(執筆完了時削除 --> 執筆責任者: 洲波泥 太郎, 執筆締め切り: 2024/xx/xx)
ここでは、DAQシステムを動かす上で最低限理解しておきたい AMANEQ の概要を説明する。さらに、AMANEQ関連情報へのリンクを示す。詳しい情報は各リンクを参照のこと。
AMANEQ は連続読み出し DAQ システムにおけるロジック信号、特に時刻情報 (TOT (Time Over Threshould) データ) を処理することを想定して開発された汎用ボードである。1 つのボードに主メザニンスロット 2 つを搭載し、ここに異なる種類のメザニンカードを装着することで、異なるアプリケーションに対応する。1 つの実験において 1 枚または複数のボードを使うことを想定しており、複数のボードを使用する場合、ボード間の時刻同期と通信のため、MIKUMARI 技術を用いる。一方、読み出しチャンネルが少なく、ボードが 1 枚で済む場合、MIKUMARI は使わず、スタンドアロンモードで運用する。現状では Low Resolution TDC (LR-TDC) 用のメザニンカードと High Resolution TDC (HR-TDC) 用のメザニンカードがあり、このメザニンカードと FPGA の Firmware を切り替えることで、LR-TDC または HR-TDC として利用可能である。現状では、連続読み出し TDC の Firmware として LR-TDC と HR-TDC 用の 2 つが存在し、これらは TOT 情報を連続読み出しすること目的として開発されたものである。データの通信には SiTCP または SiTCP-XG がFPGAのネットワークプロセッサとして使われている。
AMANEQ の開発では、前身の Hadron Universal Logic module (HUL) の開発で培われたノウハウが転用されており、AMANEQ は HUL の後継機という側面も持つ。ただ、HUL はトリガー型 DAQ 用に開発された一方で、AMANEQ は当初から連続読み出し DAQ を想定し、より大量のデータを処理することを念頭において開発されていることが異なる点である。AMANEQ は KEK INPS の本多良太郎ら中心となって開発された。
AMANEQ では LR-TDC と HR-TDC という 2 つの Firmware が存在するが、これらのセットアップと運用には異なる部分があるので注意されたい。以下、相違点を挙げる。
LR-TDC | HR-TDC | |
ネットワークプロセッサー | SiTCP | SiTCP-XG |
利用されるデータ通信規格 | 1 Gbps | 10 Gbps |
利用する光モジュールの規格 | SFP | SFP+ |
Default IP アドレス | 192.168.10.16 | 192.168.10.10 |
AMANEQ のデータ通信用の光モジュールを選定する場合、LR-TDC と HR-TDC で用意するものが異なる。すなわち、光モジュールとして LR-TDC では SFP モジュールを選定し、HR-TDC では SFP+ モジュールを選定する。これは、利用しているネットワークプロセッサがそれぞれ SiTCP と SiTCP-XG を利用しているからである。また、SiTCP および SiTCP-XG ではオートネゴシエーションなどの機能が省かれているようで、光モジュールは速度固定のものを用いる方が問題が起きにくい。例えば、AMANEQ に LR-TDC のファームウェアを入れた際に、10/100/1000 Mbps のオートネゴシエーション機能搭載の SFP to RJ45 モジュール (10Gtek 10/100/1000Base-T オートネゴシエーション SFP to RJ45, https://amzn.asia/d/4kJwJq9) をデータ通信用に利用しようとしたが、通信できなかった。一方 1000 Mbps 速度固定の SFP to RJ45 モジュール (10Gtek 製 https://amzn.asia/d/4HVDD22) は問題なく利用できた。また、SFP モジュールと SFP+ モジュールは互換性がある場合があるが、AMANEQ で使用する場合は LR-TDC (SiTCP) と HR-TDC (SiTCP-XG) で利用する場合。
MAC アドレスをデフォルトから変更したい場合は、Bee Beans Technology から SiTCP のライセンスのライセンスを購入する必要がある。一方で、閉じたネットワーク内で、デフォルトの MAC アドレスを利用できるのであれば、SiTCPのライセンス購入をしなくても利用することはできる。
AMANEQ の各ファームウェア、レジスタ設定を行うソフトウェア、さらにAMANEQが送り出すデータフォーマットについてもその概略を説明する。
2024/xx/xx 洲波泥 太郎 (SPADI大学), 脱九 花子 (SPADI大学)
2024/xx/xx 脱九 花子 (SPADI大学)