Physics Memo
過去のメモ
その他メモ
2n efficiency
- もっとも単純には、 1n efficiency の二乗が 2n efficiency。
- Cross talk か真のイベントかを判断できないイベントを無視すると、さらに 3/4 になる(近藤さんのスライド参照)。
(W1, W2)
- (1,1) (1,2)
- (2,1) (2,2)
- (1,2) を考えないと、3/4.
原子核メモ
obrate (β<0): パンケーキ
prolate (β>0): 葉巻
- 普通は prolate 変形 (PRC79(2009)034317)
図を作るのに使ったスクリプト: https://github.com/nobukoba/kobaprg/tree/master/phys/deformation_anim
- np-mh (n particle -m hole)
- closed shell に対してと基底状態に対しての言い方がある。
s 軌道と p 軌道の平均自乗半径は、その束縛エネルギーが 0 になると発散する。Y. Urata et al. PLC83(2011)041303, K. Riisager et al. NPA548(1992)393.
Nilsson diagram の漸近量子数 (asymptotic quantum number) [NnzΛΩ]
N : 振動子の全量子数
N = 1, 2, 3, ...
nz : 対称軸方向 (z軸方向) の振動子の量子数
nz = 0, 1, 2, ..., N
n⊥ : 対称軸に垂直な方向の振動子の量子数
n⊥ = 0, 1, 2, ..., N
N = n⊥+nz
nρ : 対称軸に垂直な方向の振動子の量子数
nρ = 0, 1, 2, ...
n⊥ = 2nρ + |Λ|
n⊥ は2次元極座標における動径方向の振動子の量子数と軌道角運動量を表している?
n⊥ : 偶数 → |Λ| = n⊥, n⊥-2, ..., 0
n⊥ : 奇数 → |Λ| = n⊥, n⊥-2, ..., 1
N = 2nρ + |Λ| +nz
- Λ : 軌道角運動量の z 成分
N-nz : 偶数 → |Λ| = (N-nz), (N-nz)-2, ..., 0
N-nz : 奇数 → |Λ| = (N-nz), (N-nz)-2, ..., 1
- Ω : 全角運動量 (全スピン)の z 成分
- Ω=Λ+Σ
- Σ : 1粒子のスピンの z 成分
言葉
理論関係
- ab initio 計算
- 第一原理計算
- Glauber model
- 原子核同士の反応を核子同士の相互作用、および核子の密度分布からミクロに計算する。Eikonal 近似と断熱近似を用いている。(中高エネルギー不安定原子核反応におけるグラウバー理論, 日本物理学会誌 63 (2008) 419.)
- Eikonal 近似
- 入射核のエネルギーが大きいとして、2次の空間微分の項を無視?
- 断熱近似
- 原子核の励起エネルギーは入射エネルギーに比べて小さいとして励起エネルギーを無視する。
- Optical limit
核子は一回しか反応しないとする?(参考 : 小沢さんレクチャーノート)
- few body approach
- core + n などと考えて計算すること?
- Asymptotic Normalization Coefficient (ANC)
- ?
- Island of Inversion
- 1粒子軌道の逆転が起きている領域。魔法数の消失、核の変形も確認されている。中性子過剰な A ~ 32 における binding energy の irregularity から示唆された。
実験関係
- 2n knockout 反応と 2n removal 反応
- 2n knockout 反応は一度に二つの中性子が剥ぎ取られる反応。一方、2n removal 反応は 1n が剥ぎ取られ、蒸発して、その後もう一つの 1n が分離する反応も含む。
- 二項分布
結果が成功か失敗のいずれかである n 回の独立な試行を行ったとき、k 回成功する確率 P(k) の k = 0, 1, 2, ... , n に対する分布。参考 : Wikipedia - 二項分布, 中島真平さん修論
- n 個のビームが標的に入射したとき、反応率を p とすると、反応する粒子の数 k は以下の二項分布に従う。
このときの P(k) の分布の標準偏差 Δk は、
となる。真の反応率 p が未知の場合(pを測定したい場合)、p ~ k/n という近似を用いて、
と書くことができる。
この式より、ビームの数 N1 と 反応した数 N2 から導出する反応率 R = N2/N1 の誤差 ΔR は、N1 を定数と考えて(原理的に分母に誤差はない)、
。
- ポアソン分布
ある時間中に平均で λ 回発生するランダムな事象がその時間中にちょうど k 回発生する確率 P(k) の k = 0, 1, 2, ... に対する分布。参考 : Wikipedia - ポアソン分布
ポアソン分布の標準偏差 Δk は、
となる。真の値 λ が未知の場合(λを測定したい場合)、λ ~ k という近似を用いて、
と書くことができる。
- ある時間中に k 個のビームが測定されたとき、その時間中に平均で発生する真のビームの数 λ はおよそ k と等しくなるため、λ = k と考える(他に考えようがない)。また、その誤差 Δλ は、
