AMANEQ 初回電源投入時の作業のインストラクションを記述する。
AMANEQ は GND からダンボールに梱包された状態で配送され、納品される。(業者によっては直接納品するということもあるが、GNDは基本宅配便で配送のようだ。)通常、ダンボール内に伝票 (見積書、納品書、請求書) が同封されているので、忘れないうちに所属機関の手続きに則って、速やかに伝票処理を行うのが良いだろう。SiTCP、もしくは SiTCP-XG のライセンスを同時に購入している場合、ライセンスのファイル (*.mpc もしくは *.mpcx ファイル) とライセンスのリストの pdf ファイル書き込まれた CD-R ディスクも同梱されている。昨今、CD-ROM ディスクを読み取るデバイスが身近にない場合があるため、ライセンスが納品されたら CD-ROM reader をどこからか調達して、中身を読み出し、クラウド上にアップロードしておくのがお勧めである。(昨今の状況に合わせて、CD-Rではなく、USB メモリやメール、クラウド経由で情報を送って欲しいところではある。)
AMANEQ の board 本体の FPGA にはなにも書き込まれていない状態で納品される。そのため、電源を投入しても LED が光ることはなく、消費電力も 0.1 A 程度と小さい。
DIP スイッチの初期設定は DIP1 - DIP4 がすべて 1 (OFF) の状態になっている (以下の写真参照)。(ちなみに、これは 2024 年度納品の AMANEQ v4 の場合。今後変わることもあるかもしれない。)
ジッタークリーナーを設定するため、まず AMANEQ の skelton ファイルの bit ファイルを書き込む。(mcs ファイルを書き込んでも良いが、bit ファイルは書き込み時間が短いため、こちらの方が効率的である。)Mezzanine board は取り付けない。特に HR-TDC 用 Mezzanine board は FPGA が載っており、変に繋がると想定しないことが起こる可能性があるため、取り付けないのが無難である。 DIPスイッチは以下の写真のように、 DIP1: 0 (ON), DIP2: 1 (OFF), DIP3: 1 (OFF), DIP4: 1 (OFF) としておく。
AMANEQ ボードに SFP モジュール (1 GbE 用のもの) を挿して、光ケーブルをネットワークスイッチ、もしくはコンピュータに繋ぐ。ここで、10 GbE 用の SFP+ モジュールを挿しても通信できないので注意する。さらに PC と AMANEQ ボード を FPGA downloader で接続する。その後、AMANEQ に電源を投入する。AMANEQ の電源は直流安定化電源で 35 V をかけるか、24V - 1A 程度の AC - DC アダプター (外径 5.5 mm - 内径 2.1 mm DC ジャック、センタープラス) を繋ぐ。直流安定化電源で 35 V の電圧をかける場合、徐々に電圧をあげることはせず、一気に 35 V をかけないとヒューズが飛ぶので注意する。
skelton bit ファイルは
https://github.com/spadi-alliance/AMANEQ-Skeleton
の bit ディレクトリの最新版 (2024/12/26時点で amaneq-skeleton-v2.2.bit) をダウンロードしてきて、任意の場所に保存。コンピュータで Vivado を開いて、bit stream を書き込む。数秒で書き込み完了。これで、SiTCP の Default IP: 192.168.10.16 で接続可能になる。LED は 以下の写真のように、
DONE と LED2 が点灯する。AMANEQ User Guide の Skeleton の項目を参照すると
LED2 の点灯は "MMCMのロック状態です。点灯していればファームウェアは正常に動作しています。"とのこと。ちなみに、bit stream ファイルを書き込んだ状態で AMANEQ ボードのリセットスイッチを押しても大丈夫であり、引き続き IP: 192.168.10.16 でアクセスできる。リセットスイッチの場所は、board の上の方の SFP2 スロットの隣にあり、以下の写真の赤枠の場所である。
ネットワーク越しに端末から以下のように PING コマンドで通信できることを確認。
$ ping 192.168.10.16
また、一応、AMANEQ の光ファイバーケーブルを抜いてみて ping 192.168.10.16 とし、通信できなくなることを確認しておく。同じネットワーク内に他に IP: 192.168.10.16 のデバイスがあれば、引き続きPINGが通ってしまうだろう。 PING が通ることを確認したら、
$ <hul-common-lib ディレクトリ>/install/bin/set_cdce62002 192.168.10.16 in_125_out_500_125
とする。ここで、<hul-common-lib ディレクトリ> は hul-common-lib をインストールしたディレクトリ。set_cdce62002 コマンドの引数は 2025年2月21日の時点では in_125_out_500_125 以外を設定することはないようだ。以下、出力結果。
$ ./set_cdce62002 192.168.10.16 in_125_out_500_125 #D: CDCE62002::GenSpiTxdReg0() 0x52080150 #D: CDCE62002::GenSpiTxdReg1() 0x8f81c081 #D : CDCE62002::ReadReg() 0x52080150 #D n-th : data (MSB --- LSB) 00000000 : 01010010000010000000000101010000 52080150 #D : CDCE62002::ReadReg() 0x8f81c081 #D n-th : data (MSB --- LSB) 00000000 : 10001111100000011100000010000001 8f81c081
ちなみに、コマンドの Usage は引数なしで実行すると見られる。
$ ./set_cdce62002 Usage set_cdce62002 [IP address] [Pre-defined setting] ### Pre-defined settings.### (in_XXX_out_YYY_ZZZ : Input XXX MHz, Out0 YYY MHZ, Out1 ZZZ MHz) - in_100_out_250_50 - in_100_out_500_100 - in_125_out_500_125 - in_125_out_625_125 - in_50_out_250_50 - in_75_out_375_75
Jitter Cleaner の書き込みが終わると、以下の写真のように、DONE, LED1, LED2 が点灯する。
ジッタークリーナーの設定を行ったあとは、SiTCP もしくは SiTCP-XG のライセンスファイルを書き込み、MAC アドレスの設定を続けて行ってしまうのがお勧めである。さらに、次の項目の IP address の設定を行うのが良いだろう。High Resolution TDC (HR-TDC) と Low Resolution TDC (LR-TDC) の場合で手順が若干異なるので注意する。MIKUMARI Primary, MIKUMARI Hub は LR-TDC の場合と同じになる。以下、それぞれの場合の設定方法について記述する。
使用する AMANEQ ボードに High Resolution TDC (HR-TDC) の firmware を書き込んで利用する予定である場合、SiTCP-XG のライセンスファイル (*.mpcx) を書き込む。
$ ping 192.168.10.10ここで、PING を通す場合、自身のコンピュータのIPアドレスが同一ネットワークにある必要がある。
Low Resolution TDC (LR-TDC), MIKUMARI Primary, MIKUMARI Hub の firmware を書き込んで利用する場合、SiTCP のライセンスファイル (*.mpc) を書き込む。
さらに、IP address の設定を行う。