研究会内容

概要

放射線の生体影響に関しては、これまで放射線生物学、放射線医学等、疫学など多く の分野で蓄積されたデータが存在する。しかし、それらの多くは現象の記述にとどまって おり、分子生物学や基礎生物学の知見を考慮して機序を明らかにするという立場から、数量 化し数理モデルを構築するという試みは長く行われてこなかった。言うまでもなく、物理学 は、個々の現象の中から共通の法則を抽出し統一的理解を目指すというサイクルが、早く から確立されている分野であり、かつ、それを自然現象の言葉ともいえる数式を用いて数 量的に理解し、数理モデルを構築してそのメカニズムを表すだけでなく、そこからさらに、 予測・検証を行うことで、科学的知見を高めてきた分野である。このようにして、物理学 の対象を宇宙・生命現象・社会現象にまで広げ、境界領域を広げ挑戦してきた歴史がある。 放射線の生体影響については、これまで営々として蓄積された各分野の知見とデータを総 点検し、そこへ物理的解析手法を導入することによって、この分野の新展開を成し遂げる 可能性があると考える。 基礎物理学研究所は、これまでも天文学と素粒子論、進化論と数理物理学などの分野の連 携において、林忠四郎や松田博嗣らを開拓者として様々な成果が実を結ぶ重要な拠点であっ た。そして、その結果、宇宙物理学や進化生物学といった新分野を切り開き、ミクロとマ クロを一挙につなぐ新しい展開を可能にしてきた。こうして、この世をつかさどる普遍的 法則や原理から、マクロな現象を解き明かすという伝統を支えてきた。実際に、それぞれ の新展開の動機を与えたのが基礎物理学研究所で伝統的に行ってきた研究会、その中でも 特に長期研究会であった。その背景には共同利用の精神に基づき、国際的視野から、新分 野に挑戦する進取の気風や伝統があった。 今回の研究会によって新しい分野への基礎物理学の挑戦が更に発展する機会となることを 願っている。

テーマ

1. 分子生物学実験、2. 動物実験(マウス)、3. 数理モデル、4. 疫学(交絡因子、研究の疫学的信頼度)、5. 医療利用を背景にした物理的考察、6. 医療利用とアイソトープ管理、7. ミクロとマクロをつなぐスケーリング則、種を超えた記述、8. 生物のグローバルな特性(寿命・体重・酸素吸入量など)

日程

  • 2019年 5月 23日(木)   XX:XX - XX:XX
  • 2019年 5月 24日(金)   XX:XX - XX:XX
  • 2019年 5月 25日(土)   XX:XX - XX:XX

場所

参加料

    未定

発表形式:

    テーマ毎の専門家のレビューと各分野の研究発表(公募)とで構 成し、議論の時間を取って、現状と課題を整理する。

世話人(五十音順)

  • 秋山秋梅(京都大学)
  • 小野哲也(環境科学技術研究所)
  • 古徳純一(帝京大学)
  • 佐藤健一(滋賀大学)
  • 篠原厚(大阪大学)
  • 土岐博(大阪大学)
  • 坂東昌子(京都大学、大阪大学)
  • 松本義久(東京工業大学)
  • 真木寿治(奈良先端大学)
  • 真鍋勇一郎(大阪大学)
  • 米倉義晴(アイソトープ協会)
  • 和田隆宏(関西大学)

主催

本研究会は,基研研究会です。 京都大学 基礎物理学研究所大阪大学 放射線科学基盤機構科研費B「新しい数理モデルによる放射線の生体影響」(代表者:和田隆宏)大阪大学 大学院工学研究科 連携型融合研究組織 「放射線の生体影響の学際、国際研究拠点」(代表者:真鍋勇一郎) の補助を受けて開催されます。

問い合わせ

E-mail:cebe2019_at_yukawa.kyoto-u.ac.jp(_at_を@に変えて下さい)