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*積分を用いたラザフォード散乱の微分断面積の計算 (教科書43ページ) [#eq373]
**概要 [#abst]
原子番号 Z2 の粒子に、原子番号 Z1, 質量数(~原子量) AM1 の粒子が、運動エネルギー T で入射したときの、ラザフォード散乱の微分断面積を、遮蔽半径を導入した上で、数値積分によって計算するプログラムです。
**プログラムファイル [#prog]
&ref(files/ruthscat_itg.f,ruthscat_itg.f); (ソースファイル)
&ref(files/rscatitg.cnt,rscatitg.cnt); (入力ファイル)
&ref(files/rscatitg.dat,rscatitg.dat); (計算結果)
&ref(files/rscatitg.outlist,rscatitg.outlist); (標準出力ファイル)
&ref(files/ruthscat_itg.exe,ruthscat_itg.exe); (実行形式ファイル: Windows7/10 64bit 版用)
**実行方法 [#howtorun]
実行ファイル名を ruthscat_itg.exe とします。コマンドプロンプトあるいはターミナルで
ruthscat_itg.exe < rscatitg.cnt
とタイプして Enter キーを押せば、入力ファイル rscatitg.cnt の内容に従って計算が行われます。環境によっては
./ruthscat_itg.exe < ./rscatitg.cnt
とします。正常に終了したら、0 あるいは stop 0 とターミナルに表示されます。
**入力ファイルの説明 [#input]
-L1-L6~
第2章で紹介した rscat.cnt と同様です。
-L7
Z1, Z2, T, AM1 を、それぞれ 10桁の F 型実数で指定します。
-L8~
遮蔽半径 RSCR, R に関する積分の最大値 RMAX, 積分の刻み DR を、それぞれ 10桁の F 型実数で指定します。単位は全て fm です。
-L9以降
第2章で紹介した rscat.cnt と同様です。
**出力の説明 [#output]
***rscat.outlist [#outlist]
標準出力ファイルです。入力値の他に、波数 K を出力します。
***rscat.dat [#dat]
左が散乱角 θ (単位: degree) で、右が微分断面積 dσ/dΩ (単位: mb/sr) です。
**注意点と補足 [#note]
数値積分は台形公式によって求めます。~
&ref(files/trapezoid.pdf,台形公式のノート);
**発展課題 [#exercise]
-計算結果を、第2章で計算した厳密解(遮蔽半径 → ∞ の極限に相当する解析解)と比較してみましょう。
-遮蔽半径 RSCR を大きくすると、計算結果は厳密解に近づきます。では、RSCR を 10.0 (fm) に変えてみてください。結果はどのように変化しましたか? その物理的理由は何でしょうか?
-遮蔽半径を 50.0 (fm) に変えるとどうなりますか? 結果が大きく変わったのはなぜでしょう? その理由と、対処法を考えてください。
-積分の刻み DR の値は、どのような論理で決まっている(決めればよい)のでしょうか?
-ラザフォードの公式には、入射粒子及び標的粒子の質量は現れません。では、入力ファイルの AM1 はどのような意味をもっているのでしょうか。
-プログラムで使用している function fitg を用いると、任意の関数について1次元の数値積分が(とりあえず)計算できます。色々な関数の積分値を計算してみましょう。