RCNP-Z-446                                    1991.4.16    大阪大学核物理研究センター研究計画検討専門委員会      平成3年度新旧合同委員会 議事録 ( 案 ) 日 時 : 平成3年2月7日(木)10:30~18:30 場 所 : 大阪大学核物理研究センター会議室 出席者 : (新委員)旭、坂口、下田、山屋、松柳、水野     (現委員)酒井、永井、本林、堀内、三尾野、工藤、野呂、 松木、池上、近藤、小方、鈴木     (旧委員)宮武、桑折、土岐、松岡  欠席者(新委員)市村     (現委員)政池*、上村     (旧委員)大沼、中村*、滝川   * : マシンタイム説明会には出席。 議題・内容目次 [A] 報告事項 ページ (A 1) 一般報告 4 (A 2) 所内各部の報告(加速器部・測定器部・共通部・理論部) 5 (A 3) 研計委幹事の報告 6 [B] 協議事項 (B 1) 新委員の確認、委員長・幹事の選出 8 (B 2) 前回議事録の承認 8 (B 3) 平成2年度後期・RINGサイクロトロン共同利用実験費の採択結果 8 (B 4) 平成2年度・後期研究会の採択結果 8 (B 5) 第32回(平成3年度前期)AVFサイクロトロン共同利用実験の採択 9 (B 6) RINGサイクロトロン共同利用実験費の採択について 9 (B 7) 平成3年度・前期研究会の採択 11 (B 8) 平成3年度・共同利用計算費委員の選出 11 (B 9) 平成3年度・研計委関係予算について 11 (B10) RCNP新施設での共同利用に関する懸案事項について 12 (B11) ECRイオン源について 14 (B12)その他の問題 14 (B13)次回の予定 15 [C]資料集(1-14) 16 資料内容一覧 資料1 平成3年度RCNP共同建設者の氏名・担当一覧 16 資料2 第30回(平成2年度前期)RCNP・AVFサイクロトロン     共同利用マシンタイム実施日数統計 17 資料3a 第30回AVF共同利用教育用マシンタイム(F)実施状況 18 資料3b 第31回AVF共同利用教育用マシンタイム(F)実施状況 18 資料4 平成2年度研究会・ワークショップ等内訳 19 資料5 平成2年度後期RINGサイクロトロン共同利用実験費配分 21 資料6 1992年度以降の共同利用実験採択方式案 22 資料7 研究計画検討専門委員会委員の氏名・任期一覧 23 資料8 研計委委員長・幹事の連絡先 24 資料9 平成2年9月6日研計委議事録訂正 25 資料10 第32回(平成3年度前期)RCNP・AVFサイクロトロンマシンタイム採択 26 資料11 第32回(平成3年度前期)RCNP・RINGサイクロトロン     共同利用実験費公募に対する応募課題 26 資料12 第32回(平成3年度前期)RCNP・AVFサイクロトロン共同利用実験費配分 27 資料13 平成3年度研計委の旅費予算内訳 28               [A] 報告事項 (A1) 一般報告(池上センター長)  (1) 新施設の完成:建設中であった新施設の建屋が完成した(H2.9.28に引渡)。 また実験用施設のうち平成2年度分が完納され(H2.12.25に検収) これをもって全基幹設備が完工した。  (2) 助手補助の推薦:1991年1月7日〆切(RCNP-Z_431)で公募した助手(1名)に対して、 平成3年2月5日の核運委で応募者について選考を行い、任用候補者1名を決定した。  (3) 平成3年度概算要求に対する大蔵省内示:維持運営費増額要求の約9割が認められた。 旅費は僅少の増額にとどまったが、相応の増額は今後の研究活動にとってきわめて重要 であるため、来年度も要求する。計算機レンタル料は、増額。新施設での加速器運転は 4000時間を100%として要求した。  (4) 共同建設者:平成3年度は次の方々にお願いした。    酒井、森信、沖花、相良、宮武、下田、鹿取、松木。詳しくは、資料1を参照。    今後も共同建設者は状況と要求に応じ、その都度決めていく。  (5) 理論部兼任教授:平成3年度より大坪久夫・大阪大学理学部教授。 (6) 学振特別研究員(RCNP受入れ予定者):平成3年度採用分として、日本学術振興会より 次の通り内定通知があった。    下村浩一郎(現京大理博士課程在学中) 指導教官 近藤道也教授    北川 尚(現RCNP研究室員)    指導教官 鈴木徹助教授    (7) その他:以下の報告については平成3年2月5日の核運委の議事録    (RCNP−Z-445)を参照:RCNP放射線安全委員会・センター外委員選考;    海外渡航(3件);研究生(1名)受入;平成3年度科学研究費補助金申請(新規7件、継続    3件);文部省直轄並びに全国国立大学附置研究所長会議への加盟と分担について、等。 (A2) 所内各部の報告(加速器部、測定器部、共通部、理論部、各責任者)  [a] 加速器部報告(近藤加速器部責任者)  (1) AVFサイクロ卜ロン  ・通常ビームによる実験の予定の大部分は順調に消化。 ・ただしLiイオンと偏極ビームについては、平成2年暮に大幅な強度減少が見られた。 原因が同定されたので、平成3年春に主電磁石中心プラグ、その他の解体修理を予定。  ・第31回(平成2年度後期)共同利用で偏極ビームの分は、一部延期。  ・その他、電源室天井の雨漏り修理等も予定している。  (2) RlNGサイクロトロン  ・磁場測定:RINGの各セクター電磁石について、順調に進行している。  ・RF系静特性の測定:電圧分布の測定など、進行中。  (3) イオン源   ECRイオン源:導入については、研計委でも議論してほしい。平成3年度予算で   実現を考えたい。  [b] 測定器部報告(池上測定器部責任者)  (1) 現施設の共同利用及び新施設の調整作業は順調に進行している。  [c] 共通部報告(小方共通部責任者)  (1) AVF共同利用:第31回(平成2年度後期)共同利用実験は、AVFサイクロトロンの   一部修理のため、一部の偏極実験が平成3年度に延期となる。 第30回(平成2年度前期)のマシンタイムおよび第30回、第31回予備日実施状況等 については、資料2、3a、3bを参照。  (2) 新計算機導入に関連して: ・RCNP計算機利用者の会:これは平成3年1月28日に行われ、計算機ネットワークや セキュリティ管理、スーパーコンピューターの導入等について活発な議論が行われた。  ・スーパーコンピューター:強い希望が出されているが導入は早急には難しい。  ・大容量データ蓄積装置:新施設での大量の実験データを、効率的に処理する為に、   自動倉庫化された磁気テープライブラリーを導入する。 ・計算機ネットワーク:所内外からRCNPの計算機利用を容易にする為に、ネットワーク を拡充。VAXはDECnet、Internet、BITNETに接続(一部はテスト中)。 FACOM中央計算機もInternet、BITNETとN1ネットに接続する(一部はテスト中)。 電話ラインも増設を検討中。KEKとRCNP間等でのHEPNETに対する高速専用線 接続(512Kbps)をKEKで計画中。RCNPはTISN(東大国際理学ネットワーク)への 加入も考えている。所内LANも拡充が進行中。 [d] 理論部報告(鈴木理論部委員)  (1) 共同利用計算機:   平成2年度………………12月末に中間報告を求めた。予算の70%を既に消化している。   平成3年度分の公募……28件、569,9万円分の応募。現在各レフェリーに審査を              依頼中。  (2) 定期セミナー:理論部主催の定期セミナーは「ハドロンの多重発生と高エネルギー    原子核衝突」を12月に実施した。次回は3月初めの予定。 (3) 計算機共同利用:RCNP計算機の共同利用に関し、平成2年度5件の申し込みがあり、 認められた。 (A3) 研計委幹事の報告(野呂研計委幹事)  (1) AVFサイクロトロンの一部修理に伴い、第32回(平成3年度前期)共同利用の 募集内容を一部変更した。変更の内容は、募集日数(新規採択を40日に短縮)及び 加速粒子(Li加速の停止)であり、既に"RCNP-Z-444追加"として平成3年度1月11 日付で共同利用者に連絡済みである。  (2) 平成2年度後期研究会再公募に対して、3件の応募があり、委員長、幹事で 協議の結果、3件全てを以下の通り採択した。予算の不足分は、カスケード計画 ワークショップ旅費より補った。   テーマ                 代表世話人  開催予定日  予算配分 原子核の多核子間相関と核構造        山屋堯 3/21〜23 60万円 π・K・η中間子と核子・原子核の相互作用  河野通郎 2/18〜20 40万円 軽重イオン間相互作用の微視的、現象論的研究 堀内 昶 3/7〜9 30万円  (3) 平成2年度研究会・ワークショップ旅費は、資料4の通りほぼ消化した。    (2月以降に実施されているものを含む。) (4) 今後行われる実験を対象とした共同利用実験費の公募を行い、研計委委員長、幹事、 共通部責任者で協議の結果、資料5の通り実験費配分額を決定した。 尚、応募のすべてについて、その書類の第1頁については、既にRCNP-Z-437で 印刷公表されている。  (5) 平成3年度前期の研究会公募に対して、1件の応募があった。  (6) 春の学会でのRCNP新計画に関するシンポジウムに関しては、測定器グループに    よって準備が進められている。5名による相互講演を予定している。 この学会シンポジウムに先立ち、RCNPでは各実験室の建設・整備状況の情報提供 と物理の議論のために、RCNPでカスケード計画ワークショップを、系統的に開催 してきた。 (7) 核運委で、1992年度以降の採択方針(案)(資料6を参照)について若干の議論があり、 以下の質問・意見があった。   ・準備に1年以上かかる実験もある。