
村田 誉
医学系研究科保健学専攻
医学系研究科保健学専攻
私は、マルチモーダル医用画像解析とRadiomics/Dosiomicsによるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)個別化治療予測モデルの開発をテーマに研究を行なっています。
BNCTでは、従来、治療前に[18F]FBPA-PETを用い、腫瘍と正常組織の最大集積比(Tmax/N)で適応を判断してきましたが、近年では腫瘍内の最小集積比(Tmin/N)が治療効果と関連することが報告され、腫瘍内薬剤分布の不均一性が治療成績に影響する可能性が示されています。しかし、空間分布を定量的に評価する方法が未確立であることが課題として挙げられています。
そこで、本研究では、Radiomicsによって画像から得られた形状・テクスチャ等の特徴量とDosiomicsによって高精度線量分布から得られた空間的特徴量を解析し、治療効果や副作用の予測精度を高める新たな適応指標を探索することで、ホウ素薬剤のミクロな分布不均一性と治療成績の関係を明らかにし、BNCTの局所制御率や反応予測精度を向上させるモデルを構築し、より精密で個別化されたBNCT治療の実現に貢献することを目標としています。