NestDAQをインストールするには、以下のGitHubのインストールのページを参考にすれば良いが、比較的玄人向け、もしくは開発者向けのインストール方法の説明になっている。
そのため、ここでは簡略化されたインストール方法を記述する。ライブラリのバージョンを切り替えて NestDAQ の動作検証などを行いたい場合は、公式のインストールのページを参照する。
インストールを行う環境は2024年9月30日時点で最新の AlmaLinux 9.4 を想定する。AlmaLinux 9.X であれば、ほぼ同じインストール手順になるはずである。AlmaLinux 9.4 の環境としては、サーバー環境として Graphical User Interface (GUI) がなくてもインストールできるがずであるが、GUIがあると便利であるため、GUI 環境のインストールを仮定する。さらに、言語は英語 (US) を仮定する。また、NestDAQ に必要なパッケージは以下である。
さらに、nestdaq-user-impl では、以下のパッケージが必要になるため、これもインストールしておく。これらがないと、コンパイルは通るが、非常に分かりづらい実行時エラーとなる。
パッケージをインストールするには、sudo dnf install zstd libzstd-devel bzip2-devel などとする。現在インストールされているパッケージを確認する場合は、dnf list といったコマンドがある。このあたりのコマンドは、Google で調べれば出てくるはず。
NestDAQ のインストールでは管理者権限 (いわゆる root 権限) は必要なく、どのディレクトリにインストールしても構わない。ただ、いくつかのスクリプトでは、ディレクトリのパスをベタ書きしているところがあるため、他のディレクトリにインストールを行うと、修正項目が増える場合がある。2024年9月30日以前のインストール先は実験毎に変わっている場合があったが、本マニュアルでは spadi アカウントを作成し、ホームディレクトリ以下にインストールを行うことを推奨とする。
/home/spadi/
ちなみに、2024年9月30日以前は nestdaq アカウントを作成し、/home/nestdaq ホームディレクトリ以下にインストールする場合が多かったが、SPADI Alliance のさまざまな活動により nestdaq に限らず、他のソフトウェアを利用することが増えてたため /home/nestdaq ディレクトリではなく、spadi アカウントをデフォルトとし、これを推奨とする。また、公式の NestDAQ のスクリプトも順次 /home/spadi に対応させていくと良いと考えられる。
NestDAQを使う場合、いくつかのライブラリが必要であるが、そのバージョンを切り替えて試したい時がある。そのような場合、ライブラリのバージョンに応じてインストール先を変えて用意しておき、ライブラリのリンクを変えることで、異なるライブラリを用いた動作確認を行う。ただ、Linuxにおけるリンク方法の知識が必要であるため、本マニュアルでは、慣れない人向けにより簡単なインストール方法を説明をしている。その代わり、異なるライブラリを試したい場合は、いちいちバージョンの異なるライブラリをインストールする必要があるだろう。