エキゾチック原子・原子核

エキゾチック原子(核)とは?〜中間子原子・中間子原子核〜
 原子では、正の電荷を持つ原子核の周りに負の電荷を持つ電子が、クーロン力で束縛されています。そこで、負の電荷を持つけれども電子とは別の粒子(ここでは主に中間子)を束縛させたものを、エキゾチック原子(中間子原子)と呼びます。また、それがクーロン力ではなく原子核を構成する力でもある強い相互作用によって原子核に束縛されているものを、エキゾチック原子核(中間子原子核)と呼びます。

どうやって作る? ~missing mass 分光編~

[step 1] 加速された粒子を、標的原子核に衝突させ、
[step 2] 核反応により目的の中間子を作り出し、
[step 3] 出てくる粒子のエネルギー・個数を計測する。

どこで出来る?
適切なエネルギーの入射粒子を作り出す為には、大規模な加速器が必要です。日本では、兵庫県の SPring-8 で 2.3GeV の光子が利用できる他、現在 KEK (高エネルギー加速器研究機構)と日本原子力研究所との共同で大強度陽子加速器プロジェクト(J-PARC) が進行中で、茨城県に大規模な加速器が建設されており、様々な新しい発見が期待されています。

何が分かる?
このようなエキゾチックな状態を人工的に作ることで、粒子の有限媒質中での振る舞いや、原子核の間に働く相互作用を調べることが出来ます。それによりカイラル対称性を始めとする、様々な物理を明らかにしていくことを目指しています。