となる。
反応率 R = N2/N1 の誤差 ΔR を考える時、N1 は定数、N2 はポアソン分布に従うとして、
と計算してはいけない。なぜなら、N1とN2は相関があり(N1 の数に応じて N2 が確率的に決定する)、N2は二項分布に従うため。N2 がポアソン分布に従うと考えることは、N1 のカウント数に関係なく(独立に)、ある頻度でランダムに発生する事象の数 N2 を考えていることになる。
例えば、N1 = N2 = 10000 とした場合、二項分布から
- となるはずだが、ポアソン分布を仮定すると
となる。この場合、反応率は 1 であるため、N2 の誤差は 0 になるのが自然。
- 弾性散乱と非弾性散乱
原子核同士の散乱において、エネルギーのやりとりが生じない場合が弾性散乱、生じる場合が非弾性散乱。即ち、剛体球として振る舞う場合が弾性散乱、振る舞わない場合が非弾性散乱か?参考
: Total cross section, 全断面積
- 標的と衝突(反応、又は散乱)する時の断面積。反応断面積と弾性散乱断面積を足したものといっても良い。
: Reaction cross section, 反応断面積
- 反応するときの断面積。ここでいう反応は、入射核の核種が変化する反応、および、入射核、又は標的核の片方、又は両方が励起状態に遷移する反応のようだ。入射核、又は標的核が剛体球として振る舞わなかった場合といっても良い?相互作用断面積と非弾性散乱断面積を足したものと言っても良い。
: Interaction cross section, 相互作用断面積
- 標的入射の前と後で入射核の核種が変化する反応、即ち陽子数、又は中性子数が変化する反応の断面積。ここでは、核種が変わる反応を相互作用と言う?
: Inelastic scattering cross section, 非弾性散乱断面積
- 標的入射の前と後で入射核、及び標的核の核種は変化しないが、入射核、又は標的核の片方、又は両方が励起状態に遷移する反応の断面積。言いかえれば、核種は変わらないが、核種の内部状態に変化が起きる反応の断面積。γ線が同時計測されるはず。ただし、非束縛状態に励起した場合、核子又は軽い核を放出し、核種が変わる。この分の断面積も非弾性散乱断面積と言うんだろうか?核半径の人々は相互作用断面積に含めているようだ(NPA864(2011)1)?
: Elastic scattering cross section, 弾性散乱断面積
- 標的入射の前と後で入射核、及び標的核の核種が変化せず、その状態も変化しない場合の断面積。言いかえれば、入射核及び、標的核が剛体球として振る舞い、運動方向のみが変化するような場合の断面積。
参考 : 小沢さんレクチャーノート, 鈴木・山口研究室の方々の修士論文 (e.g., 圭さん修論, 中島真平さん修論)
ビーム強度の単位
個/s (s-1) : 1 秒当たりに飛んでくるビームの数。
- pps : particles per sec。1 秒当たりに飛んでくるビームの粒子数。
- cps : counts per sec。1 秒当たりに飛んでくるビームのカウント数。
- 個/s = pps = cps
- A (アンペア) : ビームの粒子は電荷を持っているので、ビームは電荷を運んでいる。よって、ビームに沿って電流が流れていると考えることができる。この為、電流の単位 A を用いてビームの強度を表現できる。A = C/s。
nA (ナノアンペア) : ビーム強度を表す場合、A よりも 109 倍小さい nA を良く用いる。すなわち、nA = 10-9 A。
- enA (エレクトリックナノアンペア) : nA と同じ。すなわち、enA = nA。pnA と区別したい場合に enA を用いる。ここで e は"電気的な"電流のことを表し、素電荷を表すわけではない。1 秒当たりのビームの数に粒子の持つ電荷をかければ、1秒当たりに通過する電荷量になる。
Q : 10 9 個/s の48Ca(Z=20)ビーム は 何 enA ?
A : 10 9 個/s * 20 * (1.6 * 10-19 C) = 3.2 * 10-9 A = 3.2 enA (= 3.2 nA)。
pnA (パーティクルナノアンペア) : 原子核ビームの量を表す単位。電流量 (単位 : enA) を Z で割った (Z で規格化した) 量が pnA 単位のビーム強度となる。すなわち、pnA / Z = enA (enA という単位自体を Z で割るわけではないので pnA = enA / Z ではない)。原子核の持つ電荷を e と仮定したときに、ビームが運ぶ電荷量が、pnA 単位のビーム強度と言うこともできる。すなわち、pnA 単位のビーム強度を素電荷 e (= 1.6 * 10-19 C) で割れば、ビームの数(単位 : 個/s)となる。原子核は核種によって持っている電荷 Ze が異なるため、電流量はビームの個数を直接表す単位でない。例えば、陽子 (Z=1) と 4He (Z=2) ビームでは、同じ数の粒子が飛んできても、Z が 2 倍異なるため、4He ビームの方が流れる電流は 2 倍になる(Z が 2 倍違うので、電流も 2 倍違う)。よって、Z で電流量を割れば (Z で規格化すれば)、ビームの個数を表すことになる。ビームの個数を比較する場合は、enA ではなく pnA 単位の値を比較する。
Q : 4000 enA の 48Ca(Z=20)ビーム は何 pnA?
