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Memo ポスドクのためのイタリアビザ取得備忘録

信じられるのは自分自身だけである

2015年9月に、
INFN Genova着任のため、
大阪領事館で、
研究ビザを取得 した時の備忘録です。
(おそらく東京大使館の場合も同様)
まとめると、早めに、確実に、やれで、
重要なことは
  1. 冷静になる
  2. 少しでもわからないことは大使館(領事館)や受入先に確認を取る
ことです。
Permesso di Soggiorno(滞在許可証)についても記します。

Contents

オファーを受けたらすること

  1. 着任日の決定
  2. これが決まらないと手続きが始まらない。即座に決めよう。
  3. パスポートの有効期限を確認
  4. 帰国予定日より数えて90日以上の有効期間が必要。 期限が切れかけている場合は切り替えが必要。通常は有効期限が切れる1年前から切り替え申請ができるが、それが着任直前の場合は早めに申請することができる。
    (*都道府県によっては、webページに書いてあるにもかかわらず早めの申請をやってくれない。電話・メールで確認し、出来ない場合は他のパスポートセンターへ行かなければならない。)
    パスポート申請でも書類不備があると面倒なので、しっかりと確認しよう。 当然ながら有効なパスポートが手元にないとビザ申請が出来ない。
  5. ビザの種類や必要書類を受入先に確認
  6. ここで重要なのは、受入先にビザ取得の過程をきちんと把握させることである。過去に外国人を受け入れているからと言って教授や秘書が手続きの内容を正確に把握しているとは限らない。ビザはおそらく研究ビザ(雇用形態に依存するかも)。 後述する労働許可書も頼む。
  7. ビザを申請する大使館(領事館)を確認
  8. 労働許可書の申請にはどこでビザ申請を行うかの情報が必要。
    住民票のある場所によって東京の大使館でか大阪の領事館でかが決まる。愛知県以西が大阪の管轄。 詳しくはそれぞれのwebページを確認。
    例えば住民票が関東で、現住所が関西の場合は原則東京の大使館で手続きをする必要がある。ただ、無理を言えば大阪領事館でもやってくれないこともない。ただし領事館(大使館)に電話で要確認。 大使館・領事館へのリンクはこちら
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必要なものリスト

ビザ申請に必要なものリスト。申請するビザによって必要なものがかわるので要確認。 以下は研究ビザについてのリストですが、私の場合は海外保険や通帳のコピーが必要だった"らしい"です。 他のポスドクさんより、それらは必要なかったとの情報有り。やはり研究機関事務や大使館・領事館への確認が重要
  1. 労働許可書(Nulla Osta)
  2. 大使館(領事館)のwebページの研究ビザの項目には労働許可書は入っていないが、我々(Postdoc)には必要である。
    これがなかなか来ない。オファーを受け入れたら即座に着任日を決定し、「労働許可書を準備しろ」と受入先に頼もう。 その際どこ(東京または大阪)でビザ申請を行うかの情報が要る。 パスポートのコピーなどが労働許可書申請に必要。受入先に要確認。 まだ半年あるなどと考えてはいけない。
    もし、受入先から書面の確認を求められたらしっかりと確認しよう。イタリア語で書かれているが、我々でも読める名前や生年月日、日本の住所(都道府県)はしっかりと確認。彼らにとって日本人の名前や地名は難しい。 一文字でも間違っていると大変なことになる。 不備のないように。
    労働許可書ができたら大使館(領事館)に直接送られる。 受入先より労働許可書の手続きが終わった旨の連絡が来たら、 それが大使館(領事館)にちゃんと届いているか電話で確認。 大阪領事館では労働許可書の確認電話の後に、 来館日の予約を取ることになっている。
  3. ビザ申請用紙
  4. 東京大使館と大阪領事館で用紙が異なる(内容は同じなのに)。webページよりダウンロードして作成する。 記入内容でわからないことは受入先に確認しよう。
    自家製の記入例と注意事項はこちら。
    異なるところは修正願います。受入機関の情報などは確認しましょう。「この書類の何番のこれとこれとこれを教えてくれ」と具体的にしつこく聞いたほうが良いです。全部書けたら「これで良いか?」と受入先に確認を取りましょう。不備のないように。
  5. パスポート用の顔写真
  6. ビザに貼られる。
  7. パスポート(原本)とそのコピー
  8. 帰国予定日より数えて90日以上の有効期間が必要。 期限が危うい場合はビザ申請前に切替申請の必要あり。
  9. 住民票
  10. 現住所と住民票の場所が違う場合は、余裕を持って取りに行こう。
  11. 滞在期間中傷害が無制限の海外旅行保険の契約書(原本)
  12. 長期の旅行保険を探して契約。傷害の項目が無制限というところが重要。 契約書は手続き後こちらに返ってくる。
  13. 通帳とそのコピー
  14. 過去6ヶ月間の動向を見る必要があるため、最近通帳を繰り越した場合は以前の通帳も必要になる。
      
