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NumRoom04 の変更点

Top/NumRoom04

*図4.3 平面波近似に基づく中性子-原子核の弾性散乱断面積の計算 (教科書58ページ) [#fig43]

**概要 [#abst]

質量数(~原子量) AT の原子核標的に、運動エネルギー ELAB の中性子が入射したときの弾性散乱断面積を、平面波近似に基づいて計算するプログラムです。標的原子核は、半径 R0 をもった密度一定の球体とし、中性子と原子核の間にはたらく相互作用は、ゼロレンジ畳み込み模型によって求めます(式(4.17)および式(4.19)を参照)。原子核の半径 R0 とゼロレンジ核子間相互作用の強さ V0 を与えて、微分断面積を計算します。


**プログラムファイル [#prog]

&ref(files/scatpw.f,scatpw.f); (ソースファイル)

&ref(files/scatpw.cnt,scatpw.cnt); (入力ファイル)

&ref(files/cspw.dat,cspw.dat); (計算結果)

&ref(files/scatpw.outlist,scatpw.outlist); (標準出力ファイル)

&ref(files/scatpw.exe,scatpw.exe); (実行形式ファイル: Windows7/10 64bit 版用)


***実験データ [#exp]

&ref(files/exp43-1.dat, n-12C@65MeV); [7]

&ref(files/exp43-1a.dat, n-12C@65MeV); [8]

&ref(files/exp43-2.dat, n-40Ca@65MeV); [7]

&ref(files/exp43-3.dat, n-208Pb@65MeV); [7]

&ref(files/exp43-3a.dat, n-208Pb@65MeV); [8]

&ref(files/exp44.dat, n-208Pb@136MeV); [11]

※文献番号は教科書のものにあわせています。文献情報は[[ページ末尾>#reference]]に記載しています。


**実行方法 [#howtorun]

実行ファイル名を scatpw.exe とします。コマンドプロンプトあるいはターミナルで

 scatpw.exe < scatpw.cnt

とタイプして Enter キーを押せば、入力ファイル scatpw.cnt の内容に従って計算が行われます。環境によっては

 ./scatpw.exe < ./scatpw.cnt

とします。正常に終了したら、0 あるいは stop 0 とターミナルに表示されます。

**入力ファイルの説明 [#input]

-L1-L6~
第2章で紹介した rscat.cnt と同様です。
-L7~
AT と ELAB (単位: MeV)を、それぞれ 10桁の F 型実数で指定します。
-L8~
R0 (単位: fm)と V0 (単位: MeV・fm^3)を、それぞれ 10桁の F 型実数で指定します。
-L9以降~
第2章で紹介した rscat.cnt と同様です。


**出力の説明 [#output]

***scatpw.outlist [#outlist]

標準出力ファイルです。入力値の他に、波数 K (単位: 1/fm)と密度の規格化係数 RHO0 (単位: 1/fm^3)を出力します。

***cspw.dat [#dat]

左が散乱角 θ (単位: degree) で、右が微分断面積 dσ/dΩ (単位: mb/sr) です。

//**注意点と補足 [#note]

**発展課題 [#exercise]

-入力パラメータを変更し、図4.3 にプロットされている破線と点線の結果を算出してください。実験データもあわせてプロットし、計算結果と比較しましょう。
-同様に、図4.4の破線を算出し、実験データと比較する図を作成してください。横軸を移行運動量とすることを忘れないようにしましょう。
-図4.4について、次の結果を用意してプロットしてください。全ての計算で R0 = 8.3 fm, V0 = 107 MeV・fm^3とします。
+入力パラメータを変更し、図4.3 にプロットされている破線と点線の結果を算出してください。実験データもあわせてプロットし、計算結果と比較しましょう。
+同様に、図4.4の破線を算出し、実験データと比較する図を作成してください。横軸を移行運動量とすることを忘れないようにしましょう。
+図4.4について、次の結果を用意してプロットしてください。全ての計算で R0 = 8.3 fm, V0 = 107 MeV・fm^3とします。
--式(4.34)を用いて計算した結果(図4.4の実線)
--展開の次数をさらに 2次上げた結果
--scatpw で計算した結果
-式(4.57)で表される黒体模型を用いて微分断面積を計算するプログラムを作成してください。その際、r0 と V0*Δ_r0 を入力パラメータとします。図4.3の実験データを最も良く再現するように、それらの値を決定してください。得られた r0 は原子核の質量数を用いてどのように表されるでしょうか。
-階段型密度分布の代わりに、式(4.39)のウッズ-サクソン型密度分布を用いて平面波近似計算を行うプログラムを作成してください。
+式(4.57)で表される黒体模型を用いて微分断面積を計算するプログラムを作成してください。その際、r0 と V0*Δ_r0 を入力パラメータとします。図4.3の実験データを最も良く再現するように、それらの値を決定してください。得られた r0 は原子核の質量数を用いてどのように表されるでしょうか。
+階段型密度分布の代わりに、式(4.39)のウッズ-サクソン型密度分布を用いて平面波近似計算を行うプログラムを作成してください。
--R0 と a0 には、それぞれ式(4.40)と式(4.41)を用います。すなわち、R0 は入力パラメータから削除されます。
--密度の規格化係数は、式(4.43)で決定します。その際には数値積分が必要です。これについては、第3章で紹介した function fitg を利用しましょう。
--数値積分を行うため、入力パラメータに RMAX と DR を追加する必要があります。
--フーリエ変換も、数値積分によって求めることになります(角度積分は解析的に実行可能)。
--V0 は入力パラメータとし、実験データを最も良く再現するように決めることにします。
--図4.3に示されている実験データの解析結果はどのようになりますか?


**参考文献 [#reference]

[7] E. L. Hjort et al., Phys. Rev. C ''50'', 275 (1994).

[8] M. Baba et al., J. Nucl. Sci. Tech. Suppl. ''2'', 204 (2002).

[11] C. P. Van Zyl, R. G. P. Voss, and R. Wilson, Philos. Mag. ''1'', 1003 (1956).

//**訂正・補足等 [#correction]