板倉 悠大

板倉 悠大
理学研究科化学専攻

私は「ソフトドナーによる溶媒抽出と量子化学計算を組合せた超重元素 Rfの化学的性質解明」というテーマで研究を行っている。

超アクチノイド元素では軌道電子が光速に近づくことによる原子軌道への相対性理論の影響(相対論効果)が価電子軌道にまで強く影響を及ぼし、同族元素と異なる化学的性質を持つ可能性がある。しかし、実験的な制約が非常に厳しく、その性質はほとんど明らかになっていない。

私は超アクチノイド元素で最も軽いラザホージウム(Z=104, Rf)に着目した。Rfの化学研究にはこれまで硬い塩基を用いた反応系が用いられ、Rfは同族元素と比較して硬い塩基との相互作用が弱いことが示されていた。そこで私は軟らかい塩基に着目し、軟らかい塩基を用いた溶媒抽出実験と相対論的量子化学計算を組み合わせることで、静電相互作用よりも相対論効果の影響を強く受けると考えられる軌道相互作用の観点からRfに働く相対論効果を議論することを考えた。

活動・成果