演示実験

いちょう祭当日には、原子核物理学に関連した演示実験を予定しています。ここでは、その中のいくつかを紹介します。

霧箱

   霧箱は、アルコール蒸気の凝結によって放射線を可視化する装置です。電子やアルファ粒子(ヘリウム4の原子核)が霧箱の中を通ると、飛行機雲のような軌跡を残します。 歴史的には、霧箱は1940年代まで盛んに原子核や素粒子の研究に用いられました。例えば、電子の反粒子である陽電子は1932年にAnderson によって、霧箱を用いて発見されました(下図左写真)。 

Cloud Chamber

スパーク・チェンバー

Spark Chamber Spark Chamber Spark Chamber

    スパーク・チェンバーは、放電箱とも呼ばれ、ガスが封入された箱に短時間のパルス状の高電圧をタイミングよく与えることで、宇宙線等に含まれる粒子の飛跡を放電の跡として可視化する装置です(右図写真)。スパーク・チェンバーは、1959年に大阪大学理学部物理学教室の福井崇時助手(当時)と宮本重徳大学院生(当時)によって初めて発明され、その後世界中の素粒子物理学実験に広く使用されるようになり、大きな成果を生み出しました。いちょう祭当日のスパーク・チェンバー展示の隣には、福井博士と宮本博士が作成した当時の装置の一部を見ることができます。



ガイスラー管・クルックス管

Crookes Crookes Crookes

    ガイスラー管・クルックス管は、少量のガスが封入された真空管に高電圧を加えることにより、気体分子のイオン化によって電子ビームを作り出す装置で, それぞれ発明者である Heinrich Geissler と William Crookes にちなんで名付けられました。発生した電子ビームは、電場や磁場を加えることで操作することができます。
   いちょう祭では、放電発生の実演を行い、発生した電子ビームを使って加速器のビーム制御の仕組みの実演します。