日 時 : 2006年7月13日(木)-14日 (金)

          場 所 : 大阪大学核物理研究センター

          テーマ:

           理研の実験グループによる113番元素生成の報告は記憶に新し い。
          一方、ドゥブナグループは、116番元素などさらに原子番号の大 きな
          元素を生成したと報じている。更に大きな原子番号をもつ元素の生成も
          計画されている。関連した理論的研究も進展し、揺動散逸動力学理論
          などによる反応断面積の予言もなされるようになった。超重核の構造や、
          原子番号が100を越える重い元素の化学的特性の研究も着実に進 んでいる。

           しかしそれらの先駆的な研究の一方、未解決のまま残されている問題 も、
          新たな課題も多い。実験面では、GSIの実験で確立された原子番号が112の
          元素より大きな元素は、確定までに、更なる研究が必要である。例えば、
          ドゥブナのデータは崩壊連鎖が既知の領域に達していない。理論面では、
          揺動散逸動力学理論の中心的パラメターである摩擦も、拡散過程の特性も
          十分理解したとは言えない。また、高温で成り立つ古典拡散理論の適用
          限界についても検討が必要であり、量子拡散過程の観点からの理論の
          再構築もなされつつある。

           本研究会は、超重元素を中心とした重元素の生成、構造、崩壊に関して、
          実験・理論両面からの研究の現状について包括的に議論をする場を設け、
          それぞれの今後の展開に資すると共に、大きな核物質系の動力学という
          新しい分野を開くことを目指すものである。 

           研究会で議論する中心的なテーマとしては

          ・超重元素および重元素の生成に関する実験的研究の現状と課題
          ・理論の課題と新展開
          ・原子核系の摩擦
          ・核分裂から学ぶもの
          ・巨大原子核の形成と冷却崩壊過程
          ・超重元素および重元素の構造及び化学

           などを考えている。

                  世話人 :
                  滝川 昇(東北大学)、阿部 恭久(RCNP)、
                  森田 浩介(理研)、鷲山 広平(東北大学)

                  連絡先:
                  鷲山( washi@nucl.phys.tohoku.ac.jp )