中田 拓希

中田 拓希
理学研究科化学専攻

私は、現在知られている中で最も重いアルカリ金属元素である、87番元素フランシウム(Fr)の溶媒抽出実験に関する研究を行っています。
一般に重い元素の原子系では相対性理論の影響(相対論効果)によって、電子軌道が収縮・膨張することが知られています。そしてその影響で、アルカリ金属元素のイオン化ポテンシャルや電子親和力はKからCsにかけて減少するのに対し、CsからFr、119番元素にかけては増加に転じることが理論計算によって予測されています。しかしFrの同位体はすべて不安定であり、半減期も短く実験で扱うことが可能な原子数は極微量に限られます。そのため、Frの相対論効果を実験的に検証する化学研究はあまり進展していません。
私の研究ではCs+の抽出が知られている有機抽出剤を使用し、Frを用いた溶媒抽出実験を行うとともに量子化学計算を行い、Frの電子状態の評価を目指します。そしてこの結果をもとに、実験からFrにおける相対論効果を理解することを最終的な目標としています。

活動・成果