  15. イタリアでの賃貸契約書
  16. イタリアでの居住の賃貸契約書。受入先やイタリアでの住居のオーナーに頼もう。一時的に居住する場所(大学のドミトリーなど)のものでも良い。
    ちなみに住居の手配も早めにしよう。受入先に助けを求めると良い。
      
  17. 申請費
  18. 申請時に15700円(2015年9月現在)払う必要がある。お釣りは出せないと言われる。
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取得手順

  1. 必要書類を揃えよう
  2. 申請に必要な書類を揃える。不備があると面倒。 何度も確認。特に受入先に頼む必要のあるものは早めに
    1. 労働許可書(Nulla Osta)
    2. ビザ申請用紙(東京と大阪で違う)
    3. パスポート用の顔写真
    4. パスポート(原本)とそのコピー
    5. 住民票
    6. 海外旅行保険の契約書
    7. 通帳とそのコピー
    8. イタリアでの賃貸契約書
    9. 申請費15700円(2015年9月現在)
  3. 大使館・領事館に確認の電話
  4. 大阪領事館の場合、ちゃんと労働許可書が届いたか確認する必要がある(東京大使館の場合も?)。 電話の受付時間が短いので注意(大阪:平日14:30-16:30)。大阪領事館の場合はその後webで来館予約を行う。予約は結構先まで埋まっている場合がある(私の場合は1ヶ月半先までびっしり埋まっていた...)ので早めに。 出国が迫ってるが予約がいっぱいの時は領事館へ電話してみよう。
  5. 大使館・領事館で申請&受取
  6. ビザセクションが開いているのは午前中のみである(東京:平日9:30-11:30、大阪:平日9:30-12:30(予約制))。 予約時間に行っても領事館で待たなければならない。
    まずは必要書類(パスポート原本を含む)を提出し、後日ビザ付きパスポートと保険の契約書の受取(私の場合は一週間くらい待った)。 不備があると何度も足を運ぶ。家が東京(大阪)周辺でない場合は郵送してくれるらしい(要確認)。 お疲れ様でした。
    ちなみに、次年度もイタリアで引き続き働く場合はこのビザの更新は必要ない。滞在許可書(Permesso di Soggiorno)の更新だけすれば良いです。
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イタリア到着後必要そうなことまとめ

いくつかは事務の方から手続きをするように言われると思います。
  1. CODICE FISCALE ... イタリアでの個人ID。色々な手続きに必要です。
  2. 住民票 ... 住まいのオーナーに書いてもらう書類が必要かもしれません。詳しくは役所や研究機関の事務に。
  3. 銀行口座 ... お給料をもらうのに必要です。割と英語を話してくれます。
  4. Permesso di Soggiorno (滞在許可証) ... 非EU市民に必要な滞在許可証。次の章で詳しく
  5. 在留届 ... 日本大使館か領事館に提出するもの。3ヶ月以上滞在する場合は提出する。電子届出可。 詳しくは外務省のページで
  6. 携帯電話またはSIMカード ... イタリアではやたら携帯のメッセージ機能(電話番号で送れるやつ)を使いたがるのであると便利。
基本的には研究機関の事務や同僚に手伝ってもらうと良いでしょう。
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Permesso di Soggiorno (滞在許可証)

