共鳴
原子核の状態で、なかなか理解しにくく、いつも描像を忘れがちなものが共鳴状態である。なぜわかりにくいかといえば、共鳴の説明の仕方がいろいろあり、混乱するからだと思われる。さらに、それら別々の説明が、結局同じこと言っているのか、違うことを言っているのか、よくわからないということがある。 まず、ざっくりとした説明をすれば、共鳴は状態のひとつである。共鳴状態とも言う。束縛状態ではなく、非束縛状態であり、崩壊して、粒子を放出する。ただ、崩壊はするが、ある程度寿命を持っており、その意味で準安定状態である。つまり、原子核の構成粒子である陽子と中性子が一定時間だけ閉じ込められている必要がある。言い換えると、構成粒子の波動関数が空間的に共鳴状態の中に多く存在する必要がある。共鳴状態を作る際に、状態のエネルギーを変えると、波動関数の増大が見られ、反応断面積も大きくなる。この波動関数の増大か、反応断面積の増大から共鳴という名前がついたと推察される。