第6回RI技術講習会「サイクロトロンを用いたRI製造と核反応断面積の測定」
2019年2月21, 22日に,東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにて,RI技術講習会を開催いたしました。
(案内: 詳細, pdf版[135 KB])
この講習会には,全国より6名の方々にご参加いただきました。
|開講式
最初にCYRICの田代学 副センター長よりご挨拶をいただき,講習会が始まりました。
今回はRIの製造が実習内容でしたので,まず放射線業務従事者の教育訓練を受講していただく必要がありました。
その後,参加者同士で簡単に自己紹介していただき,簡単なガイダンスを行いました。

|施設見学
ターゲット照射室,ターゲット搬送システム,HM12サイクロトロンや本講習会で運転する930型AVFサイクロトロンおよびそのイオン源,各種放射線測定装置や実習室,医療用PET装置など,CYRICが有する施設や設備の見学を行いました。
見学中は様々な質問や感想が飛び交いました。
特に930型AVFサイクロトロン加速器や医療用PET装置は初めて目にする方がほとんどで,印象深いものとなったようです。




|照射用ターゲット作成と加速器による照射
今回の実習で用いる照射サンプルを自ら作成していただきました。あらかじめ適切なサイズに切っておいた銅箔を複数枚重ねて,ばらばらにならないようにアルミニウム箔で包んだものとしました。
また,翌日に行うターゲット取り出し作業の準備としてポリエチレンろ紙を作業スペースに貼りました。
作成したターゲットをホルダーにセットし,制御室でオペレーターの方とともに実際に照射を行いました。ターゲットの取り外しなども実際に行っていただき,被ばく低減を意識しながらすばやく作業をしてもらいました。


|特別講義
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の塚田和明先生に,「加速器によるRI合成と関連研究」と題した特別講義を行っていただきました。
実際にRIPFの利用者でもある塚田先生がこれまでに手がけてきたRI合成や分離,反応断面積の測定など,RIを製造するのに欠かせない広範な研究の話題を聴く非常に貴重な機会でした。
講義の後には参加者からの盛んな質疑応答がなされました。
また,この日の夜は,短寿命RI供給プラットフォームの関係者も交えた情報交換会が開かれ,参加者同士の交流を深めてもらいました。

|ターゲットの封入作業とガンマ線測定
2日目には加速器で照射したターゲットを汚染しないように小袋へ封入し,ガンマ線測定を行いました。
測定には高純度ゲルマニウム半導体検出器を用い,制御用マシンにインストールされた解析ソフトでピークの情報を読み取りました。
少し時間がかかってしまいましたが,すべての銅箔に対して情報を得ることができました。


|解析・結果の議論
ガンマ線測定の結果から生成したRIの放射能を算出し,その値をもとに核反応断面積の計算と励起関数の作成を行いました。
持参していただいたノートPCを用いて解析を行いました。
数式の扱いや表計算ソフトの操作に苦戦しつつも,励起関数を描いていきました。
出てきた結果についての考察や議論を通してRI製造をどのように行うかの理解を深めていきました。後日,測定データや資料を送ることで復習が可能なようにいたしました。

|閉講式
全ての講習を修了した参加者に渡部浩司センター長より修了証書の授与を行いました。
その後,全員で記念撮影をして,講習会を閉会いたしました。


研修会の進行に関しまして至らぬ点もあったかと思いますが,大きな事故もなく無事に実施することができました。
ご参加頂いた皆様に感謝いたします。
2日間大変お疲れ様でした。
また今回の研修会開催におきましては関係者の皆様方に様々な点でご尽力いただき,改めて感謝いたします。
第5回RI技術講習会
2018年11月29, 30日に,放射性同位元素等取扱施設安全管理担当教職員研修との共催でRI技術講習会を開催しました。
第4回RI技術講習会「加速器で製造した非密封RIの取扱」の開催報告
2018年2月22, 23日に,東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター (CYRIC) にて,第4回RI技術講習会を開催しました。
この講習会には,全国から11名の方々がご参加くださいました。
|開講式
最初にCYRICの谷内一彦センター長よりご挨拶をいただき,講習会が始まりました。
今回は実際に非密封RIを取り扱う実習を行うので,まず放射線業務従事者の教育訓練を受講していただく必要がありました。
その後,講習会のガイダンスを行い,参加者同士で簡単に自己紹介していただきました。
|施設見学
サイクロトロン加速器をはじめ,RI製造に用いるターゲットシャトル駆動システムや,PET装置など,CYRICが有する施設や設備の見学を行いました。
見学中は様々な質問や感想が飛び交いました。
特に930型AVFサイクロトロン加速器のような大型の装置は初めて目にする方が多く,印象深いものとなったようです。
|特別講義
CYRICの古本祥三先生に,「放射性薬剤の基礎と応用」と題した講義を行っていただきました。
フッ素18を用いたPET診断を中心とした核薬学の研究の実際を詳細に紹介していただきました。
講義の後には参加者からの盛んな質疑応答がなされました。
また,この日の夜は,短寿命RI供給プラットフォームの関係者も交えた懇親会が開かれ,参加者同士の交流を深めてもらいました。
|実験実習に向けた講義
実験実習について,詳しい講義を行いました。
実験原理や手法の説明だけでなく,汚染を防ぐためにはどのような点に気を付けて非密封RIを取り扱わなければならないのか,といったことも重点的に説明いたしました。
|実験実習
5班に分かれて実習を行いました。
実習内容は,コバルト同位体を用いたキレート化学反応と,イメージングプレートを用いた放射能の可視化です。
東北大学電子光理学研究センターの施設で製造したRIをキレート剤に反応させて,薄層クロマトグラフィーによって展開したものをイメージングプレートで検出しました。
その結果を受けて,なぜそうなったのか,またなぜ班ごとで異なる振る舞いとなったのか,などといったことについて考察・議論してまとめました。
|閉講式
全ての講習を修了した参加者に修了証書を授与し,最後に全員で記念撮影をして,講習会は終了しました。
ご参加くださった皆様,二日間お疲れ様でした。
関係者の皆様方,ご協力ありがとうございました。
第3回RI技術講習会
2017年11月9, 10日に,放射性同位元素等取扱施設安全管理担当教職員研修との共催でRI技術講習会を開催しました。
第2回RI技術講習会「加速器による単寿命RIの生成とその取扱い」
2017年2月9, 10日に,東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにて,RI技術講習会を開催しました。
第1回RI技術講習会
2016年9月29, 30日に,放射性同位元素等取扱施設安全管理担当教職員研修との共催でRI技術講習会を開催しました。