磁気分析器を用いた高分解能実験では、薄い自立型標的が欠かせない。
しかし、アルカリ金属やハロゲンの薄い標的は簡単には作れない。
通常これらはCや
Oに比べて
値が小さい。そこで、これらの
元素で構成されている有機物を補強材とすれば、アルカリ金属や
ハロゲンのアイソトープに対して
値の違いの分だけきれいなスペクトルが
得られるはずである。私は補強材としてポリビニールアルコール(PVA)
を用い、CaCl
とNa
CO
、K
CO
の薄膜を製作した。
この方法により、最終的に1-2 mg/cm
の厚さの薄膜が製作でき、
Na、
Cl、
Cl、
K、
K
に対する420 MeV の(
He,
)実験に使った。
標的でのエネルギー損失が小さいため、結果として25 keVという非常に良い
分解能が得られた。