研究計画検討専門委員会議事録(案) 日 時: 平成9年6月l9日 (木)      10:00〜17:00 場 所: 大阪大学核物理研究センター 会議室 出席者: 井上、佐藤、清水、菅沼、鈴木、土岐、能町、保坂、細野、與曽井      (研計委要請)江尻、中野 欠席者: 上村、田阪、永目、初田、増田、蓑輪、森、             [A] 報告事項 報告に先だって、上村委員長欠席のため本日の議長として鈴木委員を選出した。   1. 一般報告(江尻センター長) 核物理研究センター運営委員会の報告として、リングサイクロトロンによる研究を 主とする教授の公募を行うこと及び本年秋に国際評価委員会(meson/quark 核物理を 中心とする)を予定していることについて説明があった。 核物理研究センターの研究活動全般について、特に研究グループの構成、研究装置、 レーザー電子光プロジェクト、国際ネットワーク、国際シンポジウム等の報告があっ た。また、最近の研究成果として100Mo、71Gaに対する(3He,t)反応について紹介が 為された。 2. 各グループ報告 〇 核理 I B (中野) : SPring-8の現状についての説明があった。ビームライン(BL33B2)のデザインは終 了し、タッギング用のシリコンストリップ検出器のテストに成功した。  98年9月にfirst beamを予定している。 メーリングリスト、International user's association、セミナー及ぴワークショップ等 ソフト面での充実を図っている。 〇 核理 I I (土岐) : 前年度外国人COE研究員の活動について、非常にアクティブに研究が行われた旨 報告があった。本年度は8名を受け入れる。 国際会議について、ΓEXPAF'97」、「QULEN'97」の報告及ぴ「INNOCOM'97」の アナウンスがあった。 〇 加情I (佐藤) : 職員及ぴ大学院生の配置状況について説明があった。 加速器の現状については、ビーム安定度の向上により運転パラメータの調整が進み ビーム強度や分解能が向上しているが、4日に1回ぐらいの割合で不具合も発生して いる旨報告があった。 次期加速器開発として、8の字型シンクロトロン/独立2台リング/コライダーと という形で検討を進めている。 加情 I の報告に関連して、高分解能プロジェクトに対して質問があり、センター長 より、ピーム安定-->ビーム診断-->WSコースという順番で進めているとの説明があ った。(WSコースについては今年度COE予算に申請している。) WSコースに関して、 センターとして積極的にやる事が困難ならば、変にユーザーに期待させるよりも ある時点でやらないということをはっきりさせた方が良いとの意見も出された。 〇 加情 I I (能町) : 新汎用計算機システムの導入は終了し安定動作のために努力しているとの報告があり、 また、ワークステーションの1台を原子核談話会専用にすることについて説明があった。 ワークグループについては今後CN委員会で議論してその使用方法を検討していく。 〇 研究企画室 : 加速器運転時間並びにマシンタイム未実施日数について資料により報告があった。   [B] 協議事項 1. B-PACについて B-PAC清水委員長より、5月27日に行なわれた共同利用実験の採択結果について 報告が為された。(7件で68.5日の申請に対して47日(+3日)を採択した。) また、B-PACから提案された、採択後2年を経過した実験課題のうち採択日数 の大半が未実施の課題については次回の実験課題募集時に再提出してもらう件について 議論を行い、基本的にB-PACの提案を了承した。但し、センター側の責任(というか、 feasibilityを考慮せずに採択してしまった過去のB-PACの責任)という面もあるので、 現状でのビーム性能等を考慮し、また現在におけるその課題の意義を再検討してもらって、 プロポーザルのreviseをお願いするというような形で、ユーザーからの信頼性を 損なわないように注意するよう意見が出された。 2.研究会、ワークショップ、シンポジウム等 既に予算ゼロで開催済みの ・Quark-Gluon Nuclear Physics with Multi-GeV Laser-Electron Photons  (中野) 以外の未採択の申込みについて議論を行った。(前回「INNOCOM97」及ぴ 「サイクロトロンの安定化と高性能化」については採択済み。) ・Networked data acquisition system (能町) ・Low energy nuclear astrophysics experiments and related technologies (板橋) ・Physics promoted by High-Resolution, High-Angular-Resolution and  Low-Background Experiments  (藤田) の3件はワークショップもしくはワークショップ的なものとして認めた。 ・RCNP School '97  (菅沼) ・Symposium on Future Project of RCNP Osaka  (土岐) の2件についても予算は各々4O万円程度で採択した。 RCNP School に関しては、毎年続けるならぱ研計委と切り離して別枠としたらどうかと いう意見も出されたが、ルーチンワークとせずチェックの場を設けたいということで これまで通りとした。 尚、各研究会、ワークショップ等の結果は、今後研計委に報告してもらうようにする。 3. レーザー電子光クォーク核物理プロジェクト(SPring8)について センター長より提案のあった、SPring8での quark nuclear physics program の ためのQ-PAC設立について議論を行った。まだ定常状態になっていない段階で仕 事は何かといった疑問も出されたが、user's community ではプライオリティーを決めら れないので、予算執行・検出器構築の前に第3者的な評価機関が必要であり、また、 形式的にもSPring-8側から求められているといった面もあるということでQ-PAC の設立を了承した。但し、名称についてはQ(quark?)-PACはあまり良くないと いう意見もあり再検討してもらうこととした。研計委からのQ-PAC委員として、 清水、初田、能町の3氏を選出した。 4.将来計画について 将来計画検討小委員会による答申案の実行提言である @)クォーク核物理学の研究を推進するために、マルチGeV領域の電子-原子核ビ   −ムのコライダーを次期加速器として検討する。 A)先進的測定装置・観測装置のR&Dのための環境整備、支援を行う。   をもとに議論を行なった。 @)に関してはクォ-ク核物理を重点とし、世界に無いという観点で CEBAF と HERA の中間のエネルギー領域を狙ったものであるという説明が 検討小委員会委員から為されたが、チャームポイントがはっきりしない等の意見も出され た。最大の問題は加速器に関しての検討不足(ルミノシティ等どこまでいけるか)である ということで、次の段階としてはセンター内に加速器を中心とするワーキンググループを 組織して検討を進めてしてもらうこととした。 A)に関しては‐実験規模が大きくなり大型検出器の開発が必須となるという観点だけで なく、後継者養成という面が重要であり、必ずしもRCNPの実験での検出器を作らなくても 良いという意見が出された。 5.MESONについて 江尻センター長よりMESON (Medium Energy Science Open Network) について 説明があり、基本方針を了承した。 6.その他 ・議事録承認 平成9年3月4日に開催された研計委の議事録について承認した。 ・車両での入構に関して 共同利用者から苦情のあつた阪大構内への自動車での入構に関して、最低限休日・ 夜間の入構(平日昼間は200円で入構可能)を保証してもらえるよう研計委委員長 名で要望書(案)をセンター長宛に提出した。