RCNP-Z-363                                62.10.1          研究計画検討専門委員会議事録(案) 日 時 : 昭和62年8月28日(金) 10:00〜16:00 場 所 : 大阪大学核物理研究センター会議室 出席者 : 大坪、小林、鷲見、下田、中村、堀内、安江、李、池上 小方、片山、近藤、酒井、鈴木、松岡 欠席者 : 大西、大沼、的場、南園、矢崎、坂本                          〔A〕 報告事項 1.一般報告 池上センター長より次の報告があった。  @ 7月11日塩川文部大臣、大阪大学総長、事務局長が核物理研究センターを来訪された。   A 技官の定員削減のため8月1日付で一人転出した。優秀な人材の転出による痛手は 大きい。  B RCNPリングサイクロ卜ロン本体は(ビーム入射、取り出し系を含む) 8月5日の入札の結果、株式会社住友重機械工業と一括契約をする運びとなった。 C ビームライン、サーキュレーションリング、測定器系の概算要求は3年国庫債務負担 として省議を通った。現在、これらの入札にむけて仕様書の作成に努力している。  D 測定器計画の現状は以下の通りである。 サーキュレーションリングは文字どおりビームをどちら向きにも回せるような リングである。蓄積、加速、冷却は当面行わない。 高分解能スペクトログラフはRAIDENの改造を行うべく検討していたが、 改造にともなう損失特に共同利用実績の低下および経済性を考慮して、 新設する案を現在検討中である。ただし、いずれにしても電源はRAIDENのものを そのまま使いたい。分解能はRAIDENの2倍(40,000)、1GeV陽子まで分析できる ようにしたい。大立体角スペク卜ログラフは概算要求項目にはないが、高分解能 スペク卜ログラフと組み合わせて粒子相関をとるために不可欠なものであるため、 なんとか実現したいと思っている。高エネルギー研のTELASスペク卜ロメーターを 移管して改造する方向で検討している。 中性子コースとして100mの飛程距離をもつトンネルを建設する予定である。 DUMASはいずれ移設するが、ユーザーが大変多い現状を考慮して、 新実験棟建築の工程の許す限り移設時期はできるだけ後に延ばしたい。 重イオンコースは概算要求には残っていないが、ビームラインに若干の手を 加えることで実質的な二次粒子スペク卜ロメーターが実現できそうである。 その事を配慮して建屋の設計変更をしている。  2. 加速器部報告 近藤加速器責任者より次の報告があった。    @ スパッタ電極型重イオン源は改良を続けている。  A 夏休み中に電源、ポンプ等のオーバーホールを行った。  B 発振器の電力フィーダーに相当の劣化がみつかっている。予算が認められたので、 今年度中に修理したい。 C 科研費補助によるECRイオン源の開発は、順調にテストベンチの組立を行っている。 レーザーによる光ポンピングによって当面3Heの偏極イオン源としたい。 将来は重イオン源の開発に進みたい。    3. 測定器部報告 池上測定器責任者より次の報告があった。    @ RAIDEN,DUMAS,CARPともに大変忙しく働いている。  A RAIDENの電源は11年間の酷使により加齢現象が目だっているので 補強することを考えたい。  片山委員よりDUMASの新施設ヘの移設に関連して、昭和63年秋までは  現状のまま実験に使えるよう施設部と折衝中であることが補足された。  4. 共通部報告 小方共通部責任者より次の報告があった。  @ 第23回共同利用マシンタイム実績が配布された。(別表1参照)サイクロトロンの 故障等により8日の未実施分があるが、第24回共同利用で補償した。  A 第24回共同利用は大略予定通り進んでいる。しかし第23回共同利用未実施分補償 のため予備日が少なく、日祭日にもサイクロトロンを運転するなどしてトラブルに 対処する必要があった。  B 第24回共同利用(8月28日現在)の予備日実施状況が配布され、申込書等の書類が 回覧された。  5. 理論部報告 鈴木委員より次の報告があった。 昭和61年度共同利用計算費使用報告集がRCNP-P-92として出版された。 またこの計算費にもとづいて出版された論文の別刷集が回覧された。  6. その他 酒井幹事より昭和62年度共同利用ワークショップおよびカスケード計画 ワークショップの実施状況について報告があった。                            