EU市民でない人は、イタリアに到着後すぐに手続きを始める必要があります。また、毎年度更新が必要です。
必要な滞在許可証は「PERMESSO DI SOGGIORNO PER RICERCA SCIENTIFICA=科学研究に対する滞在許可証」だと思われます(研究機関の事務に要確認)。 応募用紙はすべてイタリア語で書かれています。 事務に手伝ってもらうのが良いです(事務の人がこれについて知らない場合もあります。 しかし、申請は必須です。)。
Polizia di Stato(イタリア警察)による英語で書かれた情報はこちら
自治体にも依るらしいのですが、申請から受け取りまで数ヶ月かかります。受け取りまでの間は 申請していることを証明する書類(郵便局で受け取った書類、参照ナンバーの書かれた書類など) がPermesso di Soggiornoの代わりになりますので、特にイタリア国外へ出る必要がある人は気をつけて下さい。
  1. 必要書類を揃えよう
  2. 申請に必要な書類を揃える。不備があると面倒。 何度も確認。特に受入先に頼む必要のあるものは早めに
    滞在許可証をもらうのに必要な書類一覧
    1. 応募キット
    2. パスポートの全ページのコピー
    3. 労働許可書(Nulla Osta)のコピー
    4. 雇用に関する書類のコピー
    5. 前年度のPermesso di Soggiornoのカードのコピー(更新時のみ)
    6. 16 euro分のMARCA DA BOLLO(収入印紙) (2016年10月現在)
    7. 申請費+郵送費 etc. 150 euroほど(2016年10月現在)
    8. 4枚の顔写真
    応募キットは郵便局でもらえます。Nulla Ostaはビザ申請時に使用したもので、更新時は移民管理局から毎年新しいものをもらいます(受け取りに行けと研究機関の事務から言われるはず...)。雇用に関する書類は研究機関の事務が持っているはずなので、「滞在許可証の申請に必要な書類を用意してくれ」と頼むと良いと思います。
  3. 応募キットの作成
  4. 応募キットは郵便局でもらえます。銀行や郵便とは異なるカウンターで取り扱っています。 イタリア語がわからなくても、「Permesso di Soggiornoの...」といえば局員さんはわかってくれました。 応募キット自体は無料でもらえます。封筒の中に応募用紙と説明書が入っています。 すべてイタリア語で書かれています。 応募用紙はModule1とModule2から構成されています。 作成後も封はしないでください!局員さんが中身の確認をします。

    Module 1
    主に個人のデータを書く欄(Sezione 1-12)で構成されています。記入は黒ペンで。 必要そうな所を解説。ただ、必ず研究機関の事務に問い合わせた方が良いです。 単身者用。

    SEZIONE 1 - DATI DELLA RICHIESTA (データの要求)
    3. COGNOME パスポートに書かれた姓
    4. NOME パスポートに書かれた名
    5. PROVINCIA DI DOMICILIO 居住している地方の略名
    6. COMUNE DI DOMICILIO 居住地
    7. RICHIEDE IL: 該当する項目(8-17)に×でチェック。RILASCIO(発効)かRINNOVO(更新)かなど、さらにPERMESSO DI SOGGIORNO(滞在許可証)にチェック
    18. NUMERO PERMESSO / CARTA DI SOGGIORNO IN POSSESSO O DI RIFERIMENTO 前年度の滞在許可証を持っている場合は、その番号
    19. CODICE TIPOLOGIA CARTA / PERMESSO DI SOGGIORNO IN POSSESSO O DI RIFERIMENTO 18の書類を表す番号
    20. DATA DI SCADENZA DEL PERMESSO 18の書類の有効期限

    SEZIONE 2 - DATI SULL'ISTANZA COMPILATA (本応募書類に関するデータ)
    22. INDICARE QUALI MODULI SONO STATI COMPILATI 記入したモジュールにチェック。モジュール1,2両方提出するので、両方に×をつける
    25. INDICARE IL NUMERO TOTALE DI FOGLI 提出する書類の合計枚数。モジュール1,2+パスポートのコピー+...
    26. INDICARE IL NUMERO DICHIARATO DI FIGLI A CARICO 扶養家族に関する書類の数
    28. DATA 郵便局へ応募書類を出す日付
    29. FIRMA 署名

    SEZIONE 3 - DATI ANAGRAFICI (個人データ)
    31. CODICE FISCALE (OVE IN POSSESSO) 与えられたCODICE FISCALEを記入
    32. STATO CIVILE 結婚しているかどうか
    33. SESSO 性別
    34. NATO/A IL 生年月日: 日(gg)/月(mm)/西暦(aaaa)の順番に記入
    35. CODICE STATO NASCITA 生まれた場所。日本=JPN
    36. CODICE STATO CITTADINANZA どこ市民。日本=JPN
    37. RIFUGIATO 難民かどうか
    38. CITTA' DI NASCITA 本籍地

    SEZIONE 4 - DATI DOCUMENTO DI IDENTITA' (IDのデータ)
    40. PASSAPORTO パスポート。これを選びのが無難でしょう
    44. NUMERO パスポートなら、旅券番号
    45. VALIDO SINO AL そのIDの有効期限
    46. RILASCIATO DA そのIDはどこで発行されたか。パスポート以外を選んだ場合は記入が必要