これらについてはどうか。   ・億規模以上の大型プロジェクトは別である。現在議論している。   ・外国を含めて他の人の意見を聞く機会があってもよい。   ・これは懸案事項となっている。   ・テーマ採択だとそのテーマ遂行にRCNPが責任を持つことになる。そういうこと    であるのか。   ・テーマ採択について、「留保」という「条件付き採択」は、ないのか。   ・テストのみをまず実行させるのは、今でも可能である。   ・テーマは認めても、実施計画を詰めた上で、実行する。   ・これらの点については、「採択方針(案)」の中に補足説明がいるのではないか。   以上の核運委での質疑・意見に関連して、今回の研計委では、次の点を確認した。  ・この「案」については、1年くらい状況を見て、今後コメントを付け加えていく。   その為の大枠がこの文章化である。(今回は特にコメントは加えない。)                [B] 協礒事項 (B1) 新委員の確認、委員長・幹事の選出  (1) 研究計画検討専門委員は、資料7の通り確認された。  (2) 委員長には、松柳研一委員を選出した。センター外幹事には下田正委員を、    センター内幹事には水野義之委員を、各々選出した。参考までに研計委の    新委員長・幹事の連絡先を資料8に記す。 (B2) 前回議事録の承認 ・平成2年9月6日に開催の研計委の議事録(案)(RCNP-Z-435)は、資料9の通り  訂正追加の後、承認された。 (B3) 平成2年度後期・RINGサイクロ卜ロン共同利用実験費の採択結果 ・平成3年度以降に実行が計画されている実験を対象にして、共同利用実験費の公募が  行われた(平成2年10月22日締切)。その結果は、資料5の様に決定された。 (B4) 平成2年度・後期研究会の採択結果  (1) テーマ採択:研究会採択は、前記研計委幹事報告の通りである。  (2) 議論:・研究会の内容について、RCNPの実験に直接結び付かないものは    申し込みにくい、という不正確な理解が残っているのではないか、との指摘が    あった。これに対して前研計委委員長土岐氏から、例えば「π・K・η中間子と 核子・原子核の相互作用」研究会は、RCNPの実験に非常に近くないが、意識的に 敢えて採択している、との別の意見があった。 ・研究会の応募数については、核物理研究センターが新施設建設中ということもあり、  最近応募が少ない。今後再び研究会を増やす努力をする必要があるとの指摘があった。 (B5) 第32回(平成3年度前期)AVFサイクロ卜ロン共同利用実験の採択  (1) テーマ採択:第32回(平成3年度前期)AVFサイクロトロン共同利用に対する    応募書類及び、平成3年2月6日開催の実験テーマ説明会での発表・質疑応答を    もとに、マシンタイム配分について討議した。その結果、資料10の通り決定した。  (2) 実験費配分:AVF共同利用実験費の配分については、研計委幹事の下田、水野及び    共通部責任者小方の三氏に委任した。後日協議の結果、資料12の通り決定した。 (B6) RINGサイクロ卜ロン共同利用実験費の採択について (1) 応募課題:平成3年度より新たにRINGサイクロトロン共同利用が開始されるために、 準備期間が比較的長くかかる実験を対象として、初めての実験費公募が行われた (RCNP-Z-438)。これに対する応募書類及び平成3年2月6日開催のテーマ説明会 での発表をもとに、実験費配分について討議した。 応募課題については、資料11の通り。  (2) 議論:これらについて、以下の注釈が付けられた。   *32A101「焦点面ポラリメーターによる1+,T=1状態の測定」(責任者 : 坂口治隆)  ・このテーマは散乱角0°の測定を可能にする装置の設計・製作を含むものであり、   新しい物理としても重要であるから是非やって頂きたい。  ・0°測定装置そのものは、RCNPとしても新施設整備目標のひとつとして揚げていた もの(新施設紹介パンフレット"Basic Experimental Facility Plan for RCNP"の p.9,16,23を参照)であるので、装置建設の提案がRCNPと密接に行われることが 望まれる。  ・この点を含めて次回まで、決定を見送る。 *32A102「4He+p衝突において放出される荷電粒子の連続エネルギー分布とAy分布の測定」      (責任者 : 福永清二)  ・内容にリファインできるところがある。  ・物理としては重要で、意義がある。 ・32A01(桑折グループ提案)の「荷電π中間子用レンジスペク卜ロメーター」及び 31A101(的場グループ提案)の「NaIによるカロリメーター型"スペクトロメーター"」と、 よく似ている。両立するかどうか。 ・これら3つの提案に関して、ワークショップを開く。次回(5月の研計委)にその報告を 聞き、全体としてRCNPにゲインのある形で決定する。予算規模としては、 全体として1000万円程度を想定する。 *32A103「重イオン入射反応破砕生成核のスピン偏極とその反応」(責任者 : 高橋憲明)  ・NMR装置等(290万円相当分)でまずやって頂く。  ・残りのスウィンガーマグネットについては、平成3年度予算と重イオン源増強案が   明確になった段階で、実施計画等を検討する。 *32A104「大ライデンによる連続スペクトル測定用焦点面検出器の開発調査」              (責任者 : 的場 優)  ・認める。時期については、AVFサイクロトロン施設でのテストも含めて考える。  ・ここでのテーマは新しい技術の芽を育てる、などの重要性があるので、積極的に   遂行して頂きたい。 (B7) 平成3年度・前期研究会の採択  (1) 採択:研究会公募(RCNP-Z-439)に対して、1件の申し込みがあった。討議の結果、    要求額がほぼ全額以下の通りに認められた。     テーマ         代表世話人   開催予定日  予算配分  少数粒子系核物理学      尾立 晋祥    6月予定   70万円 (2) 議論:毎年、研究会が年度後期に集中する傾向を是正するために、今後も出来るだけ 前期に研究会を申し込んでいただきたいとの希望が出された。 (B8) 共同利用計算費委員の選出  ・研計委委員の中から、上村、坂口両委員を選出した。  ・研計委の推薦による委員として、佐藤透(阪大)、小池(法政大)、藤原(京大)の各氏に   依頼することを決定した。  ・核研、RCNPから委員については、各機関に選考を依頼した。後日、森松(核研)、   鈴木(RCNP)に決定された、との連絡があった。 (B9) 平成3年度・研計委関係予算について (1) 状況:平成3年度は、新たにRCNPサイクロ卜ロン新施設での実験(開発ビームタイム 及びテス実験)が始まる上に、AVFサイクロトロン共同利用も継続される。従って 平成3年度の予算案については、新たな対応が必要であり、種々議論があった。  (2) 予算案 : 平成3年度前期分として、今回は採択された研究課題に対応する実験費        要求額はRINGとAVFを合計して3000万円(前期分)であった。        従って、平成3年度前期・後期分として6000万円を、共同利用実験費の        予算案とすることに決定した。  (3) 旅費 : 共同利用旅費については、従来の「カスケード計画検討研究会旅費」と        いう項目を消して、「研究会旅費」に一本化することが決定された。        ・共同利用旅費の平成3年度予算案は、資料13の様に決定された。 (4) 共同利用計算費 : 平成3年度は新施設の完成と実験開始に伴う各種予算案の見直し に伴い、共同利用計算費の方も、ある程度の増額を行う。 但し、今年度は卜ランジェントな額と考える。        ・平成3年度共同利用計算費の予算案は、450万円とする。    ・なお大型計算に対する新しい予算枠の希望が出されている。 以上の、共同利用計算費に対する研計委としての決定と議論に対応して、RCNPの 計算機利用についても、次のような議論が行われた。  ・外部から(計算機ネットワークを使って)計算機が利用出来るように。 ・RCNP新施設の計算環境整備の一環として、今後は中央計算機と計算機ネットワーク が大幅に充実されるので、それに対応する必要性も指摘された。  ・今後1年程度を目途に、次期計算機への対応を検討していくことが確認された。 (B10) RCNP新施設での共同利用実験に関する懸案事項について  ・新施設での共同利用実験方式については、研計委で継続して協議していくことに   なっている。  ・その内容としては、前回(平成2年9月)の研計委で継続審議となっていた懸案事項が   3項目ある(RCNP-Z-435,p.4参照)。また平成元年9月の研計委で継続協議が   確認された事項が1項目ある(RCNP-Z-407,p.4,5参照)。合計4項目である。   これらをまとめて、以下に記す。 新施設での共同利用実験に関する懸案事項  1. マシンタイムの採択にあたって、AVFサイクロ卜ロンでの実験と    リングサイクロトロンでの実験を同等に扱うか否かについて。  2. 採択委員の構成について。(研計委委員以外ヘの依頼を行うか否かについて。)  3. 実験結果の評価方法の見直しについて。  4. 億規模の予算を必要とするプロジェクトをどのように扱うかについて。  ・今回はこれらの懸案事項のすべてについて協議、及び自由討議が行われた。  その結果、まず次の点が決定された。即ち、「マシンタイムの採択にあたって  AVFサイクロトロンでの実験とRINGサイクロトロンでの実験を同等に扱うか否か」  という点に関しては、「同じ研計委が同等のレベルで審議し、採択する」、と決定された。 ・この決定の主な論点は、AVFとRINGのエネルギー可変性と継続性(陽子加速の場合、 AVFは85MeVまで、RINGは100MeVから400MeVまで、夫々加速エネルギーが 連続可変)にある。