RCNP-Z-677                            平成19年4月6日 大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会議事録      日 時:2006年12月25日(月)11:00−16:00      場 所:核物理研究センター本館2階会議室    出席者:     下浦(東大CNS)、秋宗(甲南大、幹事)、野海(KEK)、中村(東工大、委員長)、     松多(阪大)、延與(京大基研)、飯嶋(名大)、横山(金沢大)、酒見(東北大)、     藤原(RCNP)、民井(RCNP)、與曽井(RCNP、幹事)     センター長:土岐(RCNP)     研究企画室:畑中(RCNP)     研計委要請:畑澤(阪大医)、中野(RCNP)    欠席者:     宇都宮(甲南大)、菅沼(京大)、八尋(九大)、浅川(阪大)、松原(名大)    配布資料:     0.議事次第     1.委員選出と交代に関するガイドライン     2.Q-PAC議事メモ     3.核運委議事録(案)(10/21、12/2)     4.将来計画WGの答申に対する表書き     5.前回議事録(案) [1] 報告事項 ============ 1. 研計委委員の異動についての確認 (委員長 中村) -------------------------------------------------  センター内委員の酒見氏が12月より東北大に異動したが、本年度初めに決定し た「委員選出と交代に関するガイドライン」に従って平成19年3月までは酒見氏 が委員を務め、4月より前回選挙の次点者と交代する旨確認した。 2. RCNPにおける PETプロジェクトについて (畑澤) -----------------------------------------------  大阪大学医学部の畑澤教授より、核物理研究センターでのPET研究について、資料 を基に説明があった。国内で基盤整備が進んでいる分子イメージング研究の一環と して、小型加速器では生成できない核種を中心に核物理研究センター内の加速器を 利用した研究を推進していく。  ・I-124 などの核種を生成し、新規生体機能分子プローブを開発する。 ・新規生体機能分子プローブの体内動態をPETで解析する。 ・F-18標識、C-11標識、I-124標識医薬品候補化合物を標識合成し、体内動態解析 をもとに医薬品としての特性を評価し、創薬プロセスの迅速化を目指す。  既に文部科学省の分子イメージング研究に関わる人材育成プログラム、及び独立 行政法人医薬基盤研究所の事業に参加しており、また、阪大動物実験委員会や医学 部動物実験倫理委員会に諮っている。PET装置は9月にセンターに搬入済みである。  研計委委員より、動物実験に関しては細心の注意を払って欲しい旨の要望と、分 野横断プロジェクトなので核化学研究者等との協力も重要との意見が出された。 3. RCNP各部報告(偏極HD標的について) (藤原) ----------------------------------------------  RCNPの藤原氏より偏極HD標的プロジェクトに関して、目的と開発の現状及び今後 の予定について紹介が為された。 ・LEPSにおける double polarization 実験のために緩和時間の長い偏極HD標的の 開発を行っている。 ・ヘリウム棟に穴を掘って希釈冷凍機を設置し、6.3 mK までの冷却を確認した。 17 T 超伝導マグネットが2月に納入される。 ・HDガス純化のためのdistillator の開発している。 ・偏極3He蒸気を用いた医学利用や物性研究等も視野に入れて行っている。 4. サイクロトロン加速器の現状報告 (畑中) -----------------------------------------  RCNPの畑中氏より、サイクロトロン加速器の現状に関して報告があった。 ・リング加速空洞粗同調パネル改修が終了し、10月21日よりリング共同利用実験 を開始した。 ・超伝導ECRイオン源による 86Kr(23+)のテストと、16O(5+)のAVFへの入射、ビー ム加速を行った。 ・平成19年1-3月はAVF単独運転の予定。 ユーザーが情報を得やすいようにホームページを整備して欲しいとの要望があった。 5. センター長報告 (土岐) -------------------------  土岐センター長より、以下のような報告があった。 ・新センター長として岸本忠史氏(阪大理)が選出された。これを機に理学部原 子核実験施設と核物理研究センターの統合に向けて動き出している。 ・従来の特別教育研究経費の枠で文部科学省より予算を獲得するのは非常に難し い。新しい受け口が必要。イノベーション創出総合戦略30拠点に向けて取り 組みを始めた。 6. Q-PAC報告 (Q-PAC幹事: 與曽井) --------------------------------- Q-PAC幹事與曽井氏より、9月25日に行われた Q-PAC の報告があった。1件の新規 課題申請があり、申請通り30日を採択した。また、2件の既採択課題に関してレビュ ーを行った。 7. 核運委報告 (研計委幹事: 與曽井) ----------------------------------- 10月21日及び12月2日に行われた核物理研究センター運営委員会に関して、議事録 を基に報告があった。 [2] 協議事項 ============ 1. LEPS2 への来年度予算措置等について ----------------------------------------  RCNP中野氏よりLEPS2プロジェクトの概要と現状について説明があった。30m長直 線ビームラインを用いたレーザー電子光ビーム強度の増強については技術的な目処 がついたので、概算要求による新たな資金獲得を待たずに、核物理研究センターの 通常予算から拠出をお願いして SPring-8 リングの一部改造とビームライン及びレ ーザー入射システムの建設を次年度からスタートさせたいとの要請が為された。 E949検出器を中心とする大立体角検出器についてはその成果も踏まえ、理研等と協 力して実現を図っていく。  議論の結果、研計委としては LEPS2プロジェクトの早期実現を強くサポートする ので、その方向で計画を推進していくことに賛同することとした。 2. 将来計画WGの答申を受けての研究会開催について ------------------------------------------------  本年度最初の委員会において、将来計画ワーキンググループの答申に対して研計 委としてもワークショップ等を主催することを検討することとしていたので、それ について議論を行った。  土岐センター長より、答申を受けてセンター内部でもワーキンググループを組織 して議論しているが、まだまとまる段階ではないのでもう少し先の方が良いとの意 見が出され、来年度前半に開催できるように次回研計委にプロポーザルを出すこと とし、世話人の人選も含めてまとめ役を民井氏にお願いすることとした。 3. 前回議事録承認 ------------------ 2006年8月8日開催の研計委の議事録案を承認した。 4. 次回の研計委開催日程に関して -------------------------------- 次回の研計委は新旧合同となるので、第1候補日を 4月9日(月)とし、新委員確定 後に再度調整をして決定することとした。