〔B〕 協議事項  1. 大西委員長が病気欠席のため、大坪委員が委員長を代行することが承認された。    2. 第25回AVFサイクロトロン共同利用採択について 第25回AVFサイクロ卜ロン共同利用応募書類および昭和62年8月27日(木)開催の テーマ説明会をもとに、マシンタイム配分について協議し、別紙2の通り決定した。 第25回共同利用実験費の配分は研計委幹事酒井、下田および共通部責任者・小方の 三氏に委任し、決定することにした。後日別表3の通り決定した。  3. 昭和62年度後期研究会の採択について 8月10日締切で公募した研究会に4件の応募があった。種々議論の後、 例年前期には研究会応募が少ないことなどを考慮し、1件は昭和63年度前期に 再応募してもらうこととし、以下の3件を採択した。     テーマ     世話人 配分額 原子核の構造と反応における クラスター的様相 堀内 昶 その他 80万円 原子核とレーザー 松木征史 その他 40万円 少数粒子系物理学 小池康郎 その他 30万円  4. カスケード計画研究会について 研計委が主催するカスケード計画研究会について議論した。現在検討を 進めている次期計画測定装置に関連して装置、物理の検討を広く行えるような 研究会にするとの方針が出された。世話人の人選は委員長および幹事に 一任することとなった。  5. 第26回共同利用について議論した。マシンタイムの日数は第25回と同程度 確保できるとの見通しがセンター側より示された。 応募締切は昭和63年1月25日(月)正午とした。  6. 次回研計委は昭和63年2月10日(水)に開催することにした。 なお、第26回マシンタイム応募説明会を2月9日(火)に予定している。  7. 昭和62年4月3日開催の研計委議事録(案)(RCNP-Z-357)が承認された。 別表1                      第23回 AVF共同利用予備日 (C) 実施状況                                                                                        8月28日 テーマ 責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日 23C-01 6Li非弾性散乱による154Smの高励起準位 田中正義(神戸常磐短大) 山県、湯浅、中山、鹿取 井上、小方、中川、藤平、田中 1.0 1.0 10/23 23C-02 40Ca,陽子エネルギー依存性 與曽井 優(京大理) 小林、坂口、中村、與曽井 家入、竹内、外川、平田、中野 1.5 1.0 12/6 23C-03 di-neutron測定のテスト 酒井英行(RCNP) 酒井、松岡、岡村、羽鳥 1.0〜2.0 1.0 12/12 23C-04 偏極陽子非弾性散乱による60Niの低励起 状態の構造 松木征史(京大化研) 松木、下村、大沢、坂本、荻野 小松崎、的場 1.0 1.0 12/26 23C-05 30MeV偏極陽子加速ビーム増強テスト 藤原 守(RCNP) 細野、松岡、藤原 0.5 0.5 1/13 23C-06 MWDCのテスト 酒井英行(RCNP) 酒井、野呂、松岡、家入、岡村 0.5 0.5 1/20 23C-07 ビーム電流校正用のカウンター(CsI)のテスト 中山信太郎(徳大教養) 山県、湯浅、井上、田中、板橋 小方、中山 0.5 0.5 1/26 23C-08 大型(100cm×10cm×7.5cm)中性子検出器の テスト(1) 酒井英行(RCNP) 酒井、野呂、池上、岡村 1.0 1.0 2/28 23C-09 中性子Schwinger散乱による中性子偏極測定 酒井英行(RCNP) 酒井、松岡、岡村 1.0 0.5 3/2 23C-10 48Ti(p(overrightarrow),p’)散乱による Lowest3−準位の研究 藤原守(RCNP) 藤原、森信、片山、池上、戸崎 早川、池田、鹿取、宮武、東 1.0 1.0 3/7 23C-11 144Sm(20Ne,4n)160Hfの収量測定 鹿取謙二(阪大理) 鹿取、宮武、東、篠原、池田 片山、森信 0.5 0.5 3/24                                  第23回 AVF共同利用核以外 (E) 実施状況 8月28日 テーマ      