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 2016年度
 飯舘村環境放射線研修

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浜通り研修は2016年度にパイロット計画という位置づけで始まりました。 学生10名、教員10名という小規模なものでした。

野外研修では、放射線をどの様に検出し、どのように放射性物質を同定するのかを学びました。

この研修のために日本原子力研究開発機構所有の屋外で使用できるGe検出器を借り、まず研修所内でガンマ線の測定を行いそのスペクトルを見ながら、どの様な放射性物質があるかを同定する方法を学んだうえで、飯舘村の沼平 地区へ行き、放射線がどの様に変化しているのかを現場で確認しました。この日は雨が降っていたため異なった場所での放射線の違いは2カ所のみの比較となりましたが、Cs-137等からの放射線強度の大きな違いを学生が目のあたりにしました。日本原子力研究開発機関には装置の貸し出しだけではなく装置の使用のために何人かの方達に福島まで来て頂き感謝しています。

阪大の研究グループでは3/11事故以来の追跡研究の一つとして飯舘村の2カ所の山を借り、毎年春と秋に葉の採取を行い、どれくらい放射性物質が木に吸い 上げられるかの調査を続けています。2日目の研修ではこの調査に参加する形で、木の葉の採集を学生自身が実際に行いました。調査標本木からの葉の採取、その木の周りの空間線量や地面近くの線量の測定、採取場所のGPSによる記録、採取状況の記録などを学生が分担して行いました。これらの葉中の放射能については後日阪大で測定を行ますが、学生からその測定にも参加したいとの申し出があったので、測定時に参加できるようにしました。

学生一人一人が放射線モニターを持ち、各個人がリアルタイムで放射線量を見られるようにしました。これにより、場所の違いによる放射線量の増減などを目の当たりにすることができた。多くの学生が実際に放射線を感じることができたことを重要な体験であったと報告しています。例えば除染作業により高く積まれている除去土壌の山の近くでは確かに放射線レベルが増えることや、ホットスポットの有無などを個人の体験とすることができました。幸運にもこの日だけは天候が良く飯舘村の小宮地区、沼平地区の二カ所の山林から予定どおりの採集を行うことができました。個人放射線モニターは堀場製作所のご厚意で全員が持てるだけ借りることができ感謝しています。

最終日は午前中に福島駅の近くにある、福島県産業支援館コラッセ福島の会議室で討論会を行いました。討論のテーマは以下の3つです。

  • 1.この研究会を受けてどんな問題を感じたか?
  • 2.これから自分はこのような事態にどの様に関わることができると思うか?
  • 3.この研修会について感じたこと、改良点などがあるのか?
全員の学生から多くの議論が起こり有益な議論の会となりました。

問い合わせ先: iitate-seminar@rcnp.osaka-u.ac.jp

〒567-0047 大阪府茨木市美穂ヶ丘10-1

©2015 Research Center for Nuclear Physics, Osaka University