情報科学基礎 Information Literacy 2019

第9回 (対面授業) 課題

プログラミング環境 Processing を用いた物理学の計算

この実習では Processing を使用する。 Processing は、プログラムを書くためのエディタ、Python の実行環境、 グラフィックを描画する機能を持っており、プログラムの初歩を学ぶにはとても適切なアプリケーションである。 簡単な目的の計算なら十分にこなす事ができ、 また高度なプログラミング環境に移行する必要が生じても、 Processing で勉強した事が無駄にならない。皆さんの今後の学習にきっと役立つはずである。

この実習では、Processing の使い方の初歩から始めて、 物理学の基本である、ニュートン方程式を数値的に解き、 色々な物理現象が1つの基本原理と1つの解法で説明できる事を体験して頂く。


情報教育システムにはv3.3.5のProcessingが既にインストールされてい る。この実習ではこれを利用して頂く。

もし自宅のPC等で使用したい場合は、 オリジナルサイトからダ ウンロードして使う事が可能である。但し、オリジナルサイトでは最新 のv3.5.3がある。バージョンが異なると動作や使い方が変わることがあ るので、注意が必要である。皆さんが各自でより進んだ内容を勉強する 事は大変よいことであるが、試験、又はレポートで使用するバージョン は公平性を保つため、情報教育システムと同じバージョンとする。


課題0(Processing の初期設定)

初めに、 Processing で Python モードを使用できるようにするための初期設定を行う。この設定は1度行えば良く、次回以降の授業で行う必要はない。

Step 1. このリンクの上で右クリックし、”対象をファイルに保存”または”名前を付けてリンク先を保存”をクリック。保存場所として”デスクトップ”を選び、”保存”ボタンを押す。これでデスクトップ上に processing_setup_2019.bat というファイルが保存される。Firefox を使っている場合は、 processing_setup_2019.bat.txt というファイル名で保存されるため、processing_setup_2019.bat というファイル名に変更する。

Step 2. デスクトップ上の processing_setup_2019.bat ファイルをダブルクリックし、実行する。セキュリティの警告が表示されるが、"実行"ボタンを押せば良い。

Step 3. Processing が立上り、しばらくしてから終了する。(この bat ファイルは何度実行しても問題ない。)

Step 4. スタートボタンから「Devel」→「processing」を選択し、 Processing を起動させる。

Step 5. Welcome to Processing 3 というメッセージが出た場合は、右下の Get Started スタートボタンを押す。

Step 6. 右上の Jave と書かれた部分をクリックすると、”モードの追加...”という選択肢があるので、これをクリックする。

Step 7. "Contribution Manager" というウィンドウが立上り、追加モードの一覧が表示される。ここで、”Python Mode for Processing 3 | Write Processing sketches in Python” という項目をクリックし、右下の ”Install” ボタンを押す。しばらくすると、インストールが終了する。

Step 8. 終了したら、右上の X マークをクリックし、ウィンドウを閉じる。

Step 9. Processing のウィンドウ右上の Jave と書かれた部分をクリックすると、Python という項目が表示されるので、これをクリックする。

Step 10. 以上で Python モードの設定終了。なにか不具合がある場合は、Processing の再起動を行う。


課題1(コンソール出力)

Processing のウィンドウの中ほどの白い部分にプログラムを書く。 まずは以下のプログラムを打ち込んでみよ。構文に慣れるために、コピー&ペーストは使用しないこと。


for i in range(11):
    print(i)

		
print(i) の前には 4 つのスペースを入れる。プログラムを打ち込んだら、左上の、丸の中に三角があるボタンを押す。これで、プログラムが実行される。最初の実行は30秒程度時間がかかることがあるので待つこと。

下方の黒い部分に文字の出力が行われる。ここに、0から10の整数が表示された事を確認せよ。

先程のボタンの1つ右にある、丸の中に四角があるボタンがプログラムを止めるボタンである。 押して、プログラムを止めよ。

プログラムの中にある for 文は、繰り返しを行うための構文である。range(11) の値を適当に修正し、挙動の変化を確認せよ。

もし無限ループが発生するプログラムを書くと、プ ログラムは止まらない。しかし、この状況になっても「停止 ボタン」を押して、止める事ができる。

入力している途中で、灰色の部分が赤くなり、そこにエラーメッセージが表示される場合がある。 人間が入力している途中では、一時的に間違った文になるのは当たり前なので、気にしなくてよい。 但し、入力が完了した場合でもエラーメッセージが出ている場合は、それをよく読んで対応すること。 しかし、エラーメッセージが常に適切な指摘をしてくれる訳ではない事にも留意せよ。

尚、初心者はエラーメッセージの内容が理解できない事が多い。 恐らくこういう意味だろうと思って試してみるのは良い事であるが、 一方で、やみくもに多くを試してみるのは効率的ではない。 意味をよく推察してみて、それでも分からない場合は、TAに聞くこと。


第9回の演習はこれで終わりである。お疲れさまでした。