研究計画検討専門委員会議事録(案)        日 時 : 平成9年3月4日(火)11:00〜18:00        場 所 : 大阪大学核物理研究センター 会議室        出席者 : 井上、上村、佐藤、菅沼、鈴木、田阪、土岐、能町、初田、 保坂、増田、森、與曽井            (旧委員)下田、宮村、本林            (研計委要請)江尻、藤原、中野        欠席者 : 清水、永目、細野、蓑輪 [A] 新委員会の委員長、幹事の選出   センター長挨拶の後、新委員会の委員長、幹事の選出を行なった。委員長上村、   幹事與曽井、能町を選出した。                                [B] 報告事項 1. 一般報告(江尻センター長) 報告に先だって、センター長より、1月に逝去された東北大学の山屋尭氏の核物理 研究センターで行なわれた研究についての業績紹介があった。 核物理研究センターの研究活動全般について、特にリングサイクロトロンのビーム 安定性の向上、汎用計算機の更新、レーザー電子光プロジェクト、国際ネットワーク 等の報告があった。 2. 各グループ報告 〇核理T(藤原) :  リングサイクロトロンでの最近の研究について報告があった。同時計測実験に加え、  零度非弾性散乱やΛ粒子生成実験等のユニークな実験が進められている。  大搭コスモ観測所の開所式、Spring-8の現状についての説明があった。 〇核理II / クォークレプトン(土岐) : 外国人COE研究員8人を受け入れる旨報告があった。 最近の研究の中から、基底回転バンドにおける△I=4のアノーマリーの研究が紹介された。 QULEN'97等国際会議のアナウンスがあった。 〇加情I(佐藤) : マルチGeV高性能加速器と関連技術の国際会議のアナウンスがあった。 細野氏の転出に伴い、新体制を整えた。 (責任者 佐藤、サイクロ担当 斉藤、次期加速器担当畑中) ビームの安定性の向上と最高エネルギー(416MeV)達成について報告があった。 今後、AVFの安定化に取り組んでいく。 次期加速器開発として、8の字型シンクロ卜ロン及びそのコライダーとしての使用を 検討している。その他、無同調キャビティ、高性能電源、DC SQUID等の開発を民間や 放医研との共同で行っている旨説明があった。 〇加情II(能町) : 新汎用計算機システムの紹介と大型計算機センターに入ったスーパーコンピュータ について説明があった。 〇研究企画室(畑中) : 平成8年度加速器運転時間並びにマシンタイム未実施日数について資料により 報告があった。                [C] 協議事項 1. 将来計画について  将来計画検討小委員会(委員長 梶野)による答申案が本林氏より報告された。  実行提言は要約すると以下の2点である。 i) クォーク核物理学の研究を推進するために、マルチGeV領域の電子-原子核ビームの  コライダーを次期加速器として検討する。 ii)先進的測定装置・観測装置のR&Dのための環境整備、支援を行う。  これをもとにフリーディスカッションを行なった。 ・2つの提言の相互関連や、計画の時間スケールが明確でない。 ・加速器に関しての検討が不足している。ルミノシティ等どこまでいけるか。 ・50GeVや理研のRIファクトリー等、日本全体の計画の中での現実的な観点が  考慮されている。電子加速器としてはSpring-8の利用も念頭においている。 ・HERAやGSI等の外国の研究所との競合もしくは協力という観点での検討も  必要である。 ・General purpose の加速器である必要はないが、あまり一つの物理(例えば  グルーボール)に収斂して走らない方が良い。 ・この答申の中で為されていないことを検討することも必要で、比較すべき将来  計画のスタイルがあった方が良い。 等の意見が出された。今後、最終答申を受けてセンター内で検討を行い、次回研計委 において次のステップをどうするか議論することとした。 この答申をもとにワークショップ等を開いて広く議論することも考えていく。 2. B-PAC委員の選出  研計委からのB-PAC委員として、上村、清水、菅沼、能町、與曽井の5名を選出した。 3. 計算核物理委員の選出  加情Uグループより、スーパーコンピュータの導入に伴って、これまで行ってきた  外部計算機利用のためのサポートを止めたい旨提案があり、議論の後了承された。  これを受けて、計算核物理委員会はスーパーコン利用委員会に発展的に解消すること  とした。委員の人選は先ず関係者において行なってもらう。  これに関連して、核理Uの並列計算プロジェクトで購入した計算機マーキュリーに  ついて議論を行い、新しいスーパーコンビュータの利用を優先させる方向で  プロジェクトの進め方を核理Uグループ内で検討してもらうこととした。 4. 研究会、ワークショップ、シンポジウム等  幹事の不手際で募集が遅れたので、今回は採否の決定を急ぐ以下の2件を採択した。  ・INNOCOM97 (土岐)  ・サイクロトロンの安定化と高性能化 (斉藤)  他は、今後の研計委等で採否を検討する。現在までに上記以外に  ・Quark-Gluon Nuclear Physics with Multi-GeV Laser-Electron Photons (中野)  ・Networked data acquisition system(能町)  ・RCNP School '97  (菅沼)  ・Symposium on Future Project of RCNP Osaka (土岐)  ・Low energy nuclear astrophysics experiments and related technologies (板橋)  ・Physics promoted by High-Resolution, High-Angular-Resolution and Low-Background Experiments (藤田)  について申込みが為されている。 5. 研究プロジェクトについて  先ず、センター長よりRCNPの研究プログラムについて、主要研究テーマとそれを  推進するハード・ソフト両面についての説明があった。  レーザー電子光クォーク核物理プロジェクト(Spring-8)について中野氏より開発の  現状(タギング用SSD等)、ソフト面(メーリングリスト、WWW、勉強会等)、  及び物理について報告が為された。それを受けて、検出器建設のための検討委員会を どう組織するかを中心に議論を行った。一年前の研計委においては、まだインフラ整備 の段階で公募を行う体制が整っていない等の判断で、当面は関連する問題に関しては 研計委で扱っていくこととしたが、計画が進展してきた現状においては、物理を議論し 検出器建設進めるためのサブ委員会を組織することに特に反対はなかった。 詳細については次回研計委で議論することとした。 6. その他 ・議事録承認  平成8年10月18日に開催された研計委の議事録(電子メールに配布済み)については  研計委後に一部訂正の後電子メールにて承認した。 ・次回  次回研計委は、6月19日(木)に開催することとした。