紅茶ノート
茶葉の種類
スリランカ産(セイロン茶, Ceylon. スリランカの旧名)
以下の Ceylon five kinds が代表的。茶園・工場の標高位置によって high grown, medium grown, low grown に分類される。
ウバ (Uva, high grown)
飲み方: ストレート・ミルク
世界三代銘茶のひとつ。
適度な爽快な渋みを伴う深い味わいと、バラやスズランの花香(またはサロメチール様香気)の
甘い刺激的な「ウバフレーバー」が特徴。苦手な人もいる好みの別れやすい紅茶。
珍重され高値が付く。明るい真紅色の水色が特徴。
上級種はストレートティーとして香りを楽しむことが多いが、ウバ茶一般としてはミルクとの
相性がよくミルクティーとして楽しまれることも多い。
ディンブラ (Dimbula, high grown)
飲み方: ストレート・ミルク・アイス
香味は吐出したところがなく、典型的な正統派のセイロンティー。
バランスが良くブレンドやアレンジに向いている。
ヌワラ・エリヤ (Nuwara Elliya, high grown)
飲み方:
独特の渋みと高貴な香り。自生するユーカリやミントが紅茶の樹に風味を加えることで
清涼感のある若々しい味になる。
キャンディ (Kandy, midium grown)
飲み方: ストレート・ミルク・レモン・アイス
渋みは少なく香りは控えめ。ストレート・ミルク・レモン・アイス等あらゆる飲み方ができる。
フルーツやハーブ等をいれたバリエーションティーにも向いている。
水色は輝きのある紅色で冷めても濁り(クリームダウン)が起きにくいためアイスティーに最適。
ルフナ (Ruhuna, low grown)
飲み方: ミルク
低地で気温が高いため葉の成長が良く high grown のものより 1.5 から 2倍大きくなる。
しっかりとした濃い赤茶色の水色と濃厚な味わいが特徴。
上質なルフナ茶は独特のモルティーさ(カラメルのような麦芽香)と
舌に転がる黒糖のような甘みに加えてセイロンティーならではの
すっきりとした後味がある。ミルクティーによく合う。
インド産
アッサム (Assam)
飲み方: ミルク
インド北東部のアッサム地方で作られる。水色が濃い茶褐色でコクが強いため、
ミルクティーとして飲まれることが多い。チャイ用として細かく丸まった
CTC製法
で製茶されたものが多く出回る。
ダージリン (Darjeeling)
飲み方: ストレート
世界三代銘茶のひとつ。水色は薄いが特に格別な香味を持つため、ストレートで飲まれることが多い。
以下の3つの収穫期に応じで風味が異なる。
- ファーストフラッシュ(春摘み)
若々しい爽やかな香りが特徴。「青臭い」「薄い」と言われることもあり、賛否両論らしい。 - セカンドフラッシュ(夏摘み)
ダージリンのクオリティシーズン。マスカルテルフレーバーを有するとされ、熟成した 味と香りが楽しめる。他の収穫期と比べて高品質とされ、高値で取引される。 - オータムフラッシュ(秋摘み)
中級品とされ比較的安価で入手できる。香りは少々劣るが、比較的濃厚で丸みを帯びた味が 特徴。ミルクティーにも合うとされる。
ニルギリ (Nilgiri)
飲み方: ミルク・レモン・スパイス
ほとんどがCTC製法で加工される。インド茶特有の甘く深いコクと、セイロン茶風の
爽やかさが同時に味わえる。
水色は濃く明るい橙色。レモンティー・ミルクティー・スパイスティーなどに適している。
ドアーズ (Dooard)
飲み方: ミルク
水色は濃橙色。強い渋みはなくコクのある味だが香気に劣る。ミルクティー向き。
シッキム (Sillim)
飲み方:
ダージリンに似るが渋みが弱めでコクがあるといわれる。
その他の産地
祁門(Keemun,キームン・キーマン,中国)