- A : 4000 を Z = 20 で割って 200 pnA。
- Q : 160 pnA のビーム は何個/s?
A : 160 pnA を 素電荷 e で割って (160 * 10 -9) A / (1.6 * 10-19) C = 1012 個/s。
ビームのパワー
- ビームが単位時間あたりに運ぶ粒子の運動エネルギーをパワー (仕事率, 電力?)と呼び、単位は W (=J/s) で表す。1 粒子当たりの運動エネルギー(J)にビームの数 (個/s) をかければ、パワーになる。ちなみに W は VA と表すことができる。V は 1 クーロン当たりのエネルギーであり (J/C)、A は 1 秒あたりの電荷 (C/s) であるため、これらをかけると J/s = W となる。
Q: 100 pnA, 200 AMeV の 48Ca ビームのパワー(仕事率, 単位:W)は?
200 AMeV の 48Ca 粒子 1 個が持つ運動エネルギーは、200 * 48 * 10 6 * (1.6 * 10 -19) J。一方、100 pnA のビームの数は、100 pnA / e = 100 * 10 -9 / (1.6 * 10 -19) 個/s。これらをかけて、200 * 48 * 10 6 * 100 * 10 -9 J/s = 960 W。より簡単には (200 * 48 MeV) * (100 pnA / e ) = 200 * 48 * 100 * M * n pAV = 960 W と計算すればよい。
ガンマ線源
リンク
PDG > Reviews, Tables, Plots > 31. COMMONLY USED RADIOACTIVE SOURCES
Precision measurements of gamma-ray intensities I. 56Co, 88Y, 110mAg, 134Cs and 207Bi [リンク]
Nuclear Wallet Cards for Radioactive Nuclides March 2004 : 88Y の励起エネルギーが出ている
エネルギー
NuDat2 にデータがあった。
核種 |
ガンマ線エネルギー |
コンプトンエッジのエネルギー |
崩壊した時のγ線の放出確率 |
参考 |
137Cs |
662 keV |
478 keV |
85.1(2) % |
|
60Co |
1173 keV |
963 keV |
99.85(3) % |
|
88Y |
898 keV |
699 keV |
93.7(3) % |
|
22Na |
511 keV |
keV |
180.76(4) % |
|
138La |
789 keV |
keV |
34.4 % |
エネルギーと運動量
- 変換式
- 表式
c : 光の速さ
β = v/c : 光に対する速さ
: ローレンツ因子
E : 全エネルギー (良く使う単位: MeV)
K : 運動エネルギー (単位: MeV)
p : 運動量の大きさ (単位: MeV/c)
m : 質量 (単位: MeV/c2)
E, K, p, m は以下のように考えてもよい。
E : 質量(単位: u)当たりの全エネルギー (単位: MeV/u)
K : 質量(単位: u)当たりの運動エネルギー (単位: MeV/u)
p : 質量(単位: u)当たりの運動量の大きさ (単位: MeV/c/u)
m = 931.494061(21) MeV/c2 : 原子質量単位 (u = 931.494061(21) MeV/c2 (PDG - Physical Constants (rev.)を参照。ちなみに、931.494061(21) の (21) は誤差を表し、931.494061±21 という意味。))
さらに、E, K, p, m は以下のように考えてもよい。
E : 核子当たりの全エネルギー (単位: MeV/nucleon (AMeV とも書く))
K : 核子当たりの運動エネルギー (単位: MeV/nucleon (AMeV))
p : 核子当たりの運動量の大きさ (単位: MeV/c/nucleon (AMeV/c))
m : 核子当たりの質量 (単位: MeV/c2/nucleon (AMeV/c2))
- 表式
Transformation |
Equation |
E, m → K |
|
p, m → E |
|
γ, m → E |
|
β, m → E |
|
γ, m → K |
|
β, m → K |
|
β, γ, m → p |
|
β, m → p |
|
γ, m → p |
|
E, β → p |
|
E, m → p |
|
K, m → p |
|
K, m → β |
|
E, m → β |
|
K, m → γ |
|
E, m → γ |
|
γ → β |
|
γ → γβ |
|
β → γβ |
|
γβ → β |
|
γβ → γ |
|
- 変位
- mass も変わる場合
導出
- これに以下を代入すれば求まる。
βB = vB/c : ビームの光に対する速さ
: ビームのローレンツ因子
