木村 容子

木村 容子
理学研究科物理学専攻

私は現在修士研究として、β-NMR(β線検出核磁気共鳴)法を用いたMRIの開発を行っている。現在医療現場で普及しているMRIは身体の中の水素核などに強い磁場をかけ、その運動を測定することによって身体の様子を画像化している。一方で私が行っている研究では身体に放射線治療の要領で加速された核を打ち込み、その核が放出するβ線を測定することでその核の周辺の情報が画像化できる。現在普及しているMRIはβ線を放出しない安定核を用いているが、本研究では放出する不安定核を用いている。安定核に比べ不安定核の種類は非常に多いため、この開発によりMRIで利用できる核種が大幅に増え、身体に多く存在している酸素や炭素からも情報を得られるようになることで従来よりも検出効率が高まり、MRIの利用用途が大きく広がると期待されると考えている。この研究開発では、シンチレーションファイバーを用いて放射線検出器を設計、製作し、試料に打ち込んだ核から放出されたβ線を製作した検出器で実際に検出して解析を進めることで試料の物性情報を画像化し、この開発の有用性を示したいと計画している。

活動・成果