すなわち物理も継続して議論できる可能性があるという点があり、 それが考慮された結果である。  ・上記の決定以外には、以下の懸案事項に対して、夫々次の様な自由討議が行われた。 (a)「新施設での採択委員の構成について」  ・基本的には研計委委員で行う。必要に応じて、レフェリーを依頼したらどうか。  ・PACの委員に外人を加える可能性についても議論があった。  ・分野のバランスをとるために、委員構成に調整可能性を持たせてはどうか。   例えば、委員の2/3は(従来通り)選挙で選び、残り1/3は調整補充する。  ・学際的研究領域の専門家が必要な時に、どう選ぶかは問題である。      等々の自由討議が行われた。 (b)「実験結果の評価方法の見直しについて」  ・実験結果の評価は、次の採択の根拠になるので重要である。   等々の意見交換が行われた。 (c)「億規模のプロジェクトについて」  ・今までは通常の実験費とは別枠で行ってきた(RCNP-Z-407,p.4,5の議論を参照)。   ・今後は新施設での実験規模の大型化に対応して「大型」プロジェクトも研計委で   扱うことが出来るか否か。  ・定常的に億規模のものも受け付けることにするか否か。  ・プロジェクト公募を行うべきである。  ・まず、アイデアがあるべきである。  ・お金があれば考えるという面もある。   等々の意見が交換された。 (B11) ECRイオン源について  ・内部イオン源ではビーム強度が不足している等の問題があるので、早急に   外部イオン源を導入したい。  ・ECRイオン源(例えばLiイオン)を1年くらいで早期に実用化してほしい。  ・理研は重イオン、RCNPは軽イオンに特徴がある。しかし、地域性も重要である。   RCNPにもECRイオン源が是非必要である。  ・2次ビームコース(の充実)は、RCNPの3本柱のひとつである。 ・他の建設計画(DSR,FPP,大口径スペク卜ログラフ)の優先度を(ECRと)並べてみるべき である。(註:DSR=Dipole-magnet for Spin Rotation, FPP=Focal Plane Polarimeter)  ・核研でLiイオンをECRでやっているので可能である。  ・ワークショップで加速器・イオン源開発の優先度を洗い直すべきである。   等の意見が出された。 (B12) その他の問題 今回の研計委で報告・討議された論点について、ユーザーの声として、以下のような 自由討論が行われた。  ・実験前に、実験準備のための旅費が必要なことがある。何とかしてもらえないか。  ・M1(大学院課程初年度)の前半は現行では共同利用実験に参加できないが、   これは問題である。何とかならないか。 ・共同利用宿舎に、長期滞在している外部利用者の中には、他の利用者に大きな迷惑を かけている者がある。  ・旅費の振込が遅いので、困っている。何とか少しでも早くならないか。 (B13) 次回の予定   次回の研計委は平成3年5月16日(木)とする。 以 上 資料1        平成3年度RCNP共同建設者の氏名・担当一覧   酒井英行 (東大理)・・・・・・ 中性子測定系の建設整備   森信俊平 (九大理)・・・・・・ 大口径スペクトログラフ・2次粒子ビーム  コースの建設・整備   沖花 彰 (京都教育大)・・・大口径スペクト口グラフの建設整備   相良建至 (九大理)・・・・・・・大口径スペクトログラフの建設整備   藤田佳孝 (阪大教養)・・・・・大雷電スペクトログラフの制御系の建設整備   宮武宇也 (阪大教養)・・・・・2次粒子ビームコースの建設整備   下田 正 (阪大教養)・・・・・2次粒子ビームコースの建設整備   鹿取謙二 (阪大理)・・・・・・・偏極3Heイオン源の開発・建設・整備   松木征史 (京大化研)・・・・・レーザー核分光学の研究とその為の装置 開発・建設・整備 資料2        第30回(平成2年度前期)マシンタイム実施日数統計 課題実験 実験番号 責任者 割当日数 実施日数 未実施日数 30A01 村上哲也 5.5 5.5 − 30A02 村上哲也 0.0 0.0 − 30A03 永井泰樹 4.0 4.0 − 30A04 松岡伸行 2.0 2.0 − 30A05 馬場 宏 0.0 0.0 − 30A06 馬場 宏 1.0 1.0 − 30A07 田村詔生 1.0 1.0 − 30A08 魚住裕介 3.0 3.0 − 30A09 的場 優 1.5 1.5 − 30A10 高松 潤 2.5 2.5 − 30A11 斎藤悌二郎 2.0 2.0 − 30A12 藤田佳孝 3.0 3.0 − 30A13 中村正信 1.0 1.0 − 30A14 坂口治隆 2.5 2.5 − 30A15 石井慶造 0.0 0.0 − 30A16 小川英巳 2.0 2.0 − 30A17 坂本直樹 1.5 1.5 − 30A18 山屋 尭 3.0 3.0 − 30A19 中山信太郎 4.0 4.0 − 30A20 萩野晃也 