吉田 奈央

吉田 奈央
理学研究科化学専攻

私はアクチノイドの配位化学に興味を持ち5f軌道に2電子持つウラン(IV)を用いた錯体合成を行っています。

アクチノイドは安定核種が存在せず、放射能を持つため取り扱いが難しく、詳しく配位化学が調べられていません。そこでdブロック元素の配位子場理論のようにアクチノイド錯体の金属―配位子間相互作用を議論できるような手法を確立したいと考えました。

アクチノイドと配位子の結合が共有結合性を持つことに着目し、架橋配位子を経由した混合原子価状態が生じる多核錯体を合成できるのではないかと考え、アクチノイド核種の中でも半減期が長く放射線のエネルギーが低いために比較的扱いやすいウラン(IV)を用いた錯体を合成しています。配位子の置換基変化に伴う電気的・磁気的変化を観測することでアクチノイドの金属―配位子間相互作用について評価する手法の確立ができるのではないかと考えています。

活動・成果