----------------------------------   研計委議事録のホームページでの公開に関して議論を行ない、今回承認した議事録から 公開することとした。