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大阪大学核物理研究センター
中野 貴志

我が国は、加速器技術と短寿命放射性同位体(RI)の研究において、世界トップレベルの地位を確立しています。この分野の研究は、RIが「生もの」として扱われる特性上、供給の直後に近隣で行う必要があります。これは、国内外の研究機関にとって大きな挑戦であり、我々が構築した短寿命RI供給プラットフォームは、核医学等の基礎科学の推進において大きな貢献をしてきました。

しかし、短寿命RIの利用には高いハードルが存在し、その優れた特性を多くの分野で活用することは、これまで十分には実現されていませんでした。このため、大阪大学放射線科学基盤機構と連携し、新たな共同研究支援システムとして「RIコラボラティブ学際領域展開プラットフォーム」を構築しました。

このシステムの目的は三つあります。まず、短寿命RIを用いた基礎研究の分野を広げ、新たな学術的萌芽を育むこと。次に、共同研究を通じて学際的な新規研究やイノベーションを創出すること。 そして最も重要なのは、次世代を担う若手研究者への技術の継承と発展を促すことです。

この新たな取り組みにより、我が国の加速器技術とRIを用いた研究がさらに進化し、世界における当該分野のリーダーシップが強化されることを期待しています。皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。