pF : フラグメントの運動量
EF : フラグメントのエネルギー
p : ビームの静止系から見たフラグメントの運動量
q : 電荷
p : 全運動量の大きさ
A : 質量数
Z : 陽子数
K : 全運動エネルギー
: ローレンツ因子
e : 素電荷
: 核子当たりの質量
中性子分離エネルギー
計算
The AME2012 atomic mass evaluation (II). Tables, graphs and references (Chinese Physics C36, 1603 (2012)) の p.1696 より中性子分離エネルギー S(n) (or Sn) は
- S(n) = - M(A,Z) + M(A-1,Z) + n
となる。ここで、 mass excess ΔM(A,Z) を用いると ΔM(A,Z) = M(A,Z) - A mu なので (AME2012 の論文では、mass exess: M - A と書いてある)、
Sn = S(n) = - M(A,Z) + M(A-1,Z) + n = -(ΔM(A,Z) + A mu) + (ΔM(A-1,Z) + (A - 1) mu) + (ΔM(1,0) + mu)
- = -ΔM(A,Z) + ΔM(A-1,Z) + ΔM(1,0)
となる。ここで ΔM(1,0) は中性子の mass excess で AME2012 の論文 の p. 1604, Table A によれば
ΔM(1,0) = 8071.317144(458) keV90
である。V90 は 1990 年から使われている volt の定義(?)の一つで、AME2012 の論文では maintained volt と呼んでいる。論文では全体を通して keV90 が使われており、keV と書いてある場合、大体 keV90 を指しているようだ?論文の ΔM(1,0) の値を用いれば、
Sn = - ΔM(A,Z) + ΔM(A-1,Z) + 8071.317144(458) keV90
となる。AME 2012 の論文の Sn はこの式に従って計算されているようだ (この式を使うと論文に掲載されている Sn の値を再現できる)。武藤さん講義資料 - p.61, 式(4.20) も参考になる。
実際の値
- 黒線 : G. Audi et al., Nucl. Phys. A729, 337 (2003).
- 赤線 : B. Jurado et al., Phys. Lett. B 649, 43 (2007).
- # : 理論値
解析メモ
- 正規分布
- FWHM と標準偏差シグマの関係
- Gauss 分布を g(x) とすると、 g(x) = g(0)/2 を満たす x の 2 倍が、Gauss 分布の FWHM である。
- Goldhaber の式
はともに FWHM でなく、σ値
のとき
- 矩形関数の標準偏差シグマ
導出(分母の計算を忘れてる)
以下のようなFWHM(半値幅, 半値全幅)が
の矩形関数を考える:
この関数の分散
は、
- であるから、これの平方根をとって標準偏差が求まる。
unified atomic mass unit (u): 1 u = 931.494 MeV/c2
- Maltiple scattering through small angle
は多重散乱の角度分布のシグマ?
は入射粒子の速度、運動量、陽子数
は物質の radiation length に対する厚さ
- Gamow-Teller transition strength
- Fermi transition strength
ボルツマン定数 kB (参考: Particle Data Group - PHYSICAL CONSTANTS)
T = 109 K ⇔ T9= 1 ⇔ 86.2 keV
104 K ~ 0.862 eV
- 1万度は大体 1 eV
- デルタ関数の次元
δ(r) は 1/r の次元を持つ。r で 積分すると 1 (無次元)になるから。
アボガドロ数 (Avogadro constant): http://pdg.lbl.gov/2014/reviews/rpp2014-rev-phys-constants.pdf
- ここで、
- を用いた。
減衰長
- 1/e の波高になる長さが減衰長。
- 導出
より、
- 導出
- 1/2 に波高になる長さの約 1.44 倍が減衰長。
- 導出
より、
- 導出
プログラム
構造メモ
偶々核の基底状態のスピンパリティは、0+。スピンが逆向きで同じ軌道に入ったときが、波動関数のオーバーラップが最も大きく(核力は引力)、一番エネルギーを得するから。
疑問
- Q: 中性子過剰核における陽子と中性子のポテンシャルをそれぞれ図示するとき、中性子側の底の方をより浅く表現するのはなぜだっけ?前に聞いた気がするけど忘れた。安定核ではクーロンポテンシャルを考慮して陽子側を浅くするけど。
- Q: p軌道ハローは、どんな形をしている?(後輩に聞かれたけどよくわからなかった。)
- Q: B(E2)がおおきいと、変形しているのはなぜ?