飲み方:
水色は鮮やかな赤。渋みは穏やかで柔らかくほのかな甘みがある。
ケニア茶(ルクリリ)
飲み方:
ブレンドの種類
イングリッシュ・ブレックファスト
飲み方: ストレート・ミルク・アイス
アッサム・セイロン・ケニアのブレンド。
風味や香りが強くこくのある紅茶で、ミルクや砂糖と合うようにブレンドされたもの。
フレーバーティー (flavored tea)・ハーブティー等
アールグレイ (Earl Grey)
飲み方: ストレート・ミルク・アイス
ベルガモットで柑橘系の香りをつけた伝統的なフレーバーティー。キーマンやセイロン茶葉が多い。
チャールズ・グレイ伯爵(Charles Grey, 2nd Earl Grey)にちなむ。
レディグレイ
飲み方: ストレート・アイス
アールグレイのベルガモットに加えてレモンピールとオレンジピールオイルを加えたもの。現代の発明品。
チャールズ・グレイの妻マリー・エリザベス・グレイ(Mary Elizabeth Grey)にちなむ。
正山小種(ラプサン・スーチョン)
紅茶の茶葉を松葉で燻して着香したフレーバーティー。生産地は中国福建省武夷山市周辺。 松葉の薫香が正露丸の主成分であるクレオソートとほぼ同じのため、正露丸の香りがするらしい。
チャイ
狭義にはインド式に甘く煮出したミルクティー。世界的には茶葉に香辛料を加えたマサラ・チャイを指す。 前者は茶葉を少量の水で煮出して大量のミルクでさらに煮出して佐藤で味付けしたもの。 後者のマサラ・チャイではショウガのほか、カルダモン・シナモン・呼称・クローブなどの粉末が使われることが多い。
ジャスミン
カモミール
ルイボス (Rooibos,南アフリカ)
飲み方:
現地では rooibos tea, bush tea, イギリスでは redbush tea, South African red rea,
red tea 等と呼ばれる。
茶は紅茶の用に赤くほのかに甘みがある。カフェインを含まずタンニン濃度もごく低い。
等級(大きさと外観による分類)
オレンジ・ペコー(OP)
細かい針状の長い葉で、葉肉は薄く、しばしば橙黄色の芯芽(ティップ)を含む。 浸出した水色は明るく薄いものが多く、香味が強いのが特徴。
ペコー(P)
葉は太めてよく揉まれたもの。OPより短く、針状ではなく、芯芽はあまり含まれない。 水色はOPよりもやや濃い。
ブロークン・ペコー(BP)
BOPよりややサイズは大きく、芯芽を含まず形も扁平なものが多い中級品。 水色はやや弱く、主に増量用に使われる。
ブロークン・オレンジ・ペコー(BOP)
需要が最も多い。リーフスタイルのどの茶葉よりもサイズが小さく、最も多くの芯芽を含み、 よく揉まれている。水色も濃く、強く、香味も強い。
BOPファニングス(BOPF)
BOPよりも小型ではるかに水色は濃く早く抽出される。ブレンドに多用される上級品。
ファニングス(F)
扁平で小さなサイズ。ダストより大きい。
ダスト(D)
葉のサイズがもっとも小さいもの。
CTC
Crush, Tear, Curl の略。短時間で抽出できるように開発された製法で
茶葉は得量的な粒状。CTCは製法名のため CTC BOP のようにサイズに応じてその後にグレード名がつく。
その他用語
クリームダウン
紅茶に含まれるタンニンとカフェインが冷やされることで結合し白く濁る現象。 ゆっくり冷ますと起きやすいため、一気に温度を下げるのがよい。 タンニンの量が多いほど起きやすいため、良質な茶葉はクリームダウンが起こりやすい。 セイロンやキーマンは比較的タンニンが少なくクリームダウンが起きにくいためアイスティーに向く。
参考文献
[1] 日本紅茶協会
[2] 日東紅茶
[3] Wikipedia
[4] NAVERまとめ:意外と知らない【紅茶】の種類と特徴
[5] カレルチャペック紅茶店