加藤雅貴

加藤雅貴
医学系研究科保健学専攻

修士課程までは素粒子原子核理論に関する研究を行なっていた。博士課程から修士課程までに培った知見を医学に還元する研究を行なっている。

 

日本では2019年度の情報で、がんの総罹患数が約90万人、死亡数が約40万人に上っており、国民の二人に一人ががんで亡くなる。がんの治療法は、大きく分けて手術療法、化学療法、放射線療法の3種類である。放射線治療は他の治療方法より低侵襲で、体への負担が少ないため、生活の質(QOL)を保ちながら治療を行うことができる。

放射線治療の一つである陽子線治療は線量集中性が高いため、陽子の停止位置がズレると正常組織へのダメージの増加、または腫瘍への投与線量の低下に繋がる可能性がある。陽子線照射によって体内で自己放射化が生じ、ポジトロン放出核が生成される。ビームライン上に設置した対向二面型のPET(Positron Emission Tomography)装置でポジトロン放出核種の生成分布を2次元的なPET画像として可視化することで、患者に照射された陽子の停止位置や付与したエネルギーである線量分布を確認する手法の開発を行なっている。

活動・成果