PID

Feedback system for GR/LAS Spectrometers


PID Feedback System Implemented in wsmag

wsmagにはPID制御と呼ばれるフードバックシステムが 組み込まれています。これは電源を制御する事により、磁場を 所定の値に変更・維持するシステムです。

PID制御は、P(Propotional)、I(Integral)、D(Differential) の3つの成分からなります。wsmagに組み込まれているものは、 応答の安定性を重視し、D成分の無いPI制御です。

フィードバックシステムは、

といったもので特徴付けられます。一般に応答速度と 応答精度は相反します。応答速度を重視すると、系の 応答は振動的となり、応答精度を上げる事ができず また安定度も犠牲となります。

応答精度を議論する際に気をつけるべき事柄に、 制御対称自身の精度が挙げられます。例えばGR-D1 の電源(P-D1)の電流設定精度は0.01Aです。1Tに 対応する電流が266Aですので、磁場の精度としては 0.04mT(4x10-5)となります。

以上の事を考慮し、wsmagに組み込まれている フィードバックシステムでは、

を満たす様、PID制御の成分(P及びI)が調整されています。

調整の結果、磁石及び変化量に依存しますが、概ね 5-6分の応答速度で上記応答精度が達成されています。 以下にフィードバックが組み込まれている4つの電磁石 について、PID制御を用いた場合の応答を示します。

GR-D1
GR-D2
GR-DSR
LAS-D
図からも分かる通り、系は要求した応答精度の範囲内では 振動していますが、これは応答の高速性を要求した結果です。 振幅は時間と共に減少し、最終的には0.01mT程度となります。

wsmagにはフィードバックを解除するボタンが設けてあります ので、必要に応じて解除して下さい。

フィードバックシステムは決して万能ではありません。上記の 様な特徴を踏まえた上で、効果的(解除を含む)に使用して下さい。


Correspondence

Dr. Tomotsugu Wakasa
Research Center for Nuclear Physics (RCNP), Osaka University
Mihogaoka 10-1, Ibaraki, Osaka 567-0047, Japan
Phone: +81-6-6879-8935, Fax: +81-6-6879-8899
e-mail: wakasa@rcnp.osaka-u.ac.jp
URL: http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/

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