責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日 23E-01 CR-39トラックディテクターの プロトンに対する特性の研究 井澤靖和(阪大レーザー研) 山中、畦地、 Stapf、節原 0.5 0.5 12/22                                            第23回 AVF共同利用教育用マシンタイム (F) 実施状況 8月28日 テーマ   学生(指導教官) 協力者 申込日数 採択日数 実施日 23F-01 12C(d,d−)12C反応0゜の測定 岡村弘之(京大理) (酒井英行) 酒井、松岡 野呂 1.0 1.0 12/13 23F-02 65MeV陽子ビームによる全反応断面 積の測定 岩城 大(京大理) (坂口治隆、中村正信) 小林、坂口、中村、家入 與曽井、外川、中野 平田、清水、上垣外 1.0 1.0 1/12〜13 23F-03 重イオン誘起核分裂の質量及び 運動エネルギー分布 杜 明進、若松智之 (阪大理) (馬場 宏) 斎藤 1.0 1.0 未 (24回マシンタイ ムにて実施)                    第24回 AVF共同利用予備日 (C) 実施状況                                                       8月28日 テーマ 責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日  24C-01 Detector and Beam Testing and Calibration for Neutron Multiplicity Measurement D.J.Hinde(RCNP) Hinde、小方、高橋、下田、田中 鹿取、岡村、篠原、若松 1.0 1.0 4/2 24C-02 DUMASによるIsobar 選択の効率 板橋隆久(RCNP) 板橋、山県、下田 1.0 1.0 4/3 24C-03 2H(d(overrightarrow),d−)d−反応の前方角測 定 沖花 彰(京都教育大) 沖花、酒井、松岡、野呂、本林 大沢、岡村、羽鳥 1.0 1.0 5/29 24C-04 陽子−ヘリウム4弾性散乱における スピン回転パラメータの後方測定 小林晨作(京大理) 小林、坂口、今井、中村、家入 與曽井、外川、中野、平田 岩城、清水、上垣外、斎藤、野 呂 1.0 1.0 6/13 24C-05 高速中性子の断面積測定 上蓑義明(東大核研) 上蓑、酒井、秦、西川 2.0 1.0 6/18 24C-06 陽極分割型ガス電離検出器のテスト 板橋隆久(RCNP) 板橋、下田、福田、山県、中山 永目 0.5 0.5 7/9 24C-07 12Cによる(p(overrightarrow),2p)反応 野呂哲夫(RCNP) 野呂、松岡、酒井、沖花、與曽 井 岡村、岩城 0.5 0.5 9/4 予定 第24回 AVF共同利用核以外 (E) 実施状況                                                       8月28日 テーマ 責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日 24E-01 CR-39トラックディテクターのプロトンに対する 特性の研究 井澤靖和 (阪大レーザー研) 井澤、山中、畦地 Stapf、節原 0.5 0.5 4/6 24E-02 RAIDENを用いた超高分解能実験の開発 片山一郎(RCNP) 片山、春山、青木、吉田、福沢 小川、池上 1.0 1.0 5/2                第24回 AVF共同利用教育用マシンタイム (F) 実施状況                                                       8月28日 テーマ 学生(指導教官) 協力者 申込日数 採択日数 実施日 24F-03 重イオン誘起分裂の質量及び運動エネルギー分布 杜 明進、若松智之(阪大理) (馬場 宏) 斎藤 1.0 1.0 24F-01 120MeV4Heの変形核による弾性・非弾性散乱 上垣外修一(京大理) (坂口治隆、中村正信) 小林、坂口、中村、家入、外川 與曽井、中野、平田、岩城 清水、上垣外 1.0 1.0 7/6 24F-02 65MeV陽子ビームによる全反応断面積の測定 岩城 大(京大理) (坂口治隆、中村正信) 小林、坂口、中村、家入、外川 