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ご挨拶

設立趣意書

1. 趣旨
 加速器の作り出す量子ビームは、本来の素粒子・原子核物理学の研究以外に、現代社会の課題解決のために様々な場面で応用されつつある。量子ビームによって作り出される放射性同位元素(RI)は、核医学を支え、急速に進化するガンマ線イメージング技術によるがん研究やアルファ線核医学治療に必要不可欠なものとなっている。特に難治性がんの新たな治療法として期待されるアルファ線核医学治療では、短半減期RI を安定かつ安全に製造できる技術が望まれるようになった。また、これまでは宇宙ステーションや宇宙探査衛星のような過酷な環境で動作する機器で議論されてきた宇宙線起源ソフトエラーは、モノのインターネット(IoT)の発展著しい現代において地上で用いる機器にとっても重要課題となり、量子ビームを用いた加速試験による評価と対策が急務になっている。アルファ線核医学治療を中心とした量子医学、社会混乱を未然に防ぐソフトエラー評価、高温超伝導技術を用いた大強度小型加速器、宇宙観測技術を応用した最先端放射線イメージング等の社会実装を促進し、豊かな健康長寿社会や安全な超スマート社会の実現の一翼を担う母体として本法人の設立を発起するものである。

2. 法人設立の目的
 新規RI 治療薬の実用化とソフトエラー評価法の国際標準化を目指し、産学官が連携して研究・開発を行う場を提供する。
 法人社員がそれぞれの技術を持ち寄り、相互に活用することで、安心・安全・スマートな長寿健康社会の創出を加速させることを支援する。
 短寿命RIアスタチン-211治療薬の開発研究を加速させるとともに、研究開発用ニーズの高いアクチニウム-225原料の海外機関からの輸入、国内機関への供給を当初目的として運営を開始する。
 量子アプリ共創コンソーシアム(OPERA事業)の存続期間中はこれと密接に協力し、その終了後には得られた共創技術の社会実装を目指す開発研究を加速させる存続事業として活動する。

3. 法人の運営方針
 会員企業・会員大学と密接に協力し、社会全体の利益に資することを目指す。
 公的研究機関を特別会員、それらと共同研究を実施する民間企業を通常会員、それ以外に当法人趣旨に賛同する個人及び法人を賛助会員として、理事を選出のうえ一般社団法人として運営する。

令和元年 8月22日

一般社団法人
量子アプリ社会実装コンソーシアム
設立代表者

中野 貴志

連絡先

量子アプリ社会実装コンソーシアム事務局
〒567-0047 大阪府茨木市美穂ヶ丘10-1
大阪大学核物理研究センター 本館2F
TEL : 06-6879-8924
Mail : ou-opera@rcnp.osaka-u.ac.jp