阪本 夏華

阪本 夏華
医学系研究科保健学専攻

私は、シミュレーションとAI技術を融合させた革新的なX線位相コントラスト画像再構成法の開発に取り組んでいます。

従来のX線画像はX線の吸収差を画像化していますが、体内の軟部組織のような低原子番号の物質では一般にX線の吸収が弱いため明瞭なコントラストが得にくいという課題があります。この課題を解決する有望な手段の一つにX線位相コントラスト画像があります。これは、X線の屈折や回折、干渉を画像再構成に利用したものであり、撮像対象のエッジを強調できるという特長があります。ただし、位相X線画像の取得には波長と位相の揃った高コヒーレントのX線が必要であるため、エネルギーにばらつきのあるX線源を使用している医療現場での実用化が難しいのが現状です。

そこで本研究では、シミュレーションで位相コントラスト画像を生成し、深層学習によりその特徴を学習させることで、通常のX線画像から位相コントラスト情報を再構成する新たな手法の確立を目指しています。

 PQBAでの活動を通じて、専門分野にとどまらず他分野の知見も広く取り入れ、多角的な研究的視座を養っていきたいと考えています。

活動・成果