與曽井、中野、平田、岩城 清水、上垣外 1.0 24F-03 Λハイパー核偏極観測用レンジテレスコープ製作 のための研究 奥田克己(阪大理) (江尻宏泰) 江尻、岡田、大隅、野海、奥田 長沢 1.0 別表2 大阪大学核物理研究センター  第25回 AVFサイクロトロン共同利用マシンタイム配分 テーマ番号      実験テーマ 採択日数 25A01 陽子−核弾性散乱のエネルギー依存性 2日 25A02 Non-Equilibrium Charged Particles in 3He Induced Reactions with 58Ni and 93Nb 3日 25A03 65MeV陽子による全反応断面積の測定 3日 25A04 偏極陽子の弾性散乱における減偏極度の測定 5日 25A05 陽子による重陽子分解反応における減偏極度の測定 3.5日 25A06 進行方向偏極ビームを用いた偏極移行量測定のテスト (陽子弾性散乱のAパラメータの測定) 2日 25A07 低エネルギー陽子用Heポラリメーターのテスト実験 1.5日 25A08 7Beの軽い核による散乱のテスト実験 2.5日 25A09 加速器質量分析法による40Caの熱中性子緩速中性子捕獲断面積の測定 1.5日 25A10 超流動ヘリウム中における不純物イオンの核偏極 4日 25A11 2H(d(over-right-arrow),pd)n反応でのProjectile breakup課程の偏極分解能 4日 25A12 4He(d(over-right-arrow),2He)4He反応の測定 4日 25A13 Measurement of p+n spectral function for 6Li using the 6Li (α,2α)pn reaction 4日 25A14 湾曲結晶におけるイオンチャネリング 2日 25A15 不安定変形核からのアルファ崩壊と分岐比の測定 4日 25A16 sd殻陽子過剰核の陽子崩壊の観測 3日 25A17 レーザー光ポンピングによるTmアイソトープの核偏極 2日 25A18 衛生搭載用Si検出器の性能試験 2日 25A19 4He及び3Heの変形核による弾性・非弾性散乱 5日 25A20 RAIDEN焦点面用ポラリメータのテスト実験 −166Erの非弾性散乱のKyy’測定− 2日 25A21 (7Li,7Be)反応の励起モードの研究 3.5日 25A22 イオン・原子衝突における融合原子の直接的検証 1日 25A23 RAIDENによる電子捕獲反応の標的殻効果の観測 2日 25A24 1粒子移行反応による深部空孔状態の研究 3.5日 25A25 44Ti核のα−クラスター励起状態の研究 3.5日 25A26 偏極移行測定による40Scのスピン・アイソスピン励起 5日 25A27 高速中性子の断面積測定 1.5日 25A28 28,30Si(d(over-right-arrow),6Li)反応の前方角A(θ)の測定 3日                               合計日数      83日 別表3          第25回 AVFサイクロトロン共同利用実験費配分 テーマ番号 責任者 配分額 25A01    與曽井 優 10 25A02    H.C.Bhang 20 25A03    家入正治 70 25A04    中村正信  144 25A05    清水裕彦 90 25A06    與曽井 優 50 25A07    家入正治 73 25A08    山県民穂 8 25A09    板橋隆久 10 25A10    高橋憲明  133 25A11    福永清二 / 25A12    岡村弘之 40 25A13    R.E.Warner / 25A14    万波通彦 / 25A15    鹿取謙二 48 25A16    羽島 聡 / 25A17    松木征史 30 25A18    道家忠義 20 25A19    小林晨作 / 25A20    小林晨作  120 25A21    中山信太郎 13 25A22    石井慶造 / 25A23    春山洋一 / 25A24    的場 優 50 25A25    山屋 尭 35 25A26    酒井英行 80 25A27    上蓑義明 30 25A28    萩野晃也 15                                              合計    1,089万円