2.0 2.0 − 30A21 高橋憲明 1.0 1.0 − 30A22 柿木 茂 3.0 3.0 − 30A23 野呂哲夫 1.5 1.5 − 30A24 沖花 彰 1.5 1.5 − 30A25 羽鳥 聡 5.0 5.0 − 30A26 宮武宇也 4.0 4.0 − 30A27 下村浩一郎 3.5 0.0 3.5                   小  計  61.0     57.5     3.5 教育用 30F01 馬場 宏 1.0 1.0 − 30F02 小林晨作 1.0 1.0 −                   小 計   2.0     2.0    − 保守・休止 30M 保守 − 11.0 30S 休止 − 0.0 30T 故障 − 0.0                   小 計         11.0                      合  計   63.0     70.0     3.5 資料3a                 第30回 (平成2年度前期) AVF共同利用教育用マシンタイム (F) 実施状況 テーマ 責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日 30F-01 無障壁核分裂における質量分布の測定 艸分宏昌(阪大理) 指導教官(馬場宏) 馬場、艸分、早野、小林、斎藤、 高橋、横山 1.0 1.0 9/19 30F02 16Oの陽子非弾性散乱における微分断面積、偏極分解能 の測定 樋江井太(京大理) 指導教官(小林晨作) 小林、坂口、平田、上垣外、樋江井 酒見、秋宗 1.0 1.0 9/27                  資料3b                                                   第31回 (平成2年度後期) AVF共同利用教育用マシンタイム (F) 実施状況 テーマ 責任者 参加者 申込日数 採択日数 実施日 31F-01 変形核から偏極陽子弾性非弾性散乱による陽子変形光学 ポテンシャルのQモーメントのエネルギー依存症測定 秋宗秀俊(京大理) 指導教官(坂口治隆) 小林、坂口、上垣外、酒見、樋江井 秋宗 1.0 1.0 12/7 31F-02 3次元scintillating−fiberの特性測定 山下 了(京大理) 指導教官(今井憲一) 政池、今井、延与、伊藤、舟橋 山下、斎藤、後藤 1.0 1.0 11/16 資料4        平成2年度RCNP研究会・ワークショップ等内訳 研究会 テーマ 開催日 予算配分 (万円) Cluster and Collective Modes in Light Nuclei 7/5〜6 55 原子核の多核子間相関と核構造 3/21〜23 60 π・K・η中間子と核子・原子核の相互作用 2/18〜20 40 軽重イオン間相互作用の微視的、現象論的研究 3/7〜9 30                                 合 計 185 カスケード計画ワークショップ テーマ 開催日 予算配分 (万円) RCNPオンラインデータ収集システム検討会 9/13 10.5 大口径スペクトログラフ及び関連する測定技術の検討 10/6 13.1 Grand Raidenでの物理 12/25〜26 43.5 不安定核ビームによる核反応 12/15 25 不安定核のスペクトロスコピー 1/26 核物理研究センター中性子測定設備と物理 2/16 25                                 合 計 117.1 共同利用ワークショップ(I) テーマ 開催日 予算配分 (万円) fp Shell核におけるquadruple mixed−symmetry states 6/25〜7/6 4.5 エネルギー損失測定による固体中を進むイオンの荷電状態の研究 8/10〜11 3.4 Tz=−3/2核のB (GT) 強度関数 2/22 3.4                                 合 計 11.3 共同利用ワークショップ (II) テーマ 開催日 予算配分 (万円) 原子核内有効相互作用と中性子過剰核 7/28〜20 4.5 偏極量と原子核物理 10/15〜17 5.5 400−800MeV核子−核子散乱、反応dataのenergy依存症に 現れるnarrow structureの解析 12/21 13.3 スペクトログラフでの(d,2He)実験の検討 2/15 6.8 Full folding法による核子−核子光学ポテンシャルの研究 2/14〜16 3.3 少数多体クラスター模型−直交条件模型− 3/6〜7 10.9                                 合 計 44.3 資料5                   平成2年度後期RINGサイクロトロン共同利用実験費配分                    実験番号 実験テーマ 責任者 配分額(万円) 31A101 400MeV領域での使用を考えた低分解能汎用検出器素子のテスト 的場 優 105 31A102 中性子検出用ホドスコープ 畑中吉治 360 31A103 安定領域から離れた原子核の相互作用ポテンシャル 下田 正 190 31A104 W実験室における検出器等の開発用データ収集系の整備 中村正信 0* 31A105 焦点面ポラリメータのテスト用回路の充実 坂口治隆 275 31A106 高分解能スペクトログラフ「Grand Raiden」を使った非弾性散乱実験 藤原 守 0**                   * 具体的な実験や開発で実際に必要となった時点で考慮されるべきものと思われる。           ** RCNPの建設予算内で整備すべき内容のものと思われる。 資料6          1992年度以降の共同利用実験採択方式案                        1990.9.6研計委委員長・幹事 1) 実験申し込み   ・実験テーマの遂行に必要な総ビーム日数・総予算を一括して申し込むものとする。   装置のテスト・収量の推定のためのマシンタイムも1テーマとなり得る。  ・実験期間は最長で2年とする。  ・実験申し込みは常時受け付けられる。  ・申し込みには総ビーム日数・総予算の他、1年以内のテーマについては   実施スケジュール(消化希望時期)を、1年以上のテーマについては当面1年間の   実施スケジュールを記載する。  ・実験採択後、特に理由のある場合にはビーム日数・予算に関する変更を申請できる。 2) 説明会  ・採択に先立って現行と同様の実験テーマ説明会を開く。  ・2年に亘るテーマについては原則として1年経過時に経過報告を行う。   また、2年次の実施スケジュールも提出する。 3) 採択  ・採択は原則として年2回行う。 ・採択にあたっては申し込みテーマの遂行に必要と認められる総ビーム日数・総予算を 決定する。  ・長期に亘るテーマに関しては、向こう半年間の実施日数、更にその先半年間の   概略実施日数及び年度毎の予算配分が決定される。  ・各期間全ビーム日数の内、先送りによって占められる割合は20〜30%以下を   目処とする。   4) 実施  ・実施スケジュールは核物理研究センターによって組まれる。その際、採択時に   決定された実施時期より若干の変更は有り得るものとする。 資料7                  研究計画検討専門委員会委員の氏名・任期一覧          区分 センター外委員(任期) センター内委員(任期) 計 実験系 (東北大) 山屋 尭 (新) (東工大) 旭 耕一郎(新) (京大) 坂口治隆 (新) (阪大) 下田 正 (新) (東大) 酒井英行 (現) (東工大) 永井泰樹 (現) (立教大) 本林 透 (現) 水野義之 (新) 野呂哲夫 (現) 松木征史 (現) 10名 理論系 (東大) 市村宗武 (新) (京大) 松柳研一 (新) (京大) 堀内 昶 (現) (九大) 上村正康 (現) 4名 高エネルギー (京大) 政池 明 (現) 1名 宇宙線 (大阪市立大)三尾野重義(現) 1名 核化学 (新潟大) 工藤久昭 (現) 1名 常任委員 ( ex officio ) (センター長・測定器部)       池上栄胤 (加速器部)  近藤道也 (共通部) 小方 寛 (理論部) 鈴木 徹 4名 計 14名 7名 21名 任期は (新)・・・平成3年2月 7日〜平成5年2月 6日     (現)・・・平成2年2月 16日〜平成4年2月 15日 資料8           研計委委員長・幹事の連絡先 研計委委員長:   松柳研一     京都大学理学部物理教室   Tel:       (075)-753-3841(direct)   TeleFAX:     (075)-753-3886   BITNET:     KEN@JPNRIFP 研計委幹事:      下田 正     大阪大学教養部物理   Tel:       (06)-844-1151,ext.5238   Tel:       (06)-877-5111,ext.3060 (RCNP,共同利用)   TeleFAX:     (06)-855-7621   BITNET:     SHIMODA@JPNRCNPF   DECnet:     41460::SHIMODA ( or RCNPVX::SHIMODA )   Internet:     shimoda@rcnpvx.kek.ac.jp   水野 義之    大阪大学RCNP   Tel:       (06)-877-5111,ext.3069   Tel:       (06)-877-1874(direct)   TeleFAX:     (06)-875-2920   BITNET:     YMIZUNO@JPNKEKVX   DECnet:     41460::YMIZUNO ( or RCNPVX::YMIZUNO )   Internet:     ymizuno@rcnpvx.kek.ac.jp 資料9    平成2年9月6日研計委議事録(案)RCNP-Z-435に対する訂正と追加   1. 