核物理研究センターの紹介  >> 理念・目的

理念・目的

核物理研究センターは、全国共同利用研究施設として、大阪大学の中でも特色のある研究・教育の場を提供しています。国内のみならず、全世界の研究者との共同研究を通して、原子核物理と関連するサブアトミック世界、すなわち10のマイナス15乗メートル(一千兆分の一メートル)という極微の世界を支配する基本法則の解明を目標にした、基礎物理学の研究センターです。

原子核は物質形成の中核をなす基本的な構成要素であり、陽子や中性子(核子)の集合体として、様々な性質を見せています。さらに、核子はクォークを構成要素とし、その成り立ちは量子色力学によって説明されると信じられています。現在我々は、核子の大きさより百分の一程も小さな空間でクォークがどのように行動するか予言することが出来ます。2004年のノーベル物理学賞はこのことを解明した功績に与えられています。ところが、不思議なことに、少し大きくなって核子や原子核の大きさになると、クォークがどのように核子を作り、さらに原子核ができ上がっていくのかが良くわかっていません。クォークを閉じ込める、我々のまだ知り得ない強い力の性質が解明されていないからです。

核物理研究センターでは、大型の実験施設とスーパーコンピュータを有し、様々な角度からこの問題に取り組んでいます。その結果は、星の内部でおこる元素合成の解明や、宇宙初期の物質生成機構の解明に役立てることが出来ます。また、実用上の応用として放射線による半導体損傷の問題、生物・医療などで利用される放射性物質の製造などの基盤を与えることも出来ます。

リングサイクロトロン加速器では陽子を400メガ電子ボルトに加速し物質に当てることで、原子核内部の様子を、核子の大きさ程度の分解能で観察しています。品質の良い陽子ビームと世界最高分解能の計測装置を用いて、原子核の反応と構造についての知識を蓄積しています。
SPring-8のレーザー電子光施設では2ギガ電子ボルトの光を用いて、核子の内部10分1のところで、クォークがどのように行動しているかを探ります。高度に偏極された光と3次元解析が可能な粒子飛跡測定装置を用いて、世界最高水準のデータを取ることが出来ます。
大塔コスモ観測所では、周囲の電磁波・放射能を遮断し、原子核や宇宙線が引き起こすごくまれな、しかし基礎物理の解明には欠かせない核反応の観測を行なっています。
理論研究では、解析的な方法とスーパーコンピュータを使った数値解析を行ないながら、実験データと直接比較しながら物理現象の解明にあたっています。

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