リングサイクロトロン

 原子核を研究するための探針である粒子に,強力なエネルギー を与える装置が加速器です.当センターでは,AVFサイクロト ロンが1974年の完成以来,年間6,000時間を超える高い 稼働率を続け,共同研究の柱となって来ました.

リングサイクロトロン

リングサイクロトロンの運転制御用操作卓

 1991年に完成したリングサイクロトロンは,このAVFサ イクロトロンで加速されたイオンを,より高いエネルギーへ加速 するための大型加速器です.リングサイクロトロンは,イオンの 軌道に沿って独立の電磁石(セクター電磁石)を設置して,AV Fサイクロトロンよりも更に強い集束力を軌道面に垂直な方向に 得て,より高いエネルギーまでイオンを加速できるようにしたも のです.

 当センターのリングサイクロトロンは,6基のセクター電磁石 で構成されています.AVFサイクロトロンで加速されたイオン が,ビーム伝送系を通じて,リングサイクロトロン棟に送られ, リングサイクロトロンに打ち込まれ,更に約4倍のエネルギーま で加速されます.このリングサイクロトロンでは,イオンが一周 する間に,3組の高周波共振器で3回加速が行われます。その上, 特徴的なことは,フラットトップ共振器と呼ばれる補助的な加 速装置が備えられていて,加速エネルギーの均一化が図られてい ることです.

リングサイクロトロンの性能

電磁石

  セクター電磁石   6 基
  磁極間隙      6 cm
  最大磁場      1.75 T
  トリムコイル    36 セット
  入射半径      2 m
  引出半径      4 m
  総重量       2200 トン

加速系

  加速用共振器
   単一ギャップ型  3 基
   周波数      30〜52 MHz
   最大加速電圧   550 kV
   高周波電力    250 kW/共振器
  フラットトップ用共振器
   単一ギャップ型  1 基
   周波数      90〜156 MHz

Last Update:December 1, 2000