訂正     1頁14行日   立ち上がり検査 → 立ち入り検査    2頁13行目   松木グループ → 下村グループ    5頁22行目   田村詔生(広島大理)→ 田村詔生(岡山大理)      2. 追加 : 協議事項の最後に下記を追加する。    10. リングサイクロトロン共同利用実験費公募について      平成3年度後期以降に実施予定の、リングサイクロトロンを利用する実験を      対象として実験費を公募することとした。      公募日程は平成3年度前期AVF共同利用マシンタイム公募と同じとし、      公募内容・形式の詳細については委員長・幹事に一任する。 資料10               第32回 (平成3年度前期分) RCNP / AVFサイクロトロン マシンタイム採択               実験番号 実験テーマ 申込日数 採択日数 責任者 32A01 (p,π)反応による核内におけるΔisobar励起と崩壊の研究の為のrange spectrometerのテスト 0.5日 0.5日 桑折範彦(徳島大教養) 32A02 陽子に対する金属元素の阻止能 : エネルギー依存症V 3日 2日 坂本直樹(奈女大理) 32A03 固体中を進むイオンのエネルギー損失における荷電状態依存症の研究 3日 1.5日 小川英巳(奈女大理) 32A04 焦点面ポラリメータによる(1+,T=1)状態の測定 6日 3日 酒見泰寛(京大理) 32A05 12C(d,d’ γ)によるIso-scaler Spin Flip Probabilityの測定 9.5日 7.5日 酒井英行(東大理) 32A06 コンボイ電子の生成過程− H2+イオン 2日 2日 万波通彦(京大工) 32A07 マイクロストリップ半導体検出器の放射線損傷に関するビームテスト 1日 1日 田村詔生(岡山大理) 32A08 偏極陽子弾性散乱の超後方測定 3日 2.5日 中村正信(京大理) 32A09 40Tiのβ遅延陽子崩壊 6日 6日 宮武宇也(阪大教養) 32A10 Ni同位体核の粒子状態の強度分散と粒子及び空孔状態の分散幅の違い 4.5日 4.5日 魚住裕介(九大総理工) 32A11 高分解能偏極陽子ビームによる巨大共鳴領域の観測 2日 1日 栄 武二(九大工) 32A12 イオン・原子衝突における融合原子の直接的検証 2日 2日 石井慶造(東北大RIセンター)                                         合計日数   42.5日  33.5日 資料11               第32回 (平成3年度前期分) RCNP / RINGサイクロトロン共同利用実験費採択                実験番号 実験テーマ 申込日数 採択日数 責任者 32A101 焦点面ポラリメータによる(1+,T=1)状態の測定 − − 坂口治隆(京大理) 32A102 4He+p衝突において放出される荷電粒子の連続エネルギー分布とAy分布の測定 − − 福永清二(京大化研) 32A103 重イオン入射反応破砕生成核のスピン偏極とその応用 − − 高橋憲明(阪大教養) 32A104 大ライデンによる連続スペクトル測定用焦点面検出器の開発調査 − − 的場 優(九大工) 資料12      第32回 (平成3年度前期分) RCNP・AVFサイクロトロン共同利用実験費配分      実験番号 責任者 配分額 32A01 桑折範彦(徳島大教養) * 32A02 坂本直樹(奈女大理) 10 32A03 小川英巳(奈女大理) − 32A04 酒見泰寛(京大理) 100 32A05 酒井英行(東大理) 360 32A06 万波通彦(京大工) − 32A07 田村詔生(岡山大理) − 32A08 中村正信(京大理) 45 32A09 宮武宇也(阪大理) − 32A10 魚住裕介(九大総理工) 10 32A11 栄 武二(九大工) 55 32A12 石井慶造(東北大RIセンタ ー) − その他の項目 − 総 計  580万円    *: 32A01( 桑折範彦氏提案 )は、テーマとしては認められている。          配分額はワークショップ等の結果に基づき、後日議論される。 資料13             平成3年度研計委の旅費予算案内訳         研究会旅費               200万円         カスケード計画ワークショップ旅費    110万円         共同利用ワークショップ旅費        50万円         定期セミナー旅費             15万円         計算機共同利用旅費            25万円         共同利用実験旅費            600万円 計  1000万円