CANDLES


宇宙 物質の起源を探る二重ベータ崩壊

2016年度

2016年06月08日  遮蔽システムが完成、中性子線源を用いた背景事象低減評価測定を行いました。

遮蔽システムが完成、中性子線源を用いた背景事象低減評価測定を行いました。

CANDLES III (地下)実験は2014年以降大きな改修を行いました。

なかでも最も重要なものが外部ガンマ線を遮蔽する構造物の追加です。 外部ガンマ線として主たるものとして40K, 208Tlがあげられ、 これらは鉛によって効率的に遮蔽できます。

一方、48Caのニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊のエネルギーの 背景事象となるガンマ線は岩盤内、あるいはステンレスタンク内の原子核に 中性子が衝突する反応から出てくるものです。 これらは同様に鉛で遮蔽するとともに、 元になる中性子自体を止めやすいホウ素を含んだゴムシートにより遮蔽します。

本日、CANDLES検出器の遮蔽システム(上下面)の構築が完了しました。 測定を開始するために、CANDLES検出器の心臓部である96個のCaF2結晶を、 検出器タンクの上部からクレーンを使って慎重にタンク内に設置しました。 その後タンクの蓋を閉め、さらにタンク上部にクレーンで鉛を設置し完了です。 これでCaF2結晶の周りの全方向を覆う遮蔽システムが完成しました。

その後、岩盤やステンレスタンクに中性子を当てて遮蔽の効果を確認する測定を行いました。


検出器の心臓部である96個のCaF2結晶をクレーンを使ってタンク上部からタンク内に入れているところです。

クレーンを使って検出器タンク上部の鉛を設置しているところです。安全第一。

検出器上部の鉛を全て設置し、シールド構築作業は終了しました。

タンク側面に中性子線源を置いた測定をしています。

同じ高さで中性子を岩盤に照射し、そこから出てくるガンマ線を測定しています。

中性子を岩盤のすぐわきで照射し、出てくるガンマ線のエネルギーをNaI検出器で測定しています。これによって岩盤に含まれる鉄やニッケルやケイ素の量を精度良く評価できます。