    SEZIONE 5 - DATI VISTO (VISAのデータ (2年目以降は記入する必要無し))
    48. DATA DI INGRESSO IN ITALIA 入国日。日(gg)/月(mm)/西暦(aaaa)の順番に記入
    49. FRONTIERA 入国した都市
    50. NUMERO VISTO VISAの番号。VISAに書いてあるやつ
    51. TIPO VISTO VISAのタイプ。VISAに書いてあるやつ
    52. INGRESSO SINGOLO エントリー回数がsingleかどうか。VISA申請時にOneとかMultipleとか選んだやつ。VISAに書いてある。Multipleならsingleでない
    53. INGRESSO MULTIPLO エントリー回数がMultipleかどうか。そうならこちらをチェック。
    54. ANNOTAZIONI/MOTIVO DEL VISTO DI INGRESSO 何のためのVISAか。VISAに書いてある
    55. DURATA DEL VISTO VISAの有効期間。VISAに書いてある。「365」など
    56. VALIDO DAL VISAの有効期間開始日。VISAに書いてある。日(gg)/月(mm)/西暦(aaaa)の順番に記入
    57. SINO DAL VISAの有効期間満了日。VISAに書いてある。日(gg)/月(mm)/西暦(aaaa)の順番に記入


    SEZIONE 7 - RECAPITO IN ITALIA DEL RICHIEDENTE (申請者のイタリアでのアドレス)
    66. PROVINCIA 住んでる都市を示す記号を記入
    67. COMUNE 住んでる都市の名前
    68. INDIRIZZO 住所(通りの名前だけ)
    69. NUMERO CIVICO 住所にある番号(番地てきな)
    72. CAP 郵便番号
    73. INDIRIZZO E-MAIL (FACOLTATIVO) E-mailアドレス(オプション、必須では無い)
    74. TELEFONO FISSO IN ITALIA (FACOLTATIVO) 固定電話の番号(オプション)
    75. TELEFONO CELLULARE IN ITALIA (FACOLTATIVO) 携帯電話の番号(オプション)

    Module 1には16 euro分のMARCA DA BOLLO(収入印紙)を貼る欄があります。まだ貼らないでください。提出時に郵便局で局員さんが貼ります。 MARCA DA BOLLOはTabacchi(タバッキ)で買うことができます。 家族も連れてきている場合はさらに記入が必要なSEZIONEがあります。
    (updated on 2017.01.31)

    Module 2
    主に雇用データについて書く欄(Sezione 1-6)で構成されています。 記入は黒ペンで。 必要そうな所を解説。ただ、必ず研究機関の事務に問い合わせた方が良いです。
    SEZIONE 1 - 仕事の種類
    6. ALTRO その他。ここにチェック
    9. A TEMPO DETERMINATO 一時的。任期ありといった意味合い。ここにチェック
    13. DURATA GIORNI 働く期間。毎年度更新だと365
    19. MANSIONE SVOLTA どんな仕事か。RICERCA SCIENTIFICA (科学研究)
    (updated on 2017.01.31)

  5. 応募キットの郵送
  6. この段階で必要なものまとめ
    1. 応募キットと記入済み応募用紙 (まだ封はしない)
    2. パスポートの全ページのコピー
    3. 労働許可書(Nulla Osta)のコピー
    4. 雇用に関する書類のコピー
    5. 前年度のPermesso di Soggiornoのカードのコピー(更新時のみ)
    6. 16 euro分のMARCA DA BOLLO(まだ貼らない) (2016年10月現在)
    7. 申請費+郵送費 etc. 150 euroほど(2016年10月現在)
    応募用紙の準備ができたら郵送を郵便局に頼みます。申請費以外は応募キットの封筒へ入れておきましょう。局員さんが中身の確認をします。 申請費は年によって変わるようです。
    確認ができたら、移民管理局への予約を取ってくれます。その日時は郵便局を訪れた日から3-4週間後になります。
  7. 移民管理局へ その1 --書類確認と指紋採取--
  8. この段階で必要なものまとめ
    1. 応募用紙郵送時にもらった用紙
    2. パスポート
    3. 前年度のPermesso di Soggiornoのカード (更新時のみ)
    4. 4枚の顔写真
    5. 他応募キットに同封した書類の原本をもっていくと良い
    上にまとめたものを持って、指定の時間に移民管理局へ。しかし待つ。かなり待つ。やっと呼ばれたと思えばイタリア語しか話せない局員がなにやら手続きをしてくれます。この時指紋を取られます。
  9. 出来上がるのを待つが...
  10. 滞在許可証の準備ができたかどうかを携帯電話で調べることができるサービスがある...らしい。 というのも一部の地域を除くと書いてある。そしてジェノバはその一部の地域なのであった。
    ジェノバでは(なぜか)警察署まで行き、掲示板で確認しなければならない。自分の番号がなければ出直しである。準備ができていればその場で移民管理局訪問の予約ができる。(2017年1月現在)
  11. 移民管理局へ その2 --Permesso di Soggiornoの受取--
  12. 予約を取った日時に合わせて移民管理局へ。やはり待つ、そして滞在許可証カードの受け取り。お疲れ様でした。
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