医学系研究科保健学専攻博士前期課程2年の石野直紀です。私は大学院で炭素線を用いた放射線治療に関する研究を行っています。

放射線治療にはX線や電子線、陽子線、重粒子線が用いられます。現在は重粒子線といえば、炭素線を指すことが多いです。炭素線の特徴は、その飛程付近で細胞に大きなダメージを与えるために治療効果が高いとされています。一方でそのために、正常細胞だと有害事象を引き起こす可能性があります。病院では患者の体内の標的を正確に狙えるように、照射する前に治療計画を立てます。治療計画では、患者体内での線量分布を計算するために飛程の情報が用いられます。したがって飛程の推定精度が悪ければ、腫瘍のみを狙った治療ができなくなります。さらに放射線治療の高精度化に伴い、治療計画を立てる時間が長くなるため、簡便に飛程を推定する必要性もあります。そこで私は炭素線の飛程の簡便かつ高精度な推定方法の開発を目指しています。手短にですが私の研究紹介をしました。皆様どうかよろしくお願いします。