
坂上 宗樹
理学研究科物理学専攻
理学研究科物理学専攻
私は24Mgにおけるα凝縮状態の探索を行っています。
私たちの宇宙を構成している物質は分子の集まりで、その分子は原子から構成されています。その原子の性質を特徴づけているのは原子核で、原子核は陽子と中性子から構成されています。私は原子核の性質を実験的に調べることでこの宇宙の成り立ちを明らかにしようと考えています。
原子核の一般的な状態において、その密度は種類によらず一定である(密度の飽和性)と考えられており、陽子と中性子が独立に運動していると考える模型、独立粒子模型が有効です。しかし、独立粒子模型で表すのが困難な状態も存在します。その1つがαクラスター状態です。αクラスター状態は原子核内の陽子2つと中性子2つからなるα粒子を構成要素とする状態です。
私はαクラスター模型の中でもα凝縮状態に注目しています。α凝縮状態では全てのα粒子が最低エネルギー軌道に凝縮しており、通常の原子核に比べて約1/6の密度になると指摘されています。α凝縮状態は密度の飽和性からかけ離れた大変興味深い状態です。
現在、24Mgはほとんど研究されていないため、より本格的に24Mgの6α凝縮状態を探索し、その性質を調べたいと考えています。