宮本 颯大

宮本 颯大
理学研究科化学専攻

現在、放射性同位体であるテクネチウム 99m はSPECT 検査などの医療診断に用いられており、テクネチウムと同族元素であるレニウムはレニウム-186 とレニウム-188は放射線治療に用いられています。

このように共に医学的な利用がなされているテクネチウムとレニウムは同族元素であることから化学的な性質が類似しており、同じ配位子をもつ錯体を合成することが可能となっています。そのため中心金属のみが異なる錯体を用いてテクネチウム錯体で診断、レニウム錯体で治療といった利用ができる点が利点となっています。しかし、テクネチウム-99m を用いた診断の際に利用するγ線は透過性が高いことが利点となっていますが環境応答性がないことが課題となっています。それに対して発光は透過性は低いのですが環境に対して敏感に応答するために周辺の情報を得ることができます。そのため発光と放射線の両方を放出する錯体を合成することができればそれぞれの強みを生かした利用が可能となり様々な応用が期待できます。

 そこで現在はそのような応用につながるようなレニウムとテクネチウム錯体の発光についての研究を行っています。

活動・成果