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2017/12/28

アクティブ標的 CAT-M 完成

2016年から科研費(16H06003)の補助を受けて開発を進めてきたアクティブ標的 CAT-M が完成しました。

2017年12月28日に放射線医学総合研究所においてコミッショニングが完了し、性能評価に必要なデータの取得を行うとともに従来の10倍の測定効率が得られることが分かりました。

アクティブ標的は従来困難とされてきた小さな運動量移行の散乱を、効率よく測定することができる装置です。 世界中で建設が進められており、我々もアクティブ標的 CAT-S を用いた原子核散乱実験を行っています。

CAT-S では毎秒100万個のビームを照射することができる技術を確立することに成功しましたが、有効標的厚が5cm、検出器としての有効体積が10cm x 10cm x 20cm と比較的小型でした。 我々は実験を効率よく進めるためCAT-Sの10倍の効率を持つCAT-Mの建設を2016年に開始し、2017年12月に完成しました。

同月、原子核ビームを実際に照射する実験を放医研において行い、アクティブ標的としての性能評価を行いました。その結果、CAT-M 内部での原子核散乱の様子を記録することができ、 10倍の効率を持ちうることが証明されました。今後は CAT-M を用いた物理